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電源不要で取り付け簡単なエコエコファン!
三栄ポリウレタン株式会社 記事更新日.11.08.05
■問い合わせ先
三栄ポリウレタン株式会社
安城市和泉町大海古5番地8
電話 0566-73-2273 FAX 0566-92-1323
HP http://www.sanei-pur.co.jp
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元気のある三浦社長だから製品にも勢いがある。これが最初の印象でした。
「エコエコファン」というありそうでなかったアイデア製品です。また製品名も絶妙です。具体的に製品の説明を聞く前に、確実に環境に良い、地球に良い製品をイメージさせます。
オフィスビルや店舗の天井を見上げると、そこには必ずエアコンの吹き出し面があります。冷気・暖気がある程度の角度と方向を調整しながら送り出されます。しかし、今年は状況が一変しました。東日本大震災以降、夏場に逼迫する電力事情に対応するため消費電力の大きいエアコンの設定温度を28℃にすることが求められています。そのため、室内の風を撹拌させることを期待して「扇風機」を併用するオフィスや店舗も少なくありません。「エコエコファン」はその手間も解消できる製品です。

◆製品製造と販売権利を譲り受けました
  製品を考案したのは東浦町にある「トーカイデザイン」です。三栄ポリウレタンが製造と販売の権利を譲り受けて今年の2月から商品化しました。そのためアイデア製品にある「開発のきっかけ」「開発の苦労話し」は紹介できません。しかし、この製品を世の中に浸透させる、そしていろいろなエアコン吹き出し面に合致できる製品開発する情熱を持っています。
 
◆エコエコファンの特長
 

(1)軽くて取り付けが簡単
  出荷用に箱詰めされた製品を実際に持ってみました。ビックリ、非常に軽い。その重さは600g。しかも取り付けに10分も掛からないと聞いて2度目のビックリです。(社長自身で何回も作業しているから可能と思いましたが…)

(2)電気は不要
  吹き出し面に取り付けた後は、吹き出し面から出てくる冷気・暖気の風力でフィン(羽根)が回転します。風車を連想すれば容易に理解できます。そのためフィン(羽根)を回すスイッチのON・OFFはありません。つまり電源不要です。ちなみに回転する8枚の羽根はペットボトル再生シートを使用しています。

(3)夏場は体感温度が下がり 冬場は体感温度が上がる
  三浦社長がよく質問を受けるフレーズがあります。「エコエコファンを設置すると室温は何度下がるのか?」です。現在、設置されているオフィスの協力を頂いてデータを収集しています。そのためデータの提示ができません。しかし、夏場の体感温度は2度くらい下がると説明しています。
  何故なら8枚のフィン(羽根)が回転して吹き出し口から出た冷気を撹拌するため、部屋全体に冷気が行き届けば、温度分布のムラが解消されて体感温度が確実に下がるからです。

◆実際に設置されている裏側を見ると
 

取り付け状態が確認できるデモ製品の説明を受けました。脚立に乗ってエアコン吹き出し面のフィルターを取り外す作業ができれば、エコエコファン取付も簡単にできる構造です。実際に取り付けされている裏側を拝見しました。非常にシンプルです。
  手順1 裏側から天井ブランケット(固定する板状のモノ)を留め、外側からケースをあてがい、花ボルトで固定します。
  手順2 回転盤に8枚のフィン(羽根)を差し込み、花ナットで締め付けます。
  手順3 回転盤を手順1で固定したケース下の穴に差し込み、しっかりと締め付け固定します。

これなら脚立を準備して10分で作業が終了することに納得しました。

 
◆省エネ効果の発揮と節電効果の発揮
 

現在、使用しているエアコン設定温度を28℃とし、エコエコファンを取り付けたと仮定します。吹き出す冷気でフィン(羽根)が回転して部屋の空気を撹拌するため、28℃の設定でも涼しく感じます。そのため、30℃へ温度設定変更しても違和感、不快感が生じないと思います。28℃→30℃によって節電が可能になりました。
他方、エコエコファンを付けても28℃のままであれば、快適感は増しますが節電効果を発揮しません。(従来の消費電力で冷気が行きわたるため省エネ効果は発揮します。)
節電を求める場合の絶対条件は、エアコンの温度設定を人間の手で変えることです。そのためには、エコエコファンを取り付け、最初から高めの温度設定にする必要があります。

◆梱包作業の様子
 

社外で製造されたパーツを2階の作業場で箱詰めします。その際、細かな部品の確認やフィン(羽根)を構成する棒の接着強化などを施します。また、最終的に袋詰めされた「つぼおし君」をエコエコファンの段ボール箱に入れています。(社会貢献活動の一環として、靴や靴下の中に入れて足裏のツボを刺激するポリウレタン製「つぼおし君」の袋詰め作業を岡崎市内の授産施設に委託しています。)
他方、この作業場では新たに改良できるエコエコファンの試作開発をしています。フィン(羽根)の色の多種類化、フィン(羽根)を構成する棒を短くした製品(四角形(1辺約50p)吹き出し面に対応)試作、回転盤を磁石で固定化するなどです。

 
◆震災後に問い合わせと注文が増えている
 

3.11東日本震災後、原子力発電の見直しが求められて運転が休止しています。そのため、夏場の電力不足が早くから心配されてきました。節電効果が期待できる「エコエコファン」は電力を必要としないため多くの引き合いが来ています。
地元、商工会議所での設置や取引先金融機関の機関紙掲載など「口コミ」による広がりが増え、中日新聞やテレビなどの取材を受けて、更なる「口コミ」が広がっています。当然、ネットでの通販も行っています。

震災前 年間販売目標500台 震災前までに200台販売 年間700台を超えると予想
震災後 大きく注文が伸びる 6月だけで600台 7月は1000台を超える
◆他社製品との違い
 

大きく異なる点は回転盤にベアリングを使用するか否かの差です。「エコエコファン」はベアリングを使用していない分、価格を半分に抑えることが出来ました。その分、フィン(羽根)の回転速度にムラが生じますが回転のファジー(揺らぎ)を醸し出しています。他方、ベアリングがあると強風吹き出しにも対応してフィン(羽根)が高速で回転する慌ただしさが目立ちます。

◆今後の設置場所を求めて
 

直接の冷気がからだに当たらないことをお客様もとめる場所があります。それは「接骨院」「病院」です。高齢者や女性にとって衣服を脱ぐ際に直接からだに当たる冷気は嫌だと聞いています。また、入院患者も天井から部屋の四方へ一方的に広がる冷気に困っていると聞きます。また、愛知県内に多数ある「コメダ珈琲店」も魅力的な設置場所です。
これら以外に「市役所などの行政機関や図書館などの公共施設」やコンビニエンスストアも有望な設置場所と想定しています。

◆ウレタンの便利屋 三栄ポリウレタン
 

低反発から硬質反発までウレタン素材を知り尽くした会社です。ウレタンの便利屋を合言葉に、発泡ウレタンに関する問題ならばお客様に対し、すべてお答えしていこうと業務に専念しています。ヒット商品の隠れた構成パーツを製造しています。ナンバーワンよりオンリーワンを発揮した結果が今日を支えています。
http://www.sanei-pur.co.jp/


取材・文 YAビジネスサポート 杉本 安行

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