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経営計画書の作成ポイントについて
杉原 清司 記事更新日.09.10.01
(財)あいち産業振興機構 経営・金融担当マネージャー

【問い合わせ先】
(財)あいち産業振興機構 マネージャー
〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目4番38号
愛知県産業労働センター14階(ウインクあいち)
電話 052-715-3071   Fax052-563-1436
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■ 相 談 内 容
長年勤務していた会社から独立し、友人と同業種の事業を起こそうと先般会社設立した。 前勤務先で取得したノウハウを生かし、独自の商品開発をなして実用新案も取得出来開業している。
然しながら 創業時の思惑とは裏腹に、経営計画策定もしないまま見切り発車しての事業開始だったので、今から原点に却って実務的で効果的な「経営計画書」を作りたい。
Q:
経営計画書の「策定・構成・運用・実施・差異分析・見直し」について教えて下さい。
A:
会社をあなた自身がどういう考えで経営していきたいか、具体的に述べた「経営理念」、そして、その経営理念をより具体的にした経営ビジョンや経営の姿勢を明らかにした「経営方針」を立て、従業員の経営参画意識に繋がる経営計画書の運用と株主や金融機関に対してもしっかり説明を行い、継続支援に向けて理解を得ることが大事です。 そして社長自ら率先垂範、リーダーシップを発揮して業績を上げ、地域社会に貢献しつつ自分の「夢」も叶う会社経営をしていって下さい。
[1] 具体的な経営計画を策定して行動することが大事です。
手順は、(P)計画・(D)実行・(C)検証・(A)対策 のステップを踏んで繰回すとやり易いと思います。



[2] 計画書作成の基本的なポイントは、具体的な作成手順として、
@ 目標利益を設定する。 
(例・・・初年度、次年度、3年目、という様に段階的に利益目標額を設定する。)
A 目標利益を達成するための
・「売上増加」[(例・・・顧客数の増加、新規開拓と現在の良い顧客を維持すると顧客当りの売上高増、付加価値の高い商品・サービスの提供と販売促進策を立てる)]
・「変動比率低下」[(例・・・仕入単価・外注単価の見直しと材料、副資材等の使用量を削減する)]
・「固定費削減」[(例・・・不要資産の売却、予算の内前年比増加している経費の削減並びに人件費の見直し]
の可能性を検討し各々妥当な水準を目標値とし部門別、月別等に分けて具体策を検討することも大事です。
B収支だけでなく、財務面の計画も作ります。計画には、設備投資、資金調達、資本政策(資本構成の是正に長期安定資金の導入を増資や社債の発行)等と共に資金繰り計画も作成する。

[3] 計画書の構成は、
@現状分析を財務分析(財務−過去の決算書について、時系列や同業者との比較を行い、結果の把握と原因を探る)とSWOT(強み・弱み・機会・脅威)分析を活用すると効果的です。SWOT分析は、強みと弱みが表裏の関係にあることを意識して整理することも必要、具体的に整理する、出来るだけ強みを発見する、そして下記の[U]を参照して実行して下さい。
A 計画本文は、経営目標、経営課題と解決策を。
B 収支計画
C 財政計画
D 資金収支計画
E 資金繰表
F 行動計画
G 部門別計画 
 これらの準備として、各部門別損益計算書を作成出来る仕組みを社内で整えておいて下さい。
H 中・長期計画は3年〜5年〜10年計画と自社の能力に応じて立てて下さい。(創業時の計画では3年程度の中期計画で良いと思う)



[4] 計画書の運用には、従業員に公表して、自社が目指す方向性や、従業員が果たすべき役割を明確に伝えることが重要(経営参画意識に繋がる)になります。
(例・・・経営計画の従業員による発表会の開催を行い周知徹底を図る) 又、前文で説明した、金融機関にも説明し継続支援を取り付ける様腐心して下さい。
 
[5] 計画の実施には、「行動計画」を活用して、部課毎、従業員毎の個別目標をたてさせること。 具体的には、取組事項については優先順位を明確にし、簡潔な内容とすること。
ここで注意することは、従業員が継続的に達成感を味わえるようなマネジメント(結果だけに囚われずプロセス−実行過程−も評価してあげる)を行うことが効果的です。
何よりも、経営計画が「絵に描いた餅」「計画倒れ」にならないように留意して下さい。 

