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素晴らしいお客様と笑顔のスタッフに囲まれて心から・・幸せです |
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「炊事、洗濯、家事、掃除は女性の仕事」とまだまだ世の中の意識を替えることは難しいようです。そしてここに仕事と子育てが加わると、時間、体力だけでなく精神的にも大変な負担です。
今回は“子どもを持ったお母さんがゆとりを持って働くことができる社会を作りたい”という思いを実現するため、あいち創業プラザを活用して、平成18年7月、家事代行サービス、ハウスクリーニングの会社として創業した、株式会社アクションパワー 代表取締役 大津たまみさんに、創業にかけた思いを語っていただきました。
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たまみさんが創業を考えたのは、子供とともに生きて行くという人生の大きな決断から新たな一歩を歩み始めてみたものの、現実は子育てをしながら正社員として働くことの難しさを実感した自らの体験からでした。
「私は日曜日には必ず子どもと一緒に過ごそう思いました。しかし企業はこれを受け入れてはくれなかったのです」
「私が事業を起こした根本には二つの思いがあります。働く女性を応援したい。女性が働く場を提供したい。みんな同じように苦しんでいると思ったとき、この苦しみを解消できる会社を作ればいいのだと思ったのです」
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■夢にむかって・・・“創業プラザあいち”との出会い |
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創業プラザあいちを知ったきっかけは母子支援センターの紹介でした。
「センターの方に私はこういうことを考えていますと事業計画書を見せたのです。そうしたらここに行きなさいと創業プラザあいちを教えてもらったのです」
「事業計画書といっても作り方を習ったわけではないので自分流のものを作ってコーディネーターの皆さんに私の思いを熱く語ったのです」
最初の反応は芳しくありませんでした。 それでも毎回コーディネーターから色々なアドバイスをもらっては書き直して持っていくという作業を繰り返しました。この精神的、肉体的に大変な作業を続けながらも生活のためにパートの仕事は続けていたといいます。
この苦しい状況を支えていたのは大切な一人息子への愛情と、自らの存在を見失いかけたときに目にとまった母子手帳でした。
「私はもともと生まれて直ぐに死んでいたのです。それが生き返ったのです。そういうことが書いてあったのです。
生まれてから長い間息をしていなくて母親も諦めていたのに先生だけが絶対に諦めずに生き返らせてくれました。そのときわたしは“生きているのではなく生かされている”と気
がつき、いきなりスイッチが切り替わったのです。 “何かをするために生かされている”“何かを人に伝えるために生かされている”としたら“一体何をしたらいいのか”と息子の寝顔を見ながら考えたとき、“何かをしなくてこの人生を終えてしまったら後悔するのじゃないか”と思いました」
この時の思いが、苦しい時、つらい時にたまみさんを奮い立たせてくれるといいます。
創業するまでの間には多くの不安が襲ってきます。その不安を解消できたのは同じ創業プラザあいちに集った仲間の存在でした。
「ワイワイガヤガヤとしゃべって周りから見ると雑談のように見えたと思います。でもそこで何度も何度も仲間達に自分の思いを話すのです。口にすればするほどその思いが強くなるような気がして・・・。その仲間ががんばろうねといってくれて・・・。同士なのですね」
先日もアクションパワーの事務所をつかって飲み会を創業プラザの仲間が開催しました。たまみさんの魅力に惹かれ仲間達が友達を連れてきたり、会いに来ましたと初対面の人が尋ねてきたりと人のネットワークもどんどん広がっています。
「私のときは女性が少なくて勇気がいりました。でもほんの少しの勇気をだして創業プラザを利用したら人生が変わったという経験をしましたので、もし創業プラザを使いたいと思っているなら“ちょっとの勇気を出すといいよ”と言いたいですね」
「コーディネーターの皆さんには心から感謝しています。そして仲間達にはこれからもよろしくお願いしますという気持ちで一杯です」
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女性の社会進出のお手伝いをしたい、一人の女性として自信を持って働ける職場を提供したいと夢の実現にむけ船出したたまみさんでしたが、いままでに二つの大きな壁が立ちふさがりました。
