創業当時は、仏壇金具や塗装用マスキング治具などを製造しており、電気鋳造による金型製造技術は試行錯誤が続いていた。オイルショック時には仕事が全くなくなり、技術開発どころではなくなったが、担当社員1名を開発に専念させ、社長を筆頭に残りの社員は当然のこと、社員の奥さんまで総出でパチンコ店の壁や椅子を洗浄する仕事を行い、1年半の間、電鋳技術の技術開発を支えた。こうしてメッキ厚や品質をコントロールする電鋳技術を確立するのはオイルショック後の1975年のことである。
電鋳による金型は、シボ(絞)と呼ばれる皮模様や縫い目など、細かな模様や風合いを原型から写し取ることができるのが最大の特徴である。
しかし、この金型により成型する方法は、熱した金型の上に樹脂パウダーをまき、溶かして成形するという手間のかかる「スラッシュ成形法」しかなかった。
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