しかし、ヒット商品が出ると大手メーカーが目をつけ参入を試みるのが世の常。
「大手とは喧嘩してはいけない。中小企業は大量生産にも対応できない。高級モノに特化しなさい」と師と仰ぐコンサルタント一倉定先生の教えを忠実に守り、本物志向・高価格・高付加価値商品に特化する。原料は料亭白だしの40%以上増、もちろん価格も40%アップ、商品名も「特選料亭白だし」とした。
業務向けの反応は、現場を預かる料理長・板前には「料亭白だし」の良さが浸透しており、「特選」になっても比較的高いリピート率を得ることができた。
「当社では、毎年原材料費を上げないと製造責任者は減俸になるのです。他社が追いつけないほどの商品をつくっていくことが必要なのです。必ず価値を感じてくださる方はいらっしゃいます。本物をつくっている自信があるからこそ、値引きは一切していません。取引が終了になる場合もありますが、当社の製品を安売りするつもりはありません」。高級化・高付加価値化の戦略は明確である。
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