一般的なオフィスビルや工場、店舗など大きな建物では、6,600Vの高圧電気を受電し100〜400V程度に下げ、コンセントなどから電気を利用している。このように電圧をコントロールする役割を果たすのが配電盤である。駐車場の隅や屋上、工場敷地の片隅など、通常は屋外の物置ロッカー程の大きな金属製の箱(キュービクル)に収められている。キュービクルには、内部への水漏れ、動物や異物などの接触から配線を守る他、ショートや漏電、地震や火災などの事故が発生した際にも、設備への影響を最小限に抑える役割を担うことから高い信頼性が求められる。
キュービクルの製造方法は2つある。一つは板材をプレスで折り曲げ四方の壁面をつくり屋根を取り付ける方法、もう一つは金属のアングルによる骨組みを作ったのち壁や屋根として板材を溶接で取り付ける方法である。前者の板材による方法では、正確に壁面をプレス折りすれば壁の四隅は垂直となり、比較的簡単に壁面が完成する。しかしこの方法で大きなキュービクルを作ろうとすると、巨大なプレス機が必要になることや板材そのもののたわみなどの問題が生じる。一方、後者のアングル組みによる方法は、溶接時に発生するアングルの歪み対策など正確な骨組みをする高い技術が求められる。しかし、耐震性や安定性などの強度は高くなり、また骨材であるアングル同士を溶接することで大きなものでも可変的にかつ一定の強度を維持しながら作ることができる。このことから、大きくなるほどアングル組みのキュービクルが採用されることになる。
長年の板金・製缶技術による大型の板金・製缶・アングル枠製造に強みを持ち、大型キュービクルを中心として発電所向け大型表示盤・デスク型操作盤や高速道路の情報表示板、大型架台(設備機器などの重量物を設置する台)などを、配電盤の10面列盤連結時(=8,000mm)では、全長を±2mmの精度で製造するのが株式会社マウンテックである。 |