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銀行と上手に付き合う方法
杉原 清司 記事更新日.10.01.05
(財)あいち産業振興機構 経営・金融担当マネージャー

【問い合わせ先】
(財)あいち産業振興機構 マネージャー
〒450-0002 名古屋市中村区名駅四丁目4番38号
愛知県産業労働センター14階(ウインクあいち)
電話 052-715-3071   Fax052-563-1436
印刷用ページ
■相 談 内 容
工場の効率化と経営の改善を目的に工場を移転し、第二の創業を図ろうと再出発を計画している。移転後の資金繰りや運転資金の調達等のあり方についてご教示いただきたい。また、事業再開をスムーズに行うために銀行を利用するにあたっての「銀行取引の留意点」についてもお願いしたい。

[Q]:
金融機関取引の留意点を教えて下さい。
[A]:
金融機関は、経営者の能力や開発・生産技術・販売力等 と共に、過去(実績−業績推移)、現在(最近の業況)、 未来(今期以降の見通し等将来性)を的確に把握し、念 入りな現場調査をし、総合的判断で企業評価、又、融資 金の有効性(与信の原則として安全性・収益性・発展性・ 公共性・流動性等)や融資先の育成、発展を念頭に金融機関自身の「地域社会の発展に貢献」出来る融資かを判断し総合審査がなされていると推察。 企業は日頃から自社事業の関連データ等を蓄積した資料等作成し、定期的に金融機関宛て決算報告や経営課題、そして将来の事業計画等 業況説明をされ良く理解してもらう努力を望みたいです。 
そこで何よりも自社の変化等前もって説明し理解を求めておかれることが大切です。
特にマイナス面は早く報告をされ対処して貰うこと、事後だと「変更条件」に繋がるマイナス評価事項になってしまう事も発生するやも知れませんから注意のこと。
金融機関の選択は、事業規模・内容・・営業エリア等身の丈に合った機関を利用され、効率の良い資金の調達・運用そして価値ある情報提供等メリットを得られる機関を選択する。
相談者の要望であります金融取引について、一般的な零細・中小企業者等を想定した現実的な留意点についてお話しますので参考にして下さい。
[Q]:
金融機関から融資を受ける時の留意点を具体的に教えて下さい。
[A]:
「運転資金融資を受ける時の留意点」
(1)今回必要とする資金の融資を受けられれば、会社は
「今後の経営は本当に大丈夫か」を考えることが重要。
「この融資が受けられれば、こうなります」と、大丈夫な「ワケ」を示して下さい。「ワケ」とは、「根拠のある」、「明快な」、「絵に描いた餅ではなく」、実行可能な具体策を記した「経営改善計画書」のこと、これを作成し提出することです。
(2)売上高が減少したこと、していること、営業利益及び経常利益が大幅に減少したこと、していること。このような場合金融機関は貸出に慎重にならざるを得ません。従って、この場合は融資を受ける為に「経営改善の計画書」が求められてきますので、担当者の指導をも受けながら早く作成し提出されますよう望みます。






[A]:
運転資金調達の「選択肢」
(1)資金繰り改善策は、「○○のつなぎ資金」といって安易に手を出して資金繰りをつけ、急場を乗り切れば何とかなるだろう、と考えてはダメ。よくあるケースに、資金が不足する原因を知ろうともせず、借金を増やしている企業ではいけません。経営者は、資金が不足する原因は掴めましたか? 大型受注などの売上増加に伴う資金不足-(良いつなぎ資金で売上増加運転資金)、赤字に伴う資金不足-(悪いつなぎ資金で赤字補填資金)、この両者の最大の違いは、リターン(売上高)の有無にあります。リターンを生まないことに資金を使っているのであれば資金は出て行く一方ですから、資金繰りは改善しません。又、いくら良いつなぎ資金でも、資金不足が一時的に発生するものか、恒常的に発生するものか、その違いを把握していかなければ改善しません。恒常的に発生するような資金不足を短期借入金で賄っていては苦しくなるので、通常は、長期安定資金として利益償還可能な範囲内での長期借入金(社債)、もとより最も安全な資金調達は増資による資本増強が一番であることは言うまでもありませんので増資を検討して下さい。
(参考:保証協会の保証付き社債や流動資産担保融資保証−ABL−、少人数私募債の利用、等がありますので金融機関と相談して下さい)
 
(2)悪いつなぎ資金の調達は「返済原資にも悩み」
自社の資金不足の背景を知らずに、つなぎ資金の調達を強行すれば、今度は返済原資の確保に頭を悩ます。 それでなくても、つなぎ資金の返済期限は直ぐにやってきますから、経営者は、目の前の現金欲しさに採算を無視した赤字受注を繰り返すようになる。やがて、赤字は雪だるま式に増え、借金返済の自転車操業へと突き進んでいきます。更に、状況が悪化すると、金利の高い借入金にまで手を広げ、本来返せるはずの借入金が返せなくなってきます。そればかりか、返せるあての無い借金まで増やすことになってしまうのです。負の連鎖に陥らないような資金計画を立てる為にも、まずは日々の資金繰りから足元を見つめ直すことが大切であります。 
[Q]:
銀行借入申込時に用意する資料は、どの様な資料を作り、求められますか? 又気をつけることがありましたら教えて下さい。
[A]:

