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カネコ産業株式会社は、自動車部品製造が主な業務の会社です。でも下請けだけではいかん!ということで、新規事業の立ち上げを考えました。同社が選んだのは、なんと携帯トイレ!車の中で使うことを考えて作られたのが「くるまるくん」です。この「くるまるくん」について、同社代表取締役 小森隆幸氏にお話を伺いました。
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Q : |
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A : |
もともと、プラスチックブロー成形の技術を使って、OEMで携帯用トイレを作っていました。だから馴染みはあったのです。でもそれは車の中に積んでおくには場所を取るタイプだったので、かさばらないものを開発しようと思ったのです。
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Q : |
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A : |
反対は出ませんでしたね。いろいろ意見は出ましたが…。最初は段ボール製ではなく、他社も製造しているような、ペラペラのビニールに直接排泄するかさばらないものを開発しました。でも、実際車内で使ってみると、使いづらいということがわかりまして、座れる段ボール製のものを考えました。 |
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Q : |
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A : |
名古屋商工会議所新瑞支部のものづくり研究会で知り合った樺部デザイン研究所さんにも入っていただいて、社内で開発チームを作りました。開発期間は2年半くらいでしょうか。いろいろな方にご協力いただきました。あいち健康長寿産業クラスター推進協議会の研究会に参加して、クラスターアドバイザーの野村忠生先生(日本福祉大学学園顧問)にお世話になりました。NPO愛知排泄ケア研究会や開発型異業種交流会「エントロピ豊明」、地震につよいものづくり地域の会「あいぼう会」などの皆様にもご指導いただきながら、開発を進めました。阪神大震災の被災経験のある女性の方々にもお話を聞いたりしました。 |
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Q : |
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A : |
そうです。渋帯時にも使えますが、災害時に車を個室トイレとして使えると考えています。避難場所では個別に区切れる空間は限られていますし、既設のトイレは使えなくなってしまうかもしれません。セキュリティ面でも車なら鍵がかかって安全ですし、カーテンによってプライバシーも保たれます。
トイレが近くなるからと水を控えることは命の危険に及びます。 |
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Q : |
カーテンを付けて売っている製品は他にないのですが、最初からカーテンも開発されたのですか? |
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A : |
やはり、開発チームに女性がいたからでしょうね。最初から、トイレそのものだけでは役に立たないと考えていました。目隠しについては、ポンチョやテントなど、いろいろなタイプを考えたのですが、顔を見られずコンパクトだということで、現在のカーテンになりました。
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Q : |
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A : |
社内の開発チームです。くるま+おまる…車で使えるおまる…カーテンにくるまる…というイメージです。
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Q : |
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A : |
強度ですね。いかにしてつぶれない構造にするか。組み立てやすく、なおかつ強度もある、というものにするための点ですね。一重だと簡単に作れるのですが、強度がない。二重にするとどう組み立てるのか…。段ボール自体は普通のものなので二重構造にしたのですが、簡単に組み立てられて、なおかつ誰が座っても大丈夫な強さにする必要がありました。この組立構造を特許申請しています。強度試験は愛知県産業技術研究所で行いました。垂直で700kgでもOKです。
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Q : |
吸収シートや排尿袋だけのセットは販売されていないようですが…? |
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A : |
はい。吸収シートなどは段ボールに3セット付けて販売しています。これがなくなれば、市販の紙オムツやスーパーの袋などで代用できますが、補充セットの販売も考えています。段ボールは何度でも使用できます。
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Q : |
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