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  トップ > IT特集 > モバイル端末における黒船襲来とガラパゴス化する日本企業
モバイル端末における黒船襲来と
ガラパゴス化する日本企業
伊藤吉樹 記事更新日.08.12.01
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〒486-0849 愛知県春日井市八田町6−18−2 レジデンス上八田305
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http://homepage2.nifty.com/fujiyoshipc/
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1. 黒船襲来とガラパゴス化
芸能界では、リア・ディゾンが「グラビア界の黒船」と呼ばれて話題になりましたが、妊娠・結婚で休業し「ポイしないでください」という流行語を残して姿を消しました。

情報家電の業界では、米アップル社のiPhoneが今年7月に「携帯電話の黒船」と鳴り物入りで登場しましたが、秋頃から「iPhone日本で苦戦」の記事がネット上を賑すようになってきました。

さらに「5万円ノートパソコン」として破格の安さのミニノートパソコンが店頭を賑わすようになりました。
アジア系のメーカーのみならず、世界最大手のパソコンメーカーであるヒューレット・パッカード(HP)もこの市場に参入し、競争は激化しています。

一方で「ガラパゴス化」という耳慣れない言葉が頻繁に登場するようになってきました。 生物の世界でいうガラパゴス諸島における現象のように、日本国内において独自の進化を遂げた結果、世界標準からかけ離れてしまい、世界市場で競争力を失ってしまったいう意味のようです。
こうした背景から、世界標準が日本に上陸する度に「黒船襲来」と騒がれるという状況が起きているのでしょうか。

今回は、モバイル情報端末を中心とした黒船襲来と、日本企業のガラパゴス化について考えてみます。
2.  iPhoneの日本上陸と現状
7月11日午前7時、日本国内で米アップル社からソフトバンクを経由してiPhone 3Gが発売になり、1000人以上の行列ができる騒動になっていることを「携帯電話の黒船襲来」として各メディアが報道しました。

ついにiPhoneが発売開始--表参道には1000人以上が行列
http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20377002,00.htm

その2ヵ月後の9月頃から、そのiPhoneが苦戦している記事がネット上を賑わすようになりました。

苦戦のiPhoneに“包囲網” au「Touch Pro」発売へ、ドコモは「BlackBerry」新機種
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/10/news040.html

苦戦の原因として

・ 料金が高い
・ ワンセグ機能がない(純正機能において)
・ 動画が撮影できない
・ 絵文字ができない
・ おサイフ携帯でない
・ 電池の持ちが悪い
・ コピー&ペーストができない
・ Webブラウザが不安定

等があげられています。
日本独自の進化機能への未対応が主な原因になっているようです。

操作方法が独特で、トラブルも報告されているのに対して、解約を申し出たユーザーが契約条件を理由に断られたことが問題になり、消費者機構日本が問題の契約内容の一部文言の削除を求め、ソフトバンク側がiPhone解約不可を撤回したとの記事もあります。

iPhone解約不可を撤回=NPO法人の指摘受け
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200811/2008110600774

タレントの森公美子さんが、自身のブログで「iPhoneはダメ、無理、解約したい」と批判して話題になり、その後、一転して「アップルすごい!」と訂正し、「ネットは怖い! ネットで悪口書かれて、自殺に追い込まれる気持ちも分かったような気がする」と、「森さん叩き」に疲れたようすを告白しています。

森公美子さん、一転してiPhone絶賛 ブログで「ダメ、無理」→「アップルすごい!」
http://www.excite.co.jp/News/it/20081107/Itmedia_news_20081107092.html

iPhone苦戦の記事に反論する記事もいくつかあり、私自身もアップルは好きなメーカーなので、iPhoneに対して個人として批判的見解ではないことは、保身のためにも一言申し上げておきます。

iPhoneフィーバーの要因を知らずに「iPhone失速」を語るのは気が早い
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20080929/1019220/
3.  本命!? ブラックベリー日本上陸
携帯電話にパソコンに相当するメールやブラウザ機能、OSによるファイル管理やアプリケーション操作等を搭載した端末を「スマートフォン」と呼びます。
アメリカでは企業ユーザーを中心にブラックベリーのスマートフォンのシェアがiPhoneを圧倒しており、日本でもNTTドコモから個人向け「ブラックベリー」のサービスを開始しました。 リサーチ・イン・モーション(RIM)の「ブラックベリー・ボールド」が本命の新製品のようで、日本上陸は2009年2月以降が予想されています。
果たして「ブラックベリー・ボールド」は日本市場にどのような影響を与えるのでしょうか?

iPhone対ブラックベリー スマートフォン最終戦争の行方
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/42646.html
4.  イー・モバイルのスマートフォンが売れている
一方で、10月10日に発売したイー・モバイルのスマートフォン「Touch Diamond」が売れているようです。


