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  トップ > 企業ルポ 支援企業に聞く  > 有限会社キング・ムエ エンタープライズ
チャンピオンからジムオーナーへの転進
佐藤孝也 記事更新日.08.09.01
有限会社キング・ムエ エンタープライズ 代表取締役社長
■問合せ先
有限会社キング・ムエ エンタープライズ
〒452‐0805 名古屋市西区市場木町273 近江ビル1F
TEL&FAX 052‐504‐9005  
 http://www.kingmuay.com/


シルクロード・ノーイ
TEL&FAX 052‐504‐0020
http://www.noinoi.net/
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タイの国技ムエタイは、パンチ、キックだけでなくヒジ打ちまでも許される過酷な格闘技です。
日本ではキックボクシングと呼ばれるこの格闘技で、フェザー級、ライト級のチャンピオンとして二階級制覇をなしとげた佐藤孝也選手が名古屋市西区で立ち上げたジムの名が 「名古屋ムエタイジム キング・ムエ」です。

今回はあいち産業振興機構の専門家派遣事業を活用した、有限会社キング・ムエ エンタープライズ 代表取締役社長 キング・ムエ会長 佐藤孝也氏にジム開設までの歩みとこれからの目標を聞きました。
■ムエタイとの出会い、そしてチャンピオンへ
佐藤会長とムエタイとの出会いは中学時代でした。
「小学生のころから空手の道場に通っていました。中学校の2年か3年のころはじめて読んだ格闘技雑誌で特集されていたのがムエタイでした。見た瞬間に“これだ。これをやりたい”と思いました」。

実際に競技として取り組んだのは大学生から。電話帳で調べて名古屋市北区にあるジムに実家のある一宮市から毎日通ってトレーニングを続けました。しかし当時はプロの選手になるとは考えていませんでした。

「全くプロになろうとは考えていませんでした。プロになれるとも思っていませんでした」と語る佐藤会長。しかし平成4年20歳のときにプロデビューを果します。キックボクシングの中心は東京。地方ジム所属のハンデを抱えてのプロデビューでした。

平成6年22歳で、当時「キック界のカリスマ」といわれ絶大な人気、実力を誇ったチャンピオン立嶋篤史選手を破りフェザー級のタイトルを獲得、地方ジムで始めてのチャンピオン誕生でした。
平成10年26歳でライト級のタイトルも獲得、多くのハンデを克服して二階級制覇を果しました。
■ジム開設への歩み
数々の激闘を繰り広げたリングから引退したのは平成13年29歳の時でした。
「24歳くらいから将来はジムをやると決めていました。引退した後もいずれ自分が作るジムに役に立つようにと市内のトレーニングジムでトレーナーをしていました」。これからのジム経営にはフィットネスの理論が必要と考えていた佐藤会長は厚生労働省認定健康運動指導士の資格を持つジムオーナーなのです。

開業には多くの壁がありました。
「まずお金がない、土地や建物があるわけではない。何とかしなければと名古屋市新事業支援センターに経営のアドバイスを受け事業計画書を作りました。多くの金融機関に相談にいったのですがいままでにない格闘技ジムという業種のためなかなか話を聞いてくれません。その中で今の取引先である信用金庫だけが話を聞いてくれて融資をしてくれました」

この時期を支えたのが現役選手時代に結婚した和子夫人でした。決して順調ではなかった開設までの歩み。そのときの様子を聞きました。

「苦労しているなという感じはありましたが楽しそうでした。命をかけてリングに上がることに比べればたいしたことはないとも言っていました。仮に事業がうまくいかなくても命まではとられることはないと考えていました」。当初からジムの隣にタイ衣料、雑貨の店をオープンする計画もあり和子さんもアジアン雑貨の店でアルバイトを始めていました。

平成16年に待望のジム「キング・ムエ」がオープン。ジムオーナーとしてスタートしました。キックボクシング・ムエタイ以外にも健康志向のフィットネス・ムエ、また女性、子供を対象にした、ガールズ・ムエ、キッズ・ムエ、そしてダイエット・ムエと幅広いメニューで会員を募集、順調に会員も増えています。平成17年8月にはジムの隣にタイ衣料・雑貨の店「シルクロード・ノーイ」をオープン。店長の和子さんが色々なメーカーのアジアン服、小物を選りすぐり、気に入った商品だけを仕入れ販売しています。

「最初は女性のフィットネス会員が集まりそれから徐々に会員が増えてきました。選手を育てていくジムだけでは成り立たない、絶対に女性を取り入れていかなければ思っていました。いかに運動をしたいという人たちを集めるかが大切と考えていました」  

佐藤社長、和子夫人
(シルクロード・ノーイ店内にて)

■会員が求めるサービスを目指して
あいち産業振興機構を利用したのは「専門家派遣事業」でした。会員も順調に増えてきたことでいろいろな問題も生じてきたのです。

「ジムとして会員にいかにいいサービスを提供できるか、当時は中途半端になっていました。またジムが手狭になってきて、選手志向の会員と健康志向の会員が一緒に練習をすることが難しくなりました。お互いが気を使ってしまうのです。向かいの店舗に新しいジムをオープンするためのアドバイスも欲しかったのです」。

会員数の増加に伴う会費の扱いにも慎重さが必要になってきました。専門家のアドバイスを受けて取り組んだのが手作業の多かった会員管理システムの改善でした。特に効果があったのが滞納管理。会費滞納者への迅速な対応が可能となりました。また携帯サイトの製作も会員への連絡手段として効果を発揮しています。

そして平成19年3月には新たなジムとして選手志向の会員向けに「リアル・ムエ」がオープン。充実した練習スペースの確保を実現しました。
■これからの夢
選手からジムオーナーへの転進。佐藤会長にこれからの夢を語っていただきました。

「会員の皆さんが満足してくれるサービスを提供したいと思います。またキックボクシングは決してお金が稼げる商売ではありません。チャンピオンになっても引退したら安定した生活ができるかといえば決してそうではありません。選手がジムに入会して引退するまで、引退した後にジムを持ちたいというならお手伝いができるように、ジムが面倒を見ることができるようなシステムを作りたいと思っています」。
「ジムは会社でもない、家庭でもない特殊なコミュニティです。世代を超えて会員同士の交流の場ができるとうれしいですね」と語る佐藤会長。キング・ムエから会長に続くチャンピオンが生まれる日を楽しみにしています。

(取材・文 小藤経営労務事務所 小藤省吾)       
 

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