共に登り、高みへ導き、挑戦を支える“物流界のシェルパ”でありたい
山下 利和 記事更新日.11.07.01
株式会社ロジ・シェルパ 代表取締役
■問い合わせ
〒468-0012  愛知県名古屋市天白区向が丘一丁目703番地 ラカーシュ向が丘101号
TEL:052-800-5505
E-mail:info@logi-sherpa.co.jp
http://logi-sherpa.co.jp/index.html
■創業のきっかけ
まず私が “物流のおもしろさ”を知り、物流の世界へと入っていくこととなったのは、大学時代のアルバイトからでした。食品会社の配送部門でモノの流れに携わるなかで、物流の重要性とそれを担う責任感に大きなやりがいを感じていました。
その後、物流会社では現場主義を徹底して学びました。徐々に管理する立場へと変わり、〔人員不足⇔労働条件悪化⇔品質低下〕の悪循環に悩む日々でした。そして、ここでの経験から、『物流人材ビジネス』に興味を持ち始めることとなりました。

その後、人材派遣会社にて物流現場への派遣を主に行いましたが、低い立場と悪条件の派遣の現実に悩みました。また、派遣先や同業者からの引き抜き行為が横行し、優秀な人材を数々失うこととなりました。ここでの経験から、労使双方に直接雇用ニーズの高まりを感じ、『職業紹介』に興味を持ち始めました。

ここから「物流・運送分野での採用・就業の支援がしたい」との方向が明確になり、しかしそれが叶う就職先を見つけられず、「他の地域にあってこの地域に無いのであれば作ってしまおう」と考えが移り、創業を決意します。

■『ロジ・シェルパ』〜社名への想い〜
私がシェルパたちと出会ったのが、1998年の3月。大学の卒業記念にと、ネパール・ヒマラヤ山系の通称「エベレスト街道」をひとりで訪れた時のことでした。シェルパ(Sherpa)とは、ヒマラヤ山脈登山における荷物運び(ポーター)や案内(ガイド)などの支援を主な生業としている、ネパールの高地少数民族のことです。

初めての海外で言葉も使えず、ひとりで異国の山里を歩く。出発前は不安でいっぱいでした。しかし、実際には、付いてくれたシェルパたちのプロとしてのサポートのおかげで、とても楽しく、一生の想い出に残る感動の山旅を提供してもらえ、無事に旅を終えることができました。

私はこの事業で、そのシェルパ族に倣い、【「事業拡大をめざす物流企業」と「自分の能力を存分に発揮したい人」をつなぎ支援する『物流(ロジスティクス)のシェルパ』でありたい】そう考え、その想いを社名としました。

「創業プラザあいち」の扉を開ける

これまでサラリーマン生活を続けてきたなかで、いざ創業するにも方法もわからず模索していたところへ、インターネットで「創業プラザあいち」を知りました。

当時は丸の内の産業貿易館(現在は閉館)にあり、プラザの入り口には大きな扉がありました。新事業コーディネーターの先生がよく仰いますが、「最初にこの扉を開けることができるか(勇気があるか)が創業の第一歩である」と。まさにそのとおりで、一度はパンフレットだけ取って帰ってしまった覚えがあります(笑)

しかし一歩そこへ入ると、入居者、OB、新事業コーディネーター、機構職員の皆さんとの関わりのなかで、どんどん自分の想いが具体化していきました。
ここで得たご縁がきっかけで、今の財産であるたくさんの貴重な人脈をつくらせていただくこともできました。インターネットや書籍には無い、数々の生のリアルな情報をこの「創業プラザあいち」を通じて得ることができました。おかげで、無事に創業に至ることができました。

■創業後の現実

しかし創業後の現実は甘くはありませんでした。ちょうど「創業プラザあいち」入居期間中にリーマンショックが起こり、当てにしていたお客様も全て話は流れ、なかには事務所を訪ねると玄関に貼り紙だけが残っていたことも・・・。そして2009年の1月に株式会社ロジ・シェルパを設立、同年4月に職業紹介の事業許可を得て、天白区平針に事務所を設けてスタートするも、何か月経っても売り上げは無く、ようやく1年が経ったところで最初のお客様のお世話をさせていただくことができました。以後、物流量の増加も遅く、雇用情勢の回復も進まないなか、3年目を迎えた現在、徐々に求人・求職ともに増えてはきましたが、まだまだ軌道に乗るには遠い道のりです。

ここでやはり支えとなるのが、「創業プラザあいち」であり、そこから組織された「あいち創業交流会(あい創会)」の存在です。成功も、失敗も、悩みも聞いていただける、そして他の創業者の方のパワーもいただけるこの場は、私にとっての大きな財産です。

■今後の展開
物流・運送特化の職業紹介事業を軸にスタートした当社ですが、今後は物流・運送事業者様への業務効率化やコスト削減、リスク管理、営業などの支援、業界での活躍を目指す方への運転免許や資格取得支援、教育・研修事業など、「共に登り、高みへ導き、挑戦を支える」“物流界のシェルパ”として私自身も挑戦していきたいと考えています。