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  トップ > 企業ルポ 経営革新に挑戦する中小企業 > 安井建設 株式会社
「『モノをつくる機械』をつくる技術」を追求する
代表取締役 安井 浩一  
安井建設 株式会社
■主要事業
木造・自然素材・コンクリート・鉄骨住宅、リフォーム、耐震補強工事など総合建設業
■問い合せ先
安井建設 株式会社
〒483-8166 愛知県江南市赤童子南山98
Tel 0587-54-3535
http://yasui-shinchiku.com/
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1972(昭和47)年に先代が創業した安井建設は、公共事業やビル、工場、事務所の建築を主体としていた。しかし、1990年代前半のバブル崩壊と阪神・淡路大震災によって建設業界の状況が一変したことをきっかけに、現在の安井社長が中心となり住宅事業部を立ち上げ、注文住宅をはじめとする住宅建築をメインに耐震・リフォーム事業も手掛ける総合建設業にシフトしていく。 「学生時代から周りの人を笑わせることが好きだったんだよね」と話す安井社長の笑顔は、当時の面影を残すくらい屈託で明るい。 社屋も自社でリフォームし、部屋ごとにコンセプトの異なる来客スペースは和モダン、スタイリッシュ、自然素材などさまざま。訪れる人を出迎えるのは、安井社長直筆のおもてなしメッセージだ。ここにも相手を思いやる安井社長の人柄が表れている。


連続住宅施工数ナンバーワン

「大手は現場によって職人さんが変わることもあるけど、うちはいつも同じ職人さんだからすごく心強いし頼りになる」(安井社長)というとおり、先代が築いた人脈や経営力を生かし、職人や協力会社、ほかの工務店などとの連携がよく良好な関係を築いている。何より信用を大切にする経営方針は、江南市で2005(平成17)年から5年連続で住宅施工数1位※という実績にも現れ、地元に支持されていることは大きなつよみだ。また、従業員の約3分の1が1級建築士という資格保有率の高さは業界でも珍しく、幅広い工法に対応できることも特徴だ。 安井建設の「家づくり」のノウハウは全国100社の工務店へ共有され、約80の同業社と定期的な情報交換や勉強会も実施。業界全体のレベルアップに積極的に取り組んでいる。 「『家づくり』を通じて、お客さまの『笑顔』を見たいし『幸せ』になってほしい」そう話す安井社長はいつも笑顔だ。
※(株)住宅産業研究所調べ  


従業員から

耐震事業を通じてお客さまに安全と安心を届ける。
耐震リフォーム事業部 部長 野垣 修 さん
「お客さまに『本当の耐震対策』を理解してもらうことで、より安全で安心な家づくりが実現できる」と話す野垣さんは、安井建設の「耐震の顔」だ。 「耐震方法も新築・既存建物によってさまざまなので、起振機を活用して常にお客さまにとってベストな提案をしていきたい」。


「地震に強い家」を提供したい。

「地震に強い家を作りたい」阪神・淡路大震災を体験している安井社長は、1棟でも多く安全で安心して暮らせる住宅を提供したいという思いが強い。 その思いを実現するべく住宅事業の一環で耐震リフォーム工事に取り組んでいた。しかし、昨今の耐震偽装や悪徳リフォーム事件などにより一般消費者の信頼が著しく低下。その背景には、リフォームの必要性や専門家が提示する耐震データの信ぴょう性を一般消費者では判断できないという実情があった。


人工的な地震で、建物の弱点を見つける。

そんな折、建築士の勉強会で「起振機(きしんき)」を使った耐震検査方法を知る。 この耐震検査は、依頼者立ち会いのもと、建物に軽微な揺れを起こして箇所ごとの強度を数値で表すもの。1棟ごとに揺らせるので、どんな建造物でも検査結果を数値で可視化することができ、依頼主に実感・体感・安心感を伝えられる。 起振機の導入時期を検討していた安井社長は、税理士から「経営革新計画」の「設備導入時に法人税(所得税)を減税する」制度※を紹介され、実行に移る。
※「設備投資減税制度」は2012(平成24)年3月に終了


▲起振機

耐震リフォーム事業の強化へ

「『耐震博士』ってよばれるくらい詳しい従業員もいるんだよ」(安井社長) 導入後1年は診断データの収集・分析・数値化に尽力し、従業員は耐震診断についての知識を蓄積した。補強方法や補強箇所の梁のかけ方による効果の違いなど、お客さまへの提案にも自信がついた。 2007(平成19)年、安井建設は耐震を含めたリフォーム事業の強化を目指し、「工事部」から「耐震リフォーム事業部」を独立させる。



「耐震リフォーム」からブランド力の向上へ


「起振機を使った耐震検査」は、地元テレビ局や新聞などマスメディアに取り上げられたことで一気に知名度が上がり、リフォームを検討している消費者からの問い合わせも増えた。可視化された耐震効果はお客さまの不安を払拭し、工事の施工件数も伸びていった。低コストで必要な箇所だけ行う耐震補強は、お客さまの満足と口コミにつながり、新築事業にも良い影響を与えている。モデルハウスも3棟目が完成し、イベントや実演などさまざまな方法でPRを続けていく。


「建築といえば安井建設」


「建設は『幸せを届ける』手法の一つ」。 住宅を通じてお客さまが笑顔になり幸せを感じる空間作りが最大の責務。そんな安井建設の思いがよく表れているのが、お客さまに新築物件を引き渡す際のセレモニー。建物が出来上がるストーリーをご家族で共有して「うれし涙」を流してもらう。 「工事に携わった従業員も思わずもらい泣きすることも。お客さまの喜びをダイレクトに感じることができる自分たちの仕事は本当にやりがいを感じます」(安井社長) 新築、リフォーム、耐震補強工事を通じて「建築は安井建設」という経営戦略は着々と進んでいる。それでも安井社長は「ただの住宅会社で終わりたくない」と語気を強める。 事業が軌道に乗り、2年前から新卒採用にも着手している。新入社員は、会社の雰囲気を変える存在であり、安井建設の将来を背負っていく貴重な人材である。 建設業界は依然として競争の激しい経営環境であるが、人材と技術力にさらなる磨きをかけ、地元での信頼をさらに高めるとともに、サービスエリアの拡大も目指していく。


経営革新のポイント



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