「先のことを常に考えていかなければならない」(中村会長)
時代の流れが速い業界、さらに案件によっては1年を要するプロジェクトもある中で、先を見据えた設備投資、資金調達、人材育成の「3本柱」について決断することは特に重要だ。
設備投資の面では、精密加工の技術を生かすために5軸加工機を導入する必要があった。それまでは既存の機械にオプションパーツを後付けし簡易な5軸加工を実施していたが、さらに精度を向上するためには最新鋭の設備が必要だったのだ。
また取引先からは製品の品質保証を求める声が高まっていた。中村鉄工が携わる超精密加工の品質を保証するためには、自社内に高度な測定環境を整備する必要があった。
これらを実現するためには設備投資と同時に人材育成も行う必要があった。しかし、まさにリーマンショックで産業界全体が低迷しているタイミングであった。
「厳しい経営環境ではあるが、まずは挑戦してみようと思った」(中村会長)
「経営革新計画」については取り引きのある金融機関からの紹介で知っていたという。
「一度、事業計画をつくる意味でも」と軽い気持ちで挑戦することになったという。
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