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設備貸与制度の活用で成長を目指す
上野会長夫人(左) 上野会長(中央) 佐潟社長(右) 記事更新日.06.08.21
キンセイ株式会社   
■問合せ先
キンセイ株式会社
〒495-0002 稲沢市祖父江町山崎三反247番地
TEL:0587-97-7860 FAX:0587-97-7861
http://www.kinsei-u.co.jp/index.html
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企業にとって、取引先のニーズに応える製品を作るためには的確な設備投資が不可欠です。しかし、設備の導入には、資金調達、借り入れ時の保証人、担保の提供等、難しい問題が立ちふさがります。

あいち産業機構が行う設備貸与制度は、ユーザーに変わって設備を販売業者から購入してユーザーに割賦またはリースする制度です。今回はこの制度を活用して事業拡大を図り成長を目指す企業を紹介します。

稲沢市にある、キンセイ株式会社は昨年10月に本社工場を移転、設備貸与制度を活用し、プレス加工機2台(送り装置付一台)、マシニングセンター1台を導入。金型メーカーから金型製作、プレス部品加工、部品加工の三本の柱を持つ企業への事業拡大を図る、従業員20名、平均年齢30歳前半の元気な企業です。

 

設備貸与制度を活用して導入した
プレス加工機とマシニングセンター

■三本の柱を持つ企業を目指して
「仕事は順調ですが波がありますから、金型部門と部品加工部門で波を少しでも吸収できないかと考え工場が広くなった部分で部品加工を行うという形を採りました。部品加工の売上げが一定していれば金型の仕事が落ちてきても、仕事の波が少しでも縮小するのではと考えました」

従前、同社が設備投資をするときは、メーカーの制度と金融機関の融資でまかなっていたといいます。「導入する設備のメーカー自体が割賦・リースを行っています。銀行から融資を受けるときは担保を要求されますので、資金のゆとりがあるときは銀行を利用し、そうでないときは機械メーカーを利用するようにしていました」

■きっかけは1枚のファックスから
同社と機構との付き合いは取引あっせんが主体でした。「以前から受発注ニュースのファックスが送られてきましたし、商談会にも参加していました。機構は仕事の受発注あっせんがメインの仕事で設備のことをやっているということを知りませんでした」

設備貸与制度を知ったのは送られてきた一枚のファックスからでした。「メーカーから設備を買うことが決まり、割賦も決まり、明日契約という日の夕方にファックスが届いたんです」「審査に通れば金利がぜんぜん違うので契約を待っていただきました。機械メーカーも設備貸与制度をよく知っていたので『いいですよ』と言ってくれたんです」

「あの一枚のファックスが、あの日に来なかったら設備貸与制度とは縁がなかった。神様が『今こういう制度があるから流さなければいけない』といって流れてきたという感じでした」それからは、あわただしく準備を進めたといいます。

「担当の方がとても誠実に対応してくれてありがたかったです。波長も合ったんですね。本当に感謝しています」

■設備貸与制度の魅力
設備貸与制度を評価していただいた理由を伺いました。

「金利が低いのと担保を提供しなくてもいいというところです。事業を行っていると何が起こるかわかりません。担保を全部出してしまうと何かあったとき、銀行はなかなか貸してくれません。設備貸与制度は担保がいらないということが大きなメリットです」「今回ご縁があって本当に良かったです。設備はここ4、5年間で購入した物ですから、5年くらい前から知っていたら当社はもっと楽だったかもしれません」

■一番感じたこと
今回の偶然ともいえるファックスの到着を経験して一番感じたことは、次のことだったといいます。「税理士に税金は納めた分だけの見返りはありますよ」と言われていました。決算内容もよくなってきたこともあり税金も納めなくてはいけない。納めるときはこんなにもと思いますよね。苦しい経営のときもありましたが、ここ数年業績も伸び、人もそろってきて、利益も出てきて税金を納めてきました。そのおかげで銀行の評価も上がり、こんなこと(本社工場の建設)ができ、今回また設備貸与制度も利用できて、税金を納めてきたご利益があったんだと思いました。納めた分はこのように見返りがあるんだなと初めて体験しました。税金はなるべく少なくという気持ちで納めていたら、審査がどうなっていたかわからなかったと思います。だから契約の前日にファックスが届いたんだと思います」
■三人の人柄から生まれる多くの協力者
同社は上野会長、夫人、夫人の弟である佐潟社長が経営に当たっています。固い絆に結ばれた三人は力を合わせて多くの困難を乗り越えて来ました。

 
10年程前、金型業界はバブル崩壊後の仕事量の激減に苦しみました。同業者の倒産、廃業が続く中、退職金が払えるうちにと苦労をともにした従業員を整理するという苦しい決断をしたこともあります。しかし、三人の誠実な人柄と仕事ぶりが認められ多くの協力者が同社を支えてくれました。

日ごろの仕事ぶりを知る取引銀行の支店長は「キンセイさんには仕事をしてもらわなくては困ります」といって融資をしてくれ、当時中小企業ではまだ少なかった、3次元CAD/CAMを導入でき成長の基盤を作ることができました。

今回の本社工場移転でも、当初検討していた候補地に入札するものの落札がかなわず、がっかりしている様子を見た銀行の担当者が、タウンページなどから調べた不動産業者に問い合わせるなど親身になって探してくれた土地が今の本社工場所在地です。結果として候補地よりはるかに、交通の便、形状がよく使い勝手のよい土地を確保することができました。

■社訓を活かしさらなる成長を目指す
同社の社訓「相互扶助 和をモットーに」「一日一歩前進 失敗を恐れずに」「笑顔で対話 相手の身になって」「信頼は人間の基本、人に優しく自分に厳しく」は、三人の今までの生き方から生まれた言葉といえましょう。

同社はプレス金型の設計・製作、プレス製品加工、その他マシニングセンターを活用した金型パーツ等の部品加工と最新設備による優れた加工技術と長年の経験とユニークな発想で取引先のニーズに応え高い信頼を得て仕事は順調に推移しています。今後はプレス製品加工と部品加工を伸ばし金型製作との3部門を確立していく方針です。そして近年は大学卒の従業員を2名採用することができ従業員の平均年齢もさらに若返りました。挑戦を続ける同社のさらなる成長にこれからも期待しています。

(取材・文 小藤経営労務事務所 小藤省吾)

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