第二の転機は平成6年。
この年、ホワイトボードへのレーザー罫引システムが完成、「半永久的に線が消えない画期的な罫引加工」として加工販売を開始する。
この罫引システム完成までには10年近く要している。きっかけは異業種交流会。同地域のレーザー加工機メーカーの協力を得て開発した。
ホワイトボードの表面加工方法には2種類あり、一つは、鉄板の下地ボードにホワイトのコーティングをしただけの「スチールボード」。もう一つは鉄板にニッケル下地処理をし、その上に2層の釉薬を施した「ホーローボード」である。
ホーローボードはマーカーインクがしみこまず消去が容易であること、傷がつきにくいなどの長所があり、その結果、スチールボードよりも寿命がはるかに長いという特徴を持つ。しかし、ホーローボードに塗料罫引を施しても、ボードの寿命に対し、細い線は短期間で罫線が消えてしまう。書いたり消したりが頻繁な月間予定表・週間予定表ではその傾向が顕著になるので、太い線が必要となる。何とか、長寿命のボードに見合う耐久性のある罫線を引けないか、と考えだされたのが、レーザー罫引法である。
この罫引加工は、ホーローボードのホワイトの下地色を含む3層のコーティング層をレーザーにより上の層を溶かし、下処理の黒を表出させることで罫線に見立てている。黒色を表出させる絶妙な加工技術は平成6年に特許となっている。
レーザーによる溶融加工であるため、罫線は半永久に消えないし、0.2ミリの極細線や、細かな間隔の罫引、さらには直線だけでなく、曲線や円等の図形もきれいに仕上げることができるようになったことで、多様な罫引が可能になった。
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