その一つの例として、貿易国香港に近い立地条件の揃った中国物流を学ぶにはもってこいの環境である深センに住む私は、前述のような中国の高度成長時代を肌で感じながら見聞した中国式びっくり物流の輸入事例について少し書かせていただきます。
<輸入編>
- 再生原材料の輸入時に虫の混入があることがわかっていても、ウン十万円払えば今日中にサプライヤー工場に納入する。
- 法的に金型は、未使用型のみ輸入を認められているが、未量産型が使用済みと判断され数十万円の追徴金を要求される。
(未使用と未量産の言葉の違いが理由。実際は試作をしているので未使用はあり得ないだが・・・)
- 通常通関処理時間が2〜3日なのに、詳しい説明もなく2週間〜1ヶ月輸入許可がおりなかった。
こんな事例があり、その結果として学んだことは、
- 中国への輸出入の日程の余裕のない貨物は要注意
- 不条理だがコストUPは速やかに認めるが早道
- 税関窓口担当とはある程度根回しが必要
この国は、本当に私を日々ポジティブにもネガティブにもしてくれる不思議な国です。
民族性、感性、文化の違いが大きければ大きいほどその差に喜怒哀楽が生まれ、しばらくたてば徐々に理解も出来る…ようになるが、
ついつい「…が、しかし」と言葉が続いてしまいます。
ところである事件が深センのとある保税区で3年位前にありました。
通関待ちの運転手が施錠し昼食を取っていると、鍵を壊されて積荷(電子部品)が盗まれた。
積荷自体は保険で保証されていますが、それよりもメーカーとしては市場に出回っていない物なので、闇市場へ流れることを心配しました。
盗んだ手口は、5人位が自転車で盗品を手に抱えて保税区の門を猛速で通過し 盗んだ品は東京の秋葉原の様な電気街に売り込もうとしましたが、結果は失敗に終わったそうです。このようなことは中国では珍しくありません。
日本の2012年もまだまだいろんな形で中国の影響や関係も続くと思いますが、必要以上に避けることなく、予想できない事にも驚かず、沈着冷静が一番の近道であり、異国の地の新しい情報を吸収し乗り越えていきましょう。
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