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  トップ > IT特集 > 映像コンテンツ配信の移り変りによる社会的影響力とビジネスモデルの変化
映像コンテンツ配信の移り変りによる社会的影響力とビジネスモデルの変化
伊藤吉樹 記事更新日.09.04.01
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1. 動画映像
2009年2月14日にローマで開催されたG7の会議後の記者会見で、日本の中川財務相がおこなった「もうろう会見」の「日本の恥」と言われた映像は、瞬く間に世界を駆け巡り、3日後に中川財務相は辞任に追い込まれました。その渦中で「YouTube」や「ニコニコ動画」といった人気動画インターネット動画共有サービス(以下、動画共有サービス)において、その映像が大量に配信された現象も見逃せません。
若年層を中心に、動画共有サービスが社会に与える影響は大きく、動画共有サービスのために著作権が脅かされたり、窮地に追いやられる企業や有名人の例も見受けられます。
また、インターネットでDVDやCDを借り、ポストに返却する形態のオンラインDVDレンタルが急成長しており、店舗展開で経営をしているレンタルビデオ店を脅かす存在になってきました。
今回は、動画映像が社会に与える影響と、ビジネスモデルの移り変りについて考えます。
2.  動画共有サービス YouTubeとニコニコ動画
私は普段、大学や専門学校を中心にパソコンを教えている仕事をしているのですが、最近の学生さんたちは、暇さえあれば「YouTube」や「ニコニコ動画」といった動画共有サービスを閲覧しています。

動画共有サービスの世界的な最大手は「YouTube」です。2005年の会社設立から、2006年にかけて爆発的に普及し、同年10月にはGoogleに買収され傘下に入りました。 創業からわずか2年後の2007年に日本国内利用者数が1000万人を突破するという巨大市場に成長しています。

YouTube、国内利用者数が1000万人を突破
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20345600,00.htm

一方の「ニコニコ動画」は、2007年1月にYouTubeの人気の高まりに伴い、動画へのコメント機能を売りとして動画配信を開始しました。。配信元のニワンゴの取締役に、元2ちゃんねるの管理人である西村博之氏が名を連ねているなど、2ちゃんねるユーザー層を中核にして急成長を果たしています。 ニコニコ動画も、2008年11月の時点で、一般会員登録数が1000万人越え、有料会員も21万人を突破するなど、驚異的な急成長を遂げているコンテンツです。

ニコニコ動画の ID 登録者数が1,000万人を突破
http://japan.internet.com/wmnews/20081113/4.html
3.  動画共有サービスと著作権をめぐる水面下の交渉
動画共有サービスの急速な普及により、著作権法によって保護されているテレビや音楽系の映像などのコンテンツの違法配信という問題が表面化しました。
動画共有サービス側は、著作権所有者サイドからの削除申請を受けて速やかに削除するという方法を取っているため、日本のテレビ局各社も度重なる削除申請を強いられる状況に迫られ、専用の申し入れフォームを作成して送付しているようです。
2007年1月、動画共有サービスへの監視も対象とした「放送コンテンツ適正流通推進連絡会」が発足するなど、動画の監視・削除要請が厳しくなることが予想されます。

2008年10月、日本音楽著作権協会(JASRAC)は、動画共有サービス最大手のYouTobeと、YouTobeの収益の一部をJASRAC側に支払うことで、管理楽曲の二次利用した動画のアップロードの合法化を図りました。

YouTube、JASRACから音楽著作権の利用許諾
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20081023/317638/

このように、大量の動画配信の水面下で、著作権保有側と動画共有サービス側との水面下での交渉がおこなわれているのです。
4.  東芝クレーマー事件以降の企業対応の変化
1999年、東芝のユーザーサポート側の不適切な対応を録音したユーザーが、インターネットで録音データを公開し、社会問題にまで発展して会社側が謝罪するという「東芝クレーマー事件」がおきました。
この事件は、「クレーマー」という言葉を広めるきっかけになるなど、企業側がインターネットの恐ろしさや、ユーザーサポートの在り方を考えるきっかけになった事件といわれています。

東芝クレーマー事件
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E8%8A%9D%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC%E4%BA%8B%E4%BB%B6

東芝クレーマー事件の音声
http://www.youtube.com/watch?v=SOxtM0HRc08
5. 米ホワイトハウスのYouTubeにチャンネル開設
2009年1月、バラク・オバマ氏が第44代大統領就任しました。
激しい選挙戦を勝ち抜いたオバマ氏、選挙期間中YouTubeの動画映像を積極的に活用しました。

YouTubeを使ったバラク オバマ氏の選挙戦
http://www.socialnetworking.jp/archives/2008/10/youtube_55.html

大統領就任後も積極的にYouTubeを活用し、一部の動画にダウンロード機能を追加させるなどの要望を通したりしました。

YouTube、一部の動画にダウンロード機能を追加--オバマ次期大統領のチャンネルで
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20386732,00.htm

BarackObama.com - YouTube
http://www.youtube.com/user/barackobamadotcom?gl=JP&hl=ja

「Change」と「Yes, we can.」の2つのフレーズで有名なオバマ氏は、動画共有サービスを柔軟に政治活動に利用するなど、斬新な発想と行動力でアメリカ合衆国を牽引する新しい指導者といえましょう。