[市況]なぜ売れる? イー・モバイルのタッチケータイ「Touch Diamond」
http://bcnranking.jp/news/0810/081022_12210.html

同じくイー・モバイルのスマートフォンの「EMONSTER」も好調なようですが、製造元のHTC(台湾)では「Touch Diamond」や「EMONSTER」の進化系というべき「Touch Pro X05HT」を、ソフトバンクを経由して12月上旬の発売を予定しているようです。



TOUCH PRO SoftBank X05HT
http://mb.softbank.jp/mb/product/X/x05ht/
5. ついに「Google Phone」登場か?
かねてから噂になっていたGoogle(グーグル)の携帯電話事業参入、「Google Phone」と呼ばれた噂が、T-Mobileから、Googleとの協力により、プラットフォームにAndroidを採用した携帯電話「T-Mobile G1」という形で米国で10月22日に発売することにより実現しました。 現時点で日本での発売予定は決まっていないようですが、世界をリードする企業であるGoogleのスマートフォン参入となれば、話題を呼ぶことが予想されます。

T-Mobile、Androidケータイ「T-Mobile G1」発表
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/41925.html
6. 日本の携帯電話メーカーのガラパゴス化
このように激化しているスマートフォン市場で、日本の携帯電話製造メーカーの名前があがらないことが気になります。小型化の高度な技術力を誇る日本企業であれば、携帯電話の世界市場のシェアを握っていても不思議ではないのですが、日本国内独自の進化を遂げてしまい、世界市場での販売シェアという観点からはずいぶん苦戦しているようです。
7. 激化する5万円ミニノートパソコン市場
大型の家電量販店のパソコンコーナーに、5万円前後のミニノートパソコンのコーナーが設置され、ずいぶん種類も増えてきました。中には29800円と、3万円を切るものも販売されていて驚かされます。

現時点で、エイサーやASUSといった台湾のメーカーが、この分野のシェアを握っているようですが、今年の6月に業界世界シェア首位のヒューレット・パッカード(HP)が6月にこの分野に参入し、10月22日にその投入製品を最大25%値下しました。これにより下位機種の価格は4万4730円になりました。

HP 2133 Mini-Note PC
http://h50146.www5.hp.com/directplus/personal/promotions/notebooks/080522_2133_promotion/

ミニノートパソコンの市場は、早くも消耗戦になり激化しているようです。

HPの大幅値下げが引き金 ミニノートPCの「消耗戦」
http://diamond.jp/series/it_biz_dw/10018/
8. 日本のパソコンメーカーのガラパゴス化
これに対し日本国内メーカーのノートパソコンは、高スペック・高機能で、15万円〜20万円以上するのが一般的で、比較論で考えると高額であるというのが現状です。本来であれば、日本企業こそがこうしたミニノートパソコン市場を先導すべき技術力をもちながら、現状は参入に二の足を踏んでしまっています。

ミニノートPCに温度差 外資は元気、国内メーカーは慎重
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/01/news021.html
9. 年末商戦の勝者は誰になるのか
年末商戦に向けて、日本のモバイル端末商戦はどのように展開していくのでしょうか。

・ 外資系の「黒船」が数字を伸ばすのか
・ 信用や安心感を機軸に高性能をうたった日本企業が持ちこたえるのか
・ 9月以降の世界同時不況による買い控えで両陣営共に思惑通りの数字を伸ばせないのか
・ 年度末にかけて国民に配られる予定の給付金のおかげで「特需」となるのか
・ かつてPDAと呼ばれた携帯情報端末のように、日本ではさほど数字を伸ばせないか

興味深い競争ですが、予想することは大変難しいです。


<編集注> この記事からリンクを貼って他の記事をご紹介させていただきました。リンク切れの場合はご容赦ください。
【参考サイト】
アップルジャパン株式会社
http://www.apple.com/jp/

日本HP(ヒューレット・パッカード)
http://welcome.hp.com/country/jp/ja/welcome.html

ソフトバンクモバイル株式会社
http://www.softbankmobile.co.jp/ja/index.html

CNET Japan
http://japan.cnet.com/

ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/

時事ドットコム
http://www.jiji.com/

Excite エキサイト
http://www.excite.co.jp/

nikkei TRENDYnet
http://trendy.nikkeibp.co.jp/index.html

株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/

BlackBerry ホームページ
http://ap.blackberry.com/jpn/

ケータイ Watch
http://k-tai.impress.co.jp/

イー・モバイル株式会社
http://emobile.jp/index.html

BCN ランキング
http://bcnranking.jp/index.html

HTC(High Tech Computer)
http://www.htc.com/jp/

T-モバイル (T-Mobile)
http://www.t-mobile.com/

Google
http://www.google.co.jp/

日本エイサー
http://www.acer.co.jp/

ASUS
http://www.asus.co.jp/

ダイヤモンド・オンライン(Diamond Online)
http://diamond.jp/
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