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  トップ > 企業ルポ あいちの製品Products Appeal > エヌケーシステム 株式会社

様々な産業機器に必要な
「電子プリント基板」

記事更新日20.07

中尾 滋

【問い合わせ先】
エヌケーシステム 株式会社

名古屋市昭和区西畑町2番地
TEL 052-759-0178
HP http://www.nksystem.co.jp/
印刷用ページ
   
 

今回の「あいちの製品」は、様々な産業機器に必要な「電子プリント基板」の紹介です。
エヌケーシステム株式会社(以下:エヌケーシステム)は、プリント基板の実装・アートワーク設計、各種電子機器の開発・設計・製造を手掛ける企業です。本社は名古屋市昭和区西畑町にあり、最寄り駅は地下鉄鶴舞線「川名駅」です。駅から田代本通りに向かって歩くこと7〜8分の場所にあります。
また、本社から100m離れた、川原通に面した場所に工場があります。(写真上が本社 下が工場)

   
 

電子プリント基板は電子部品間の電気的な接続を受け持つ最も重要な部品です。そのため身近な携帯電話やパソコン、テレビ、冷蔵庫などの家電から大きなものでは自動車や船舶、航空機、さらに工場の設備においてもその制御にかかわる電子回路にはプリント基板が使われています。
プリント基板が製品の外面に出る事はあまり多くはありませんが、その製品の性能はプリント基板が握っています。このようにプリント基板はあらゆる場所で使われており無くてはならない存在です。

エヌケーシステム株式会社代表取締役 中尾 滋 さん(以下:中尾社長)は、自社の商品(プリント基板)はどのようなモノに使われているかと聞かれるたびに、各家庭にあるガス・水道メーター内に電子プリント基板がありますと回答しています。その基板が動作することで使用量算出に貢献しています。また、歯医者さんの治療椅子が上下する動作、歯を削る機器の回転数制御や削った歯の深さ測定する仕組みなども電子プリント基板が貢献していますと説明しています。もちろん、愛知県内にある大手工作機械メーカーの中にもエヌケーシステムの電子プリント基板が使われています。

  ■ 愛知県とプリント基板
 

唯一の業界団体が一般社団法人日本電子回路工業会で全国に約400社が加盟しています。国内や海外の生産推移の資料はありますが県別まではありません。また、愛知県内のプリント基板生産額などの統計資料を探しましたが見当たりません。 愛知県内にある大手企業は自社内でプリント基板を製造することも多いため、プリント基板の動向が見えづらい理由と考えられています。しかし、製造業の生産高が大きい愛知県のため、それに比例してプリント基板の使用度は高いはずです。 このようなことから、プリント基板は多くの製造業の中で使われているがその中に隠れていて、「見えないあいちの製品」と表現できます。

  ■ 会社の歴史
 

プリント基板一筋の歴史でもあります。昭和51年3月にエヌケーパーツ工業から電子部品関連部門を昭和50年に独立し営業を開始、法人組織に改めエヌケーシステム株式会社を設立し、そして同年5月にプリント配線基板パターン設計及びアートワーク部門を設け、プリント基板の設計から組付けまで一括受注を可能と標榜してスタートを切りました。

平成11年4月にアートワーク業務拡大のため、管理部・開発課にプリント基板アートワークCAD一式追加導入し、翌平成12年5月に天白工場のシチズンチップマウンターを撤去しヤマハモジュール型ファインピッチ対応カメラ搭載、レーザー認識により部品の割れ等が無くなり、高精度高速搭載が可能となりました。

平成26年に製造部と資材管理部門の合理化および利便性の向上のため、天白工場を閉鎖し本社側近の川原通に新工場を建築して稼働させました。そして平成28年には現社長へ事業承継を行い、創業者である中尾 温 さんは相談役として今も会社と関わっています。


   

