水道メーターには湿式と乾式がある。湿式とは、古くから採用されているメーターの分類の一つで、目盛板の部分が水に浸っているものをいう。対する乾式とは、目盛盤が水に浸からない形式のものをいう。 戦後長らく、水道メーターは湿式が主流であった。したがって、常に水に浸った環境下に置かれる銘板の目盛が消えないように、銘板はホーローが使われていた。一般的なホーローとはガラス質の釉薬を、鉄などの金属表面に被覆して高温で焼成した物である。さびにくく、耐食性(腐食に強い)、対摩耗性(すりへらない)などの特徴を持つ。
但し、当社で開発した水道メーター用ホーロー製目盛盤は鉄板ではなく銅板を使用したもので通常のホーローに七宝焼きを融合させた様なものである。
水道メーターは、計量法により8年で取り替えることが定められているため、8年間という期間、目盛印刷を維持する必要があった。しかし、目盛を印字した後、ホーローとして焼成しても長期間水に浸っているため、退色するケースがあった。
そこで創業者は、絵の具に工夫するなどの試行錯誤の末、退色の少ない銘板への印刷技術を確立した。銘板の目盛には赤黒の2色が使われているのだが、他社製は時間の経過とともに、赤色が退色(黄変)していわゆるお化けメーターとなってしまうのに対し、創業者の作った銘板だけが、赤色を保ち続けた。
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