いちじく栽培以外にも、大島さんは地元に根付いた活動をされています。 平成10年に50a(アール)の放棄地を地域の仲間たちと開墾し、春には菜の花、秋にはコスモスが咲く畑へと変えました。花畑では地元小学生や町内会と連携した地域の花祭りが開催され、大きな地域イベントへと成長したのです。残念ながら、メンバーが高齢化を迎えたため、開墾はできなくなりましたが、広大な放棄地を花畑に変える活動は地元住民の心を和ませるものでした。
放棄地の再生だけではありません。
『一宮市女性農業者会議』の会員として一宮市の中心地、本町通り商店街で毎週土日に仲間達と朝市を開催されています。『一宮市女性農業者会議』メンバーが丹精込めて作った新鮮野菜を求め、多くの人々が早朝から訪れるのです。
食育にも力をいれていらっしゃいます。平成11年から始まる地元小学校での食農教育は、総合学習のカリキュラムとして組まれるほど定着しました。大島さんは現在、5年生の担当。大豆の栽培を丁寧に指導しています。収穫した大豆から豆腐や味噌を作り、食の大切さを教えるだけでなく、食を通じて子どもたちの健康な体つくりに一役買っているのです。
こうした大島さんのいちじく栽培を始めとした多岐に渡る活動が評価され、平成22年度あいちアグリアウォードを受賞しました。
大島さん母娘の仕事に対する誇り。そして、開墾や食育、野菜の販売といった活動の成果が実を結んだ瞬間でした。 |