「家事代行の仕事は口コミで仕事をいただくことができました。ただ私自身が安心を求めていたのかもしれませんが、以前から経験があったゼネコンからのハウスクリーニングの仕事を受ける
下請け会社に進もうとしていた時期がありました。お金も回ってきたところでした。」
「でも思ったのです。何のために私は会社を興したのだろうと。 自分が言っていることとやっていることが違ってきたのです。
これでは働く場の提供はできても応援はできません。 まだ少しそれただけであったら戻れると思ったのです。このまま行って大きくそれたら私の思いを削るしかない、何のためにやっているのかと思ったときスパッと原点に戻し
仕事を断りました。これが一回目の壁でした」
「二回目の壁は資金繰りでした。一回仕事をリセットさせ家事代行の仕事に力を入れて、この時期に今実がなっているものの先行投資に力を入れ始めました。それで資金繰りが厳しくなってきました。だんだん痩せていき、しゃべらなくなっていきました。」
「そのとき母が気づいたのです。“わたしはあなたのお母さんだからわかる、あなたは絶対成功する、わたしはそう育ててきたから”と言ってくしゃくしゃの紙袋
に入ったお金を差し出してくれました。うれしかったです。そのときに私は“絶対にやりきらなければいけない”と思いました」
この決意が会社を大きく飛躍させるきっかけとなります。
「それで私は会社を縮小するのでなく拡大をしたのです。これはチャンスだと思って、六畳一間だった事務所を移って大きく広げ、スタッフを増やし打って出たら階段がぐっとあがったのです」
社員の皆さんの意識も大きく変わったといいます。その要因にたまみさんがありのままの自分の姿をスタッフに見せてきたこともあったようです。
「ゼネコンからの仕事を離れるときや新聞に載ったりテレビに出たりして外部から注目されるようになり色々な人から中傷を受けることがあったのです。 それをスタッフに包み隠さず話していました。悔しくて泣くときも全部スタッフに見せていました。スタッフの心の中で何かが動いたとすればその姿を見て何かを感じてくれたのかもしれません。
またそれまでに蒔いていた種が咲き始めたこともあるかもしれません。最初は少なかったお客様が紹介でだんだん増えていき売上げが伸びてきたのです」
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株式会社アクションパワーは、家事代行サービス・ハウスクリーニング・整理収納そしてセミナー講座等、お客様の立場に立った笑顔いっぱいのサービスを展開しています。特に同業他社ではほとんど手がけていない整理収納セミナーの開催には力を入れています。
「家はプライバシーの塊です。家に他人を入れることに違和感を持つ人はたくさんいます。でも整理収納の仕方を覚えれば自分でできる人もいるのです。整理収納の仕方を教えてくれる場って無かったのです。それを身につけてもらえばいいと思いました。だから最初から必ず事業内容に加えようと思っていました」
今ではNPO法人日本ハウスクリーニング協会に自らが必要性を訴えて、整理・収納・清掃(3S)コーディネーター資格を作り自社のセミナー講座に加え名古屋アカデミーとして事務所も活用され事業の柱として育ちました。またセミナーの受講生が同社の家事代行サービスやハウスクリーニングを利用するなど予想外の効果も生まれています。
「私達の仕事は女性が今まで生きてきてやってきたことにプロのエッセンスを加えることでビジネスになるのです」
スタッフの多くは普通の主婦、今では家事、掃除、整理収納のプロとして仕事に誇りを持って活躍しています。まさしく一人の女性として自信を持って働く職場の提供を実現したのです。
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たまみさんが考える女性の社会進出のお手伝いとは、単に女性が職場で能力を充分発揮できるためのお手伝いをするということではありません。
「家族と過ごせる大切な時間を、家事、掃除、洗濯に費やし、疲れが抜けないうちにまた仕事に戻っていく。この繰り返しを続けていくうちにバランスを崩してしまいます。仕事のために家族を犠牲にする、家族のために仕事を犠牲にする、のでははなくて大切な仕事と家族の二つを守るためにアクションパワーはお手伝いをするのです」
安心して仕事に打ち込める環境を作ること、それが女性の社会進出を支えることになるのです。
今は家事代行サービス、ハウスクリーニングを積極的にすることで、“家族との大切な時間を楽しく過ごせ明日の仕事へのパワーを養うことができた”と多くの感謝の言葉が寄せられています。
「私は何が自慢ですかと聞かれたら“スタッフです”と答えます。みんな素晴らしい笑顔で楽しそうに仕事をしてくれます」
と嬉しそうに答えるたまみさん。 お話を聞きながら私たちも元気と笑顔をいっぱいいただきました。
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