その原点は、現社長吉良伸一氏の父親である創業者が公設市場で営んでいたお菓子屋である。当時、饅頭などを包むのに一般的に使用されていたのが天然竹皮・経木(木材をごく薄く削り紙状にしたもの)。ある時、この経木の製造現場を見る機会があった創業者はその現場に驚いた。加工済みとはいえ樹液がまだ残る自然乾燥中の経木には虫が寄り付き不衛生なものであった。一生懸命に作ったお菓子をこんな不衛生なもので包んで渡していたのかと驚いた創業者は、自ら紙にパラフィン加工(ロー引き加工)を施した人造竹皮を開発する。その後、量産化をするため創業者の兄が経営する機械メーカーとともに機械化にも成功。安価で衛生的な包装紙として評判を取り、昭和40年には包装資材の会社として法人化するまでになる。
「ロー引き加工紙は市場からは驚きを持って迎え入れられたようで、あっという間に売上は5億円になり全国シェアも獲得していったようです」と吉良社長。
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