[6] 目標と実績の差異分析は、週単位や月単位、定期的に「目標と実績の差異分析」を行う。その為に、予めタイムリーに差異分析が出来るように管理体制(責任者を指名)、
試算表・内部管理資料等社内体制を整えておく必要があります。目標と実績の乖離について注意するのは、数値面ばかりでなく多面的な角度から原因を追及することが必要です。 

[7] 必要に応じて計画の見直しは、必要に応じて行う。計画は、月、四半期、半期、年、3年、5年等の単位で策定する。目標に照らして対応策−手段−が妥当でないな、と判断出来たのなら、代替えの手段を検討する。  仮に解決が困難、想定外の構造的な変化が生じて来たなら、目標数値も含めて計画全体の見直しが必要となります。
計画の見直しが後手に廻らないためにも、定期的なチェック(チェックする手段をルール化しておくと良い)をしっかり行って下さい。

Q:
自社の現状分析はどんな視点で進めたらよいですか。
A:
経営計画を策定するには、自社の現状分析への取り組みには、まず自社の「経営資源の分析」と外部の「経営環境分析」から取り組んで下さい。簡便法もあります。
 
[T]@「経営資源の分析」をする場合に、時系列的には業績の推移、事業構造や収益構造の推移、得意先構成、商品・製品の売上構成の推移、と 財務分析(事業部門別)といった自社の経営資源を 「過去・現在・未来」の各々の視点から分析します。具体的には、まず10年前(又は5年位前)と現在を比較します。この変化を踏まえた上で今後の「10年後のシュミレーション」をして そのシナリオを描く事が大切であり、今後の事業展開にヒントが見つかるかも知れません。
事業別業績の分析には、事業別損益計算書(簡便方式でも可)の作成が基本となります。 

(例・・・@年末調整時の支払明細表 + 事業主負担合計額の従業員別・係別の一覧表作成し本社・事務所・工場別の人件費算出 Aその他経費は実額で分ける・按分して分ける部分を使って算出し、併せて本社費分担金を部門別に張り付けることを忘れないこと) 

A「経営資源の分析」をする場合に、機能別的には企業活動を、人材・組織・販売・商品・製品・物流別戦略、といった攻めから自社の「強みと弱み」を他社と比較して見直します。
こうした方法で、自社の経営資源を分析することによって、中・長期的な戦略課題と対応策を洗い出すことができます。
 
[U] 外部の「経営環境分析」をする場合には、マクロとミクロとの経営環境に分けて考えます。 

@マクロ経営環境分析では、景気・金利動向、設備投資動向、法的規制・税制改正などを想定・推測し、例えば借入の返済金増加、設備投資の時期を何時が良いかを検討する。
又、原材料の価格交渉は何時行うのが適切か(仕入価格の見直しー市況商品は日経データ参照)、価格交渉は、一度の交渉で諦めずに何回も粘り強く試みる、そして折合いは、段階的応諾といった粘りの交渉手法も場合によっては必要である。交渉相手も権限のある上級管理者とし、自社も同等の職位者を交渉担当に選任することが大事であります。 
更には、労働市場、人口構成、消費動向等には、人材を補強する時期や高年齢者の活用方法の検討を、そして賃金原資の適正配分はいかに?新技術・新素材の開発はどうか?
試験研究費をどれだけ投入すれば良いのか?等対応策をとって下さい。 
注意:対応策は、必ず「次善の策」を決めて置かれるとスピーディーに対処出来リスク回避にもつながる。 

Aミクロ経営環境分析には、業界動向、顧客動向、商品・サービス動向、これらの情報を、メディアや現場取引先(仕入販売先)の情報・生の声に耳を傾けることが重要です。



[V] 簡易な自社の「現状分析」の実施は、「SWOT分析」を行って下さい。これは、分析要因を「内部・外部」の要因に分け、更に 内部の要因を 「強みと弱み」に分け、
外部要因を「機会と脅威」に分け、自社の状況をしっかり把握して下さい。視点を変えて分析すると、また違った姿が見えてくることがあり経営のヒントにもなります。
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