まず、材料ブレンド技術。
当社の小麦粉の原料は、主にオーストラリア産のうどん用小麦と愛知県産小麦をブレンドしている。たとえばオーストラリア産小麦は品質が安定しており、うどんの腰を出すという点で優れており、愛知県産小麦は風味の点で非常に優れているため、ブレンドによりそれぞれの品種のメリットを引き出している。
しかし、農産物である小麦は、品質が安定しないのが当たり前である。小麦の収穫時期ごとの出来不出来はもちろん、同時期の収穫であっても畑ごとでその品質は微妙に異なる。安定しない材料を製品として安定させるためには、原料ブレンドの職人技が大きな鍵を握っている。
小麦の収穫時期を迎え、小麦粉の材料が突然旧小麦から新小麦に変わると、含水量が大きく変動し、小麦粉の使用感も大きく変わってしまう。そこで、ユーザーに変化を意識させないよう、長期間新旧をブレンドしながら材料の入れ替えを行なっている。また、オーストラリア産と愛知県産小麦、それぞれの収穫時期が12月と6月と時期がずれているために、年中これらのブレンド比を調整しながら品質の安定を図っている。
収穫する畑ごとの違いは、挽いた小麦を、一番粉(内層粉)、二番粉(中層粉)、三番粉(外層粉)に分け、さらに粒子の大きさ・比重等の基準で25〜30種類に細分化、小麦の出来により微妙なブレンド具合を調整することで、均質化を実現した。 さらに、夏用と冬用ではコンマ数%だけ含水量を変えるなどの調整の手間をかけることで、麺打ち段階での安定した使用感を実現しているのである。
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