他社では難しい加工をする技術を有するという点で、発注元である大企業からも注目されている。年2回、大手企業との技術交流会を実施し、当社の技術陣と発注元の設計者とが、直接、本音の打ち合わせを行っている。発注先の大手企業からは20名ほど参加、当社からは難加工に立ち向かってきた歴戦の技術陣が顔をそろえる。そこでは、設計者の意図どおりのプロダクツが確実にできるための「加工する側から見た、間違いの少ない図面」のポイントは何か、発注側にとって「かゆいところに手が届くプロダクツ」ができるようになるにはどうするのか、ということが議論される。それだけ「難しい加工部品の依頼」が多く寄せられていることの証拠であるし、どこまでの難しい加工が可能なのかという当社のポテンシャルへの期待に他ならない。おそらく、発注元とこれだけの人数を一堂に集めて議論をたたかわせている企業は決して多くないであろうし、それだけの力量がなければ参加もしてくれまい。 「この交流会は『技術と技術のマッチング』だと考えています。相互に図面の見方・考え方を議論することで、お客様の見えざる要望にも応えていけるのです。お客様からそれだけ評価いただいているということで、ありがたいと同時に、さらに高い要望に応えるため技術を高めていかねばと考えています」と鈴木会長。 こうした努力の積み重ねにより、平成18年度には、『愛知ブランド企業』の認定をうけ、さらには、平成19年度は経済産業省の『戦略的基盤技術高度化支援事業』に採択される他、京セラ(株)等と実施プロジェクト技術交流を行うなど、常にチャレンジを続けている。 「戦略的基盤技術高度化支援事業」は、中小企業が行う高度で日本のものづくり技術の高度化につながる案件だけが採択されるもので、「難削材であるインコネル材の加工について、工具と切削条件の組み合わせで工具の寿命向上と切削時間の短縮というトレードオフを解決する加工技術を開発することで国際競争力を向上させる」という当社ならではのテーマである。
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