近年、ウエブ2.0という言葉をよく耳にするようになった。ウエブ2.0とは、インターネットが第二世代に入り、より人にやさしく使いやすくなったことを表現した言葉だそうだ。 いろいろな変化の中で、特筆すべきは、googleの検索エンジンである。検索エンジンの技術が進歩し、サイト内の片隅に書かれたワードでさえ、正確に検索し、表示してくれるのだ。
今まで、埋もれてしまっていた中小企業のニッチなサイトも検索エンジンの技術向上により、全国のお客様に見つけていただけるようになった。
ただし、サイトを立ち上げれば、お客様から問い合わせがあると考えることには、少々問題がある。サイト立ち上げの前に、戦略・戦術を立案し、「誰に何を伝えるのか」を明確にしたサイト構築をしなくてはいけない。
従来のような“何でもできます”を売りにしたサイトは見て頂けない時代になった。顧客のニーズが多様化し、複雑化したことで“何でもできることは、何も特色がなく、何もできないこと”と捉えられるようになった。
そうならないためには、自社の強みを前面に出したサイト作りを行い、ターゲット顧客を絞込むことが大切である。当社では、従来、多品種少量の精密部品加工を短納期で対応できることを特色にし、どんな材質でも、どんなお客様でも、仕事をお受けしていたが、なかなかお問い合わせが少なく売り上げも伸びなかった。
昨年夏から、加工する材料の材質を社内での加工経験豊富なアルミ、黄銅、樹脂に絞り、ターゲット顧客も付加価値の高い仕事がいただける大手メーカーの40代の設計開発担当者に絞って、技術的な内容を多くし、加工単価はあえて高そうに見えるサイト作りを行った。
このような自ら間口を狭めるような営業方法には、疑問を感じる方もみえると思うが、検索エンジンで当社を検索されるお客様は「この部品を加工できる会社を見つけたい。」といった明確な目的を持って検索される場合が多いのだ。事実、当社では、昨年の夏以降、お取引したいお客様との出会いが増えている。
|