日本でも、民主党の党首である小沢一郎氏が、ニコニコ動画上に「小沢一郎チャンネル」を登場させて話題になったりと、動画配信を政治活動に利用する動きもありました。

ニコニコ動画」に「小沢一郎チャンネル」が登場!!
http://www.rbbtoday.com/news/20080929/54564.html

一般の企業においても、動画共有サービスを有効活用すれば、あるいは新しいビジネスモデルを開拓することができるかもしれません。
6. オンラインDVDレンタルの急速な普及
最近のテレビで、店舗展開をしているレンタルビデオ店のCMと、「ネットで借りて、ポストに返却、延滞料金0円」といったタイプのオンラインDVDレンタルのCMと、どちらを多く目にするでしょうか?あるいはオンラインDVDレンタルのCMの方が多いのではないでしょうか?

オンラインDVDレンタルは、1998年にアメリカでサービスが開始されたとされています。
日本でも1999年頃からサービスが始まり、近年、急速に利用者を増やしてきました。
日本での主なサービス提供会社としては、TSUTAYA DISCAS、ぽすれん、DMM.com、GEOLAND、楽天レンタルなどがあります。

ネットでレンタル!?話題のDVDレンタルの選び方
http://www.at-r.net/dvd/

私はこの中で業開催大手とされる TSUTAYA DISCASとDMM.comを実際に比較しながら試してみました。

TSUTAYA DISCAS
http://www.discas.net/

DMM.com
http://www.dmm.com/rental/

どちらのサービスも、大別してDVDかCDのいずれかを月額借り放題のレンタルと、1ヶ月8枚レンタルできる方法に分かれます(他のモデルもありますが)。

月額借り放題といっても、無制限という訳ではなく、1回の枚数が2枚であるため、期間内にレンタル枚数には限界があります。
私の場合、TSUTAYA DISCASとDMM.comを比較しても、枚数に大差はなく、1ヶ月間で借りられる枚数は18枚から26枚まででした。
借り放題の月額料金は2070円前後なので、1枚あたり、115円〜80円程度になることになります。

・ 自宅のポストに届いたら、できる限り早く返却すること
・ 最寄のポストではなく、地域の中央郵便局に返却投函すること(集配ロスの軽減のため)

などを心がければ、借りる枚数を増やすことができます。

ただし、最新作品や人気作品などは借り放題で借りられないため、どうしても借りたい作品がある場合は、予約取り置きのできる1ヶ月8枚といった枚数制限のあるコースを選ぶ必要があります。

私の所感では、月額借り放題プランを利用する場合は、DMM.comの在庫状況が利用しやすく、TSUTAYA DISCASの方に若干の不満を感じましたが、それぞれに強い分野があるので、人によって感じ方が異なると思われます。

1ヶ月で8枚の枚数制限のあるプランの場合、月額料金は1980円程度なので、1枚あたり248円ほどになります。
最新の人気作品を取り置きができるため、借りたい人気作品をほぼ確実に借りることができます。

個人的な所感として、1ヶ月8枚のコースの比較では、DMM.comが新作の発売日前の「ウエイト(取り置き機能)」がかけられないのに対して、TSUTAYA DISCASは発売前のウエイトがかけられ、貸し出しもスムーズなのでTSUTAYA DISCASの方が良いサービスであると感じました。

今回はTSUTAYA DISCASとDMM.comを比較してみましたが、興味のある方は他のサービス提供会社も含めて、比較利用してみてはいかがでしょうか?
7. 変わりゆくビジネスモデル
従来の有店舗展開のレンタルビデオ店の場合、地域差はありますが、100円レンタルや80円レンタル開催日は限られますし、期間中の利用者が多く、希望する商品が借りられなかったりします。
人気の新作レンタル作品も、ほとんどの有店舗レンタル店は「取り置き」してはくれません。店側の商品管理作業が発生してしまうからです。

映画好き、音楽好きの私にとって、オンラインDVDレンタルの利便性は欠かせない存在になっています。

世界同時不況、先行き不安の昨今の状況の中、消費者は「巣篭もり」といわれるように、自宅で時間を多く過ごす傾向にあるようです。
映像レンタルの状況だけではなく、「巣篭もり時代」のトレンドに上手く乗ったネット事業で、不景気な時代の中でも急成長を遂げている企業も少なくないようです。

商売や企業の展開においても、バラク・オバマ氏のごとく「Change」「Yes, we can.」の視点と行動力で、柔軟なビジネスモデルを考えてみてはいかがでしょうか?


<編集注> この記事からリンクを貼って他の記事をご紹介させていただきました。リンク切れの場合はご容赦ください。
【参考サイト】
YouTube
http://www.youtube.com/

ニコニコ動画
http://www.nicovideo.jp/

ニワンゴ
http://niwango.jp/

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/

CNET Japan
http://japan.cnet.com/

japan.internet.com
http://japan.internet.com/

ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/index.html

socialnetworking.jp
http://www.socialnetworking.jp/

RBB NAVi
http://navi.rbbtoday.com/

DVD CDオンラインレンタル選択ガイド
http://www.at-r.net/dvd/

TSUTAYA DISCAS
http://www.discas.net/

DMM.com
http://www.dmm.com/rental/
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