  ■ 地元の頑張っている会社を支援
 

中尾社長は地元の頑張っている企業を支援する会社がエヌケーシステムと考えています。製品出荷までの段取り、出荷後のトラブル対応など、取引先との距離が短いほど製品の品質は保たれます。そのため全国展開を考えず、地場産業の地産地消に対応することが重要と考えています。農産物の地産地消を製造業で実践しています。この考え方はあいちの製品の胆に通じるものと感じました。
産業機器を中心としたのモノづくり現場で必要なプリント基板の関わっていることもあり、中尾社長は黒子に徹しての応援企業とも言われました。

  ■ 生産工程
 

1)プリント基板(第一製造課・第二製造課)
手に持っているのは薄いステンレスの板(名称:メタルマスク)です。メタルマスクにはプリント基板の回路に対応した小さな穴が空いています。
ここに金属(Sn,Ag,Cu)の小さな粒を含んだペースト状のクリームはんだをプリント基板へ印刷を行い、リフロー炉を使用してはんだ付けを行います。写真の壁面に立てて管理してあるものはこれまでに作成した数百種あるうちの一部です。思わずこれまでに取材した自社オリジナル金型を社内で保管している工場を連想しました。

   
 

基板の上に電子部品を実装します。電子部品はリールのように巻かれたモノを複数セットし、1秒間に何十個を基板に実装するスピードに驚くばかりです。下部にある複数の小型カメラで小さな部品を実装する先の中心を瞬時に判断して作業します。

   
 

写真は取材時に工場内で撮影したものですが、パンフレット用に撮られた写真も添付します。これにより、機械の大きさや長さが理解でき、自動化された工程であることが理解できます。

 

2)基板の確認(基板実装課)
出来上がった基板が設定通りに実装されているのかを確認する工程です。基板を検査機器の中に置くと、複数のカメラが設計図と照らし合わせて確認します。その結果を右側のパソコンに映し出します。写真は取材時に工場内で撮影したものですが、パンフレット用に撮られた写真も添付します。

 

3)組立て
依頼によっては組み立ても行います。写真がその一つです。複数のプリント基板と電子部品を指定のケースに組み入れる作業です。

   

   
 

依頼書を確認しながら手作業で行う工程もあります。企業秘密もあり、製品の手元や製品を大きく撮影できないことをご了承ください。

 

4)製品検査
必要に応じた検査機器を使って検査を行います。社内にプリント基板に関する電子回路接続技能士が15名活躍していることが品質にもつながっています。


   

  ■ 在庫
 

本社の横に在庫保管場所(旧本社の建物を活用)があります。中は小さな電子部品のリールが多数保管してあります。多数の複雑な電子回路のため、それに対応する手持ち在庫が必要なります。右下の写真にあるように湿度に弱い電子部品は防湿倉庫(湿度0%)に入れて管理しています。

  ■ 試作品室
 

様々な電子プリント基板をここで試作しています。この横に設計部門が並んでいます。設計部門のスタッフは顧客とやり取りする中で提案営業を行っています。それが顧客の中で広がり、顧客の隣接する部門から新たな受注や紹介を受けます。(パソコンに向かって作業しているスタッフが設計部門です)
以前は営業部門を設けていました。数字を作るためだけの片寄った営業の姿が気になり、ものづくりのあるべき姿から乖離することを社長は恐れて廃止しました。今は設計部門のスタッフが取引先の困りごとに丁寧に対応することが営業に通じています。

  ■ 取材を終えて
 

・ホームページは相談役が作成
 相談役が現役のときに作成したホームページは今も活躍しています。さすがパソコン機器を使っての仕事された相談役はITの知識も持ち合わせていました。また、相談役は控え目な方でもあり、取材の最初と最後に顔を出されて写真提供などの細かなフォローを頂きました。

エヌケーシステム株式会社
http://www.nksystem.co.jp/


   

 

文責 YA(ワイエイ)ビジネスサポート 杉本 安行

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