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「そこまで考えた提案」と驚かれるトータルソリューションを
宮崎 貴久 記事更新日.12.11.01
東海商事株式会社 代表取締役社長
■問い合せ先
東海商事株式会社
〒460-0008 名古屋市中区栄一丁目29番27号
Tel 052-201-3371   Fax 052-201-3370
http://www.toukaishoji.co.jp
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メカトロニクス製品、産業用ロボット、システム装置製品の販売を行う産業用電機品の専門商社というと、景気変動による設備投資の波を真っ先に受けるというイメージが一般的だ。しかし、独自の技術力とノウハウ、年月をかけ構築したネットワークを活用し、自動車、工作機械に留まらず、半導体、電子部品、金属加工、搬送機械、食品業界と多岐にわたる業界で600社以上の取引先に対応することによりリスクを小さくする独自の経営戦略をとっているのが東海商事株式会社である。


■ロボット・メカトロ装置のトータルソリューションカンパニー

昭和10年に創業した当社は、昭和50年創業家の後継者難から現会長の宮崎唯志氏が会社を買い取り、新体制をスタートさせる。
創業時には汎用モーターやスイッチなどの電機品の販売からスタート。
「昔は、例えばインバータモータを注文し納入する単純な商社機能が中心でしたが、2000年頃からはロボットメーカーから積極的に技術を取り入れ「技術商社」としての地位を高めていきました。リーマンショック後は全体的な設備投資の減少により、特に提案力の有無が採用を大きく左右するようになりました。」と語るのは現社長の宮崎貴久氏。

現在では、産業ロボット、メカトロ装置、モーター、その他電機品及びその周辺の制御装置等に関し、工場での導入設計から納入、設置、メンテナンスまで、技術力に裏付けられた一貫したサポート体制をとるトータルソリューションカンパニーである。
■技術力・ネットワーク力を活かした「最適な提案」が強み

当社の技術力の特徴は「小回りがきいた提案ができる」点にあると宮崎社長。
「例えば、ある設備のモーターが壊れたとします。この設備が古く、モーターの規格が変わっているケースでは『規格変更でやむを得ず』設備全体の入れ替えを提案される商社さんが多いと思います。こうした場合であっても、当社ではノウハウを持つ人間が現場へお邪魔し、適切なご提案をするようにしています。本当に全体を入れ替えなければならないのか、モーターの取替えで問題が解決するのであれば、当社の商売としては小さくなったとしても、お客様本位のご提案をします。実際、他社から数千万円の設備入れ替えの提案を受けていた大手メーカー様の場合でも、当社からは数百万円のモーター取替えのご提案をしたこともあります。このケースでは撤去したモーターのオーバーホールをし、予備として保管されたらどうですか、ということまでご提案しました。『そんなことまで考えてくれるのか』と、お取引先様からご信頼いただき、その後様々なご要望を頂戴できるようになりました。今では本口座を作っていただけるまでになっています。こうした提案ができるのも、設備の見立てができる人材がおり、またオーバーホールの技術を持つ企業ともお付き合いがあるからです。この技術はあの企業にお願いして、あの修理であればこの企業にお願いすれば間違いないという、こうした体制は、長い歴史の中で培われた当社の大きな財産であり強みでもあります」。

■最適提案の原点は「お客様を良く知る」こと。そのスタイルは変えない。

取引先との関係強固策も積極的に行っている。
オーダーを受けたり問い合わせ電話のフォローを行う「内勤営業」と、取引先を直接担当する「担当営業」がおり、担当営業は重点取引先1社を含む担当先を数十社持ち、間接的なお客様であっても極力直接訪問し接点を持つようにしている。
「日々起こる小さな相談事に対応しながら、信頼関係を強固にすることが基本です。その上で、日々訪問し情報収集することにより、金額的には小さくともメンテナンス・修理のご相談をいただけるように努めています。どんな設備でも消耗品なのですから、小さな消耗であれば修理・メンテになりますし、大きな消耗や問題点があれば設備投資につながる可能性が高くなります。タイミングや規模、現在の設備状況や稼動状況を踏まえ、的確なご提案をするためにも、日々の訪問は欠かせません」。
こうした小回りがきく技術力と営業フットワーク、長い歴史と信頼を背景にした多くの工場・職人とのネットワークを活用した幅広い提案こそが当社の存在意義である。

「こうした点では後発の企業には負けない自信があります。ロボットや電機部品について困ったら『東海商事へとりあえず相談すればなんとかしてくれる』といっていただく機会も多くありますし、当社がシステム全体としてご提案・導入していただけた設備であればなおさらです。大口のお客様も大切ですが、だからといって月数万円のお客様だと態度を変えるということは一切しません。目先の取引額や流行に流されることなく、地に足をつけて自分たちのスタイルを貫き、今までやってきたことを守って、どうステップアップしていくかということを考えるだけです」。

■現在ある経営資源を活用し、成長分野へ展開

ステップアップに向け、新たな事業展開として狙うのは「成長分野への展開」である。
一つは、医薬品の調合ロボットや手術ロボットの医療分野や人型ロボットが行う介護分野への展開である。

もう一つはパワーコンディショナーと呼ばれる環境・エネルギー分野への展開である。 太陽光発電システムや家庭用燃料電池を利用する場合、ソーラーパネルなどから得られる電流は通常「直流」であり、これを事業所や一般家庭で使えるよう「交流」に変換する装置がパワーコンディショナーである。
「再生可能エネルギーの固定価格買取制度の導入に伴い、すでに様々な提案を展開しています。例えば、屋上が平坦な作りの事業所などへは太陽光パネルとインバーター・高効率モーター、パワーコンディショナーなどのお客様の形態に最適な組み合わせを提案しておりますし、将来的には家庭でも需要が出てくるはずです。こうした、新たな分野への展開・提案をすることによって、単なる機器営業に留まらない付加価値のついた事業展開を今後も推進したいと考えています」と将来像を描く宮崎社長である。


 

取材・文 有限会社アドバイザリーボード 武田宜久       

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