今回は紙加工技術に特化した「あいちの製品」です。
株式会社モリカワ(以下:モリカワ)は名古屋市西区菊井町にあります。西にはノリタケの森(ノリタケカンパニーリミテドが創立100周年を記念して、本社に隣接する工場跡地につくった複合施設)があります。また、東には円頓寺商店街や菓子卸問屋が軒を連なる明道町があります。
このように菊井町界隈は戦前から工業・商業が盛んな場所でありました。
少し古いデータですが、2010年工業統計の紙パルプ産業が集積している県は、静岡県、愛媛県、北海道、埼玉県、愛知県の順です。愛知は自動車以外にも紙パルプ産業が盛んです。愛知県は隣接県に材木の産地があり、しかも紙加工・印刷業は都市型産業でもあります。そのため紙パルプ産業も愛知の製品に関わりがあると思いました。(春日井市内にある大手製紙会社、みよし市内にある大手段ボール会社等の工場が大きな要因でもあります。)
紙は包装資材の代表的な素材であり、包装容器としての紙器は、包装する商品に合わせて多種多様な形状と表面加工が必要になります。ユーザーの注文に応じて特注品の紙器を生産するために、紙器加工業はユーザーの多い都市近郊に立地する背景もあります。
モリカワは大正11年に合紙会社として創業しています。合紙とは、2枚以上の印刷した紙を板紙などに貼り合わせて厚みや強度をもたせることを言います。その後、ロールエボンス機械を導入し、またエボンス機械を譲り受けて始まったとの説明でしたが、森川社長も自社の歴史を調べてみましたが、詳細な時期までには至らない様でした。
モリカワが扱っている製品には、大手の和菓子メーカーや名物の土産菓子の包装資材もあります。具体的な企業名を明かすことはできませんが、誰でも一度は口にしているお菓子です。 |