創業時から「自社施工」を貫くログハウスメーカ

記事更新日18.05

代表取締役社長 中川 信治

【問い合わせ先】
夢木香株式会社
名古屋市天白区鴻の巣1-1604
TEL 052-807-4890
HP http://yumekiko.com

今回はログハウスに特化した「あいちの製品」です。

夢木香株式会社(以下:夢木香)は名古屋市天白区鴻の巣にあります。名古屋高速高針出口から5分の距離にあり、住宅街の中にあります。また、国道302号線を挟んで愛知カンツリー倶楽があります。

夢木香と書いて何と読むのか? 「ゆめきか?」 「ゆめきこう?」 正解は「ゆめきこう」です。 代表取締役中川信治さん(以下:中川社長)から読み方をお聞きしたとき、直ぐに「あなたの夢を聴こう」と頭の中で連想が走りました。

ログハウスは愛知県の特産品でありません。また、自動車産業から派生する工業品でもありません。そのため、「あいちの製品」のつながりを探すことに苦戦しました。しかし、累計で700棟ほどのログハウスを製造販売していることから愛知の中で優れていると考えたら、気持ちは「あいちの製品」です。

夢木香は打合せ・設計・施工・管理・メンテナンスと、家作りの一連の工程をすべて自社スタッフで行います。夢木香のスタッフは、木の魅力にとりつかれた人です。スタッフ全員がそのログハウスの特性を熟知しているから、お客様が快適な暮らしをずっと続けていけるよう、プランニング段階での適切なアドバイス・丁寧な施工・手厚いメンテナンスと、さまざまな方面から総合的にサポートすることができます。また木の家は、必ずメンテナンスが必要です。作り手全員が自社スタッフでログビルダー(大工さん)がいる特徴が夢木香にあります。


   

 


   

■ どうしてログハウスなのか

現在の中川社長から想像できませんが、若い頃はドラムを叩いていました。有名ミュージシャンのバックバンドも経験され、久米宏・黒柳徹子「ザ・ベストテン」の裏話、そして中学生日記の効果音担当など、昭和世代には興味深い話題をお持ちです。

当時、50坪の貸しスタジオを借りていました。高い天井を備えた倉庫を改造してスタジオとして使っていました。遊び心もあり、スタジオ内にログハウスを設けました。

このままの音楽業界に身を置いて良いのか、このままが続くのかと考えると、何か商売を始めたいと思いました。悩むなかで「一生の仕事にできること」を考え、木が好き⇒家具づくり⇒ログハウスの販売に至りました。
もちろん素人からのスタートです。ここからログハウスとの格闘が始まりました。


■ ログハウスとは

ログハウスの発祥は2つに区分できます。1700年頃の北米大陸では北欧系の移民たちが各地へ居住する際の建物でした。もう一つは、1000年の歴史を持つ北欧で発達した北欧ログハウスです。その後北欧ログハウスはマシンカットログハウス(角ログと呼ばれる 長方形のログ材を使うこと特徴)へと進化し、工業製品となりました。


■ ログハウスの特徴

木の構造は、「セルロース」と呼ばれる多くの空気を含む細胞が無数に束ねられた状態になっています。そのため、木の中の空気が断熱材の機能を発揮します。特に冬でも薪ストーブひとつで暖かく暮らせます。実際、夢木香の1階に薪ストーブ1台あり、冬場はそれだけで賄っています。

  

木の細胞は湿度が高ければ空気中の水分を吸収、湿度が低い場合は木の中の水分を発散します。この自然調湿機能によって室内の湿度を快適に保ち、心地よい環境を創ります。奈良県にある正倉院の校倉造(あぜくらづくり)をイメージすれば理解も深まります。

木の材質には音の吸収効果もあります。特に不快に感じる高周波を吸収するため、音が気持ち良く聞こえます。コンサートホールの壁面に木材を使用する理由も音の響きを計算しているからです。

 

■ ログビルダー(大工さん)は長期出張とメンテナンス

社員である自前のログビルダー(大工)が現場で作業をします。そのため彼らは長期出張となり、レオパレス生活です。注文者から見ればここに安心が生まれます。また、何年経ってもメンテナンスを対応します。
扉の開閉に不具合が生じましたと香川県のお客様から電話がありました。5時間かけて現場へ。ドライバー1本で修理できる内容でした。部品を使っていない、難しい修理でもないため費用請求を控えました。わざわざ名古屋から、そして無料であったことにお客様は感動です。
メンテナンスの逸話に事欠きません。多くの感動と失敗のメンテナンス逸話を中川社長はお持ちです。


  

■ 購入者が営業マンへ
購入者がそのまま営業マンとなって勤務しています。レントゲン技師の方が夢木香でログハウスを建てました。魅力に取りつかれて、社員として雇用することになります。大工さんの実家が夢木香のログハウスを建てました。やはり魅力に引かれて営業所を開設しました。
 
■ 盛りだくさんのイベント
● バスツアー

 大型観光バスを借り切って夢木香が建てたログハウスを見学します。建て主も大歓迎です。自慢のログハウスを隅々まで説明されます。朝から順番に建て主をバスで移動します。1軒30分の予定がオーバーします。最後になった建て主の説明時間が短くなります。次回は我が家を最初にして下さいと嬉しい言葉を中川社長へ投げかけます。

  


● 春祭り
2018年4月15日 駐車場では海外から取り寄せたドームテントの展示と薪ストーブで調理したピザのおもてなしです。社内ではログハウスにまつわるお話です。

 


■ 関連商品がおもしろい
● 薪ストーブ

ログハウスの必需品でもあります。またログハウスに良く似合います。薪の販売もしているため、薪ストーブを購入しても大丈夫です。また、薪を割る道具も充実しています。大きな斧はもちろん、着火に必要な細木を作る道具もあります。

  

● ドームテント
 海外で中川社長が見つけて、日本の代理店として扱っているドームテントです。東京のホテルではイベントに使われています。

  

● 檜水(ひすい)
 木曽の檜から抽出した製品です。中国でも販売しています。(薬事法の相違から中国では薬の扱い) 中川社長が木曽を訪れたときに偶然見つけました。ポタリと落ちる水蒸気蒸留です。それはある製品の製造工程から出てくるモノでした。その水を持ち帰り、ボトルに詰めて噴霧したところ消臭効果があり、それを製品化しました。

「木曽の檜と愛知県は江戸時代から関わりがあります。関ヶ原の戦い後、徳川幕府となり、木材商人らによって城や城下町の建築用材として大量に木が伐採されました。木が切りつくされて荒廃した山が目立ってきたため、尾張藩は木材商人を山から締め出し、村人も立ち入りを禁じるなどの厳しい森林保護政策を講じ、尾張藩はいつまでも材木を供給できる山づくりを進めました。」
http://www.city.nagoya.jp/kankyo/cmsfiles/contents/0000076/76835/2.pdfより引用

木曽檜の効能と香りを凝縮した100%天然成分の「檜水」には、除菌消臭スプレー(檜水)、アロマ水(HEARTH WATER)、檜のエッセンシャルオイルがあります。

  

 

  

 

■ 取材を終えて
 

ログハウスは一生に1回の買い物でもあります。そのため、夢木香は如何に満足するのを追求した製品づくりを心掛けています。顧客とのコミュニケーションを深めながらものづくりする姿勢は「あいちの製品」につながっていると感じました。


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取材・文 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行