(1)銀行借入申込時に用意する資料(ある金融機関の例)・・・[既に取引中の場合

@ 自社の業績を説明する為に
決算書写し(税務署受付印押印済みの確定申告書綴り−内訳書 含む)・・・3期分(必要に応じて、5期分求められることも あります)
 
A 自社の現在の業況を説明する為に 合計残高試算表(決算日から3か月以上経過している場合) ・・・市況商品取り扱い業種の会社は、月別売り上げ高(前年 同期も記載して)も報告。
 [注意]市況商品取扱業種(価格が変動大きい業種)の会社は、月別売上高(取扱数量も併記したもの)を前年・今年と併記した明細書を添付した方が良い。 

B 銀行取引明細表(合計残高試算表の作成基準日と同日のもの)
金融機関別に「商業手形残高」「短期借入金残高−毎月の返済額)」「長期借入金残高−毎月の返済額」「社債残高−償還方法」「役員・個人・他の借入金残高−償還方法」 [留意]金融機関取引は、継続的な取引なので、これら資料は時系列で予め作成しておかれた方が効率的なので、次のような明細書を別に作成しておかれた方が良い。[明細書]金融機関別に、借入金の明細−当初借入日、期限、資金使途の運転か設備か、利率、当初借入金額、月間返済額、残高(月別残高予定額−決算毎記載) 

C資金繰り表(申込運転資金の要因や時期が把握可能となる、また収支状況が分かり今後の業況を見通すことが出来る)
[注意]金融機関によっては、所定の書式−用紙が用意されているので請求され担当者から記入方法を聞かれると良い、永続的に必要な資料だから必ず習得されるように。

D工事業の方等(建設、土木等受注して工事を請負事業)自社の工事施工能力、工事実績をアピールする格好の資料となる。
○「工事経歴書」−当期中の「完成工事明細」と「未成工事明細」等、決算毎に作成しておかれると自社を良く理解され、評価材料になってプラスになります。
「受注工事契約進捗状況一覧表」−現在の「受注している工事明細」と「現在引合中や積算中等契約見込の有る受注予定工事明細」を添付し今後の見通しをPRする。

(2)銀行借入申込時に用意する資料(ある金融機関の例)・・・[初めて取引する場合] 基礎資料の一部です(金融機関により違いがあります、債権書類は省略) 
「会社案内」は、未作成なら口頭説明。金融機関は融資取引を始める時、会社・役員その家族・保証人・関連会社等について背景資産等調査をし「信用調査書」を作成する。
「会社案内」は、自社をアピール、そして正しく理解して貰う為の重要な資料となるので、作成しておかれると良い。
内容は、商号(商業登記簿謄本記載通り)、本店所在地、資本金、決算日、代表者等の経歴、会社の沿革(創業日、法人設立日等)株主・役員名簿(会社や社長との間柄)、 従業員数(社員・非正規社員別、男女別)、事業内容 (取扱品目と比率等)、主要取引先別(3〜5先)の月間平均取引高と取引条件(現金と手形、締切日等)、その他工場、営業所、支店の所在地等、特許等、そして、「経営理念」、「経営方針」、必要に応じて「経営計画書-経営方針、事業計画(設備投資計画)他」随時策定しておかれると良い。
[A]:
心がけと現場の声
金融機関事情、年間行事、そして「借りたいのに貸 してくれない−」&「返済見込みのない先には 貸さない−
○3月は決算月、6月は株主総会、ボーナス月で 営業推進多忙、8月は社員の連続休暇取得多い、9月は中間決算月、12月は年末事情で多忙。
○株式上場機関は、四半期ごとに業績開示求められ3月、6月、9月、12月、は区切りある大事な月である。従って、借入(手形貸付)する時は、前記の月を期日にしない方が良い。 手形貸付の返済期日は、自社の手元資金が多くなる週間日や2月、5月、11月か1月、4月、7月、10月が都合良いのでは?返済遅延は不可、期日前返済はプラス評価され易い。
○銀行取引は、取引振りとして、「取引実績」を重んじる処でもある。これらの積み重ねが「信用」に繋がる。心がけとして、「早めに手配し−申込、早めに返済−繰上返済」をする。
○現場では、常に考えるのは「融資の焦げ付き」を作らないこと、不良債権発生すれば本部から与信管理や信用調査等について追及、もとより貸出金の償却が負担となってくる。焦げ付く恐れのある融資は、「貸せない・貸したくない」、が本音で、それは「貸し渋り」ではありません、と言う。融資申込み時点で「返済財源等」詳しく聞かれるのもその為です。金融機関は「返済見込みが無い貸出は正常な融資判断でお断りする」 ことを十分認識しておくことが必要であります。
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