今号から新たな事例企業をご紹介する。
犬山市で、食品の製造・販売(たれ・調味料・惣菜・その他)を主業とする株式会社松屋栄食品本舗だ。同社は、昭和45年に焼肉<松屋(犬山市犬山駅前)>の店主が自店で使用の焼肉のタレをびん詰にしてスーパーで発売したのが始まりである。平成元年には惣菜部門が独立し、有限会社サンクックデリカを設立。平成3年には有限会社さかえ(食堂)を開店、平成7年には静岡県周智郡に静岡営業所を開設するなど、めざましい発展を遂げている。
今号を含め3回にわたりご紹介する内容は、同社が初の試みとして取り組んだネット販売事業の立ち上げから、公開までにおける奮闘記だ。本事業の立ち上げスタッフは、現代表取締役長瀬氏のご夫人であられる長瀬栄子氏と、おもに商品パッケージデザインを担当している寺川宏季氏のお二方だ。
まずは本新事業立ち上げに至った経緯をお伝えしておきたい。
長瀬社長はかなりの美食家である。「もっともっと美食を食したい・・・。ネット上に求める理想的な美食サイトはないだろうか?」という疑問が事の始まりだ。インターネットを駆使し、求める美食サイトを探し回るも、その数は極めて少なく供給が間に合っていないことを感じる。そこで、一般的な食品を取り扱うECショップではなく、希少性も含め、こだわり抜いた上質の食品を扱う美食サイトを自社運営できれば、意外と新たな事業として成り立つかも知れないとの結論に達し、事業立ち上げに至ったのだ。
第1回目の本稿では、おもに事業立ち上げに伴う企画フェーズの重要ポイントについてご紹介していく。
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