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  トップ > 企業ルポ あいちの製品Products Appeal > 株式会社前田鉄工所

ものづくりを通して得られる感動を、全員で分かち合う

記事更新日19.03

取締役 前田 基樹

【問い合わせ先】
株式会社前田鉄工所

名古屋市中川区東起町3-36-2
TEL 052-381-4095
HP http://maedatekko.co.jp/
印刷用ページ
   
 

株式会社前田鉄工所(以下:前田鉄工所)は、名古屋市中川区東起町にあります。名古屋おあなみ線「中島駅」から西へ向かって徒歩15分の場所です。車の場合は名古屋高速4号東海線 六番北インターチェンジから西へ約5km又は伊勢湾岸自動車道 名港中央インターチェンジから北へ約9kmの距離にあります。1970年代は田畑が残っており閑静さがありましたが、現在は周りに住宅が増え、工場の生産音に神経を使う環境に変化しています。

今回の「あいちの製品」は、自動車産業に関わりの深い製品です。しかも「ものづくり精神」に宿った「あいちの製品」でもあります。

  ■ ものづくりの精神
 

「ものづくり精神」とは職人の熟練技術等による高度な製造現場で生まれるイメージがあります。しかし、日本の高度成長期を支えた製造業の技術、製造工程の中で、合理化と創意工夫を重ねた中にも「ものづくりの精神」があります。
特に愛知県は、トヨタ、ホンダを頂点とする数次にわたる産業構造の中で、合理化と創意工夫を重ねた「ものづくり精神」は脈々と培われ、つながっています。高い品質部品を必要な時に、必要な量だけつくり、必要な場所へ届けるものづくりの精神です。

  ■ 会社の沿革 創業60年
 

先代の前田利正氏が1960年に現在場所にて創業しました。その後、当知工場(名古屋市港区当知町3-302)、西中島工場(名古屋市中川区西中島2-906)を増設しました。現在は自動車部品、農業機械、建設機械の部品加工を主に手掛けています。世代交代が順調に進み、現在は、代表取締役社長前田孝文氏のご子息である取締役前田基樹氏(以降:前田取締役)が中心に事業展開を行っています。 事業承継の中で、前田鉄工所はQCDに強みを発揮しています。その説明には「ものづくり精神」→ JIT(ジャスト・イン・タイム)→ QCDに触れる必要があります。


   

  ■ 製品紹介
 

50人規模の会社規模ですが、常時約200種類、そして約20万個の部品を生産しています。これだけからもQCDに長けていることが想像できます。主にトランスミッション部品(歯車/シャフト)、エンジン部品、バルブなど油圧部品に実績があります。また、加工できる素材は、SCM(クロムモリブデン鋼)、FCD(ダクタイル鋳鉄)、SUM(快削鋼)、ADC(アルミダイカスト)、SUS(ステンレス鋼)などです。

◇2ウェイギヤ(写真左側)
この歯車はトラクターの歯車です。上下の歯が円周上の3箇所位置合わせされています。

◇ギヤシャフト(写真右側)
4モジュールのスパーギヤとインボリュートセレイションの加工がされ、最後に社内で研磨しています。



   
 


◇◇リリーフバルブ(写真左側) 建設機械に使用されているPC弁の部品で、左側の6角部分が冷間鍛造で成型されています。

◇◇シンクロハブ&スリーブ(写真右側) マニュアルミッションのシンクロ機能の部品です。

   
 
  ■JIT(ジャスト・イン・タイム)
 

「ジャスト・イン・タイム」とは、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」調達することをいいます。特に自動車のように3万〜4万点にものぼる部品から造られている製品を、大量にしかも効率良く生産するためには、部品の調達などのために詳細な生産計画を立てる必要があります。その生産計画に応じて「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」供給できれば、「ムダ、ムラ、ムリ」がなくなり、生産効率が向上します。

■QCDが製品の強み
QCDは単純に以下の頭文字を取った言葉です。 Q:Quality品質:商品やサービスの品質 C:Costコスト(費用・原価・料金):商品を製造・提供するためのコスト D:Delivery納期(引渡・提供):商品をお客様のところにとどけるための納期 すなわち、品質の良いもの(Quality)を、安く(Cost)、早く(Delivery)製造することを常に意識するということ!製造業において設計・生産時に重視される3つの視点です。

■治工具に特徴
前田鉄工所に突発的に依頼が舞い込む大きな理由はジャスト・イン・タイムに沿ったレスポンスの早いQCDの提供が可能だからです。それを可能にしているのが自社での治工具準備にあります。材料からその切削まで社内の機械を使って作製します。また、治工具の不具合が生じても社内対応が可能です。また、依頼された製品ごとに素早く治工具の取替えが可能です。このようことから急な対応が可能になります。

 
 

■ 高い品質

 

2018年12月にある部品を20数万個生産し、それを出荷しました。その中で不良品0個でした。これを支えたのが全数検査です。ここに品質を作り込む姿勢があります。少ない人員で20数万個を生産するのは自動化も必要となります。

 

   

 
  ■ バリ取りの自動化
 

搬入された部品に穴を抜きます。その際、バリが発生します。そのバリを自動ロボットが取り除きます。生産性を考えた自動化が他のラインに設置されています。

   

 
  ■ 定時配送
  午前11時には提携運送会社のトラックが到着して荷台のウィングを広げます。そして荷台一杯に製品が積み込まれ、各々の決まった場所へ決まった時間に届けられます。


   

   
  ■ アイシン機工株式会社からの感謝
 

生産対応貢献賞をアイシン機工株式会社より受けています。これはQDCに対応した協力会社へ送られる賞です。

   
 
   
  ■ 取材を終えて
 

前田取締役はコンサルティング会社から5年前に戻って来ました。外部から自社を客観的に見ることができ、自社の強みを製品の品質や精度よりも製品QCD力と見定めました。またその視点を上手くアピールして前田取締役は新規取引先を開拓しています。このQCD力を発揮できたのがマシニングのプログラムの速さと正確さにあります。治具を作り込む速さ、試作品を完成品に移す速さ、そして全数検査をしながらの製造工程など、仕組みづくりが正に製品づくりと思いました。

株式会社前田鉄工所ホームページ
http://maedatekko.co.jp/index.html

 

文責 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

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