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  トップ > 経営相談Q&A 組織活性化Q&A > 3分で分かる、人と組織の活かし方(人材育成と人格形成と・・・)
3分で分かる、人と組織の活かし方
(人材育成と人格形成と・・・)
宇井克己 記事更新日.07.07.02
宇井経営コンサルティング事務所代表 
名古屋コーチングラボラトリー協同組合 代表理事 
中小企業診断士、財団法人生涯学習開発財団認定コーチ
■PROFILE
1965年7月29日生まれ。製造業での営業、コンサルティングファームでの企画営業などを経験したのち、2002年に宇井経営コンサルティング事務所を設立し、独立。
経済産業省が認定する中小企業診断士の資格を活かし、さまざまな業種・規模の企業に、「いかに会議を活性化するか」、「いかに管理職を育てるか」、「いかに売上を上げるか」などのコンサルティングを行っている。
また、「会議活性化研修」「管理職のためのビジネスコーチング研修」「営業マン研修」など、受講者とともに作り上げるライブ感溢れる研修も好評を得ている。
メルマガ「芸能・スポーツで学ぶ、人材育成の裏ワザ」も発行している。

連絡先
宇井経営コンサルティング事務所
〒486-0967   春日井市味美西本町1825−1
TEL/FAX0568−35−5125
http://www.ui-consultant.com/index.html
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Q1:
はじめて、管理職として部下を持つことになり、先日新任管理職研修ということで、部下とのコミュニケーション力向上のためのコーチング研修を受講してきました。
コーチングは、確かに部下育成には非常に有効なスキルであることは理解できました。
しかし、部下育成においてスキルだけが先行してしまうのも、なにかしっくり来ないというか、本当にスキルだけでいいのか、もっと大切なものはないのかという気がしてしまいます。
管理職として部下と接していくうえで最も大切なことは何でしょう?
A1:
はい、質問ありがとうございます。
管理職のコミュニケーション力を高めて、部下育成につなげようという意図のもと、コーチング研修を導入する企業が非常に増えています。
コーチングは、決してスキル先行型の単なるコミュニケーションのテクニックを学ぶものではありません。しかし、やはり管理職研修として1日、2日でコーチングを身に付けてもらおうとすると、どうしてもスキルを習得することに意識が行ってしまうようです。心技体で言えば、技ばかりで心が抜けているんじゃないかって気になるのも分かります。

結論から言えば、もちろん管理職として部下を育成していくうえで、スキルだけでよいわけではありません。質問をいただいた方のおっしゃるとおり、もっと大切なものがあります。

それについてお答えする前に、まずこんなことを想像してみてください。

男性の方であれば、好きな女優さんが、女性の方であれば、好きな俳優さんが、あなたの隣に座って語りかけている、そんな状況です。そんな状況を妄想、いや、想像していただいたとして、その人があなたにこう語りかけてきます。

「ねぇ、今年、仕事で一番実現したいことってなに?」「それを実現するために何が必要だと思ってる?」と。

あなたはどんな感情が沸き、どう答えようとするでしょう。グッと深く考えて答えようとするのではないでしょうか。そして、熱くそれを語るのではないでしょうか。

では、次にこんな状況を想像してみてください。今度はあなたの隣に、あなたがあまり好きではない人が座っています。そして、同じ質問を投げかけてきます。「仕事で一番実現したいことは?」「そのために何をしていければいい?」。

そのときのあなたの感情や答えを出そうとする意欲はどの程度でしょうか。好きな人から質問されたときと比べていかがでしょう。
一概には言えないでしょうが、一般的に言えば、好きな人の場合は一生懸命考えて答えようとするでしょう。好きでない人の場合は、答えはしますが、あまり深く考えて答えようとしないのではないでしょうか?

上司と部下の関係でも同じです。好きな上司から質問をされれば、部下は深く考えて答えようとするでしょう。しかし、あまり好きではない上司であれば、同じ質問でもその答え方は相当に変わってくるはずです。

どれだけ、コーチング・スキルに長けていても部下から嫌われていてはそのスキルは機能しません。逆にコーチング・スキルが拙くても部下に好かれていれば、機能するのです。

意外に、コーチングを身につけようとするときに、この部下が上司をどう見ているかを忘れてしまっているように思います。

部下が上司に対してどれだけ「あの人のようになりたい」と憧れを抱いているか、それがコーチング・スキルを身につけるよりももっと大切なのです。

ただ、ここでひとつよく考えていただきたいことがあります。コーチング研修を受講されたとき、「部下の話をしっかりと聞きましょう」「人の話を否定しないで聞きましょう」「未来志向的・プラス思考的な質問を投げかけましょう」「人の良いところを見るようにしましょう」などと教えられたはずです。

これらを具体的に実践していけば、部下育成に有効なのは当然ですが、上司として、部下から憧れを持たれる人格が身についていくように思えませんか?

コーチングを身につけようとするとき、こう考えてほしいのです。『コーチングで部下育成がスキル的にうまくなるのを目指すのではない。自分自身が人として部下から憧れを持たれる上司になることを目指すのだ』と。

コーチングによって部下に対して何をするかではなく、コーチングによって上司としてどうあるべきか、を考えてほしいのです。部下があなたに良い感情を持ってくれれば、どんなスキルでも深く考えてくれるようになりますよ。

 
Q2:
上司として、自分自身の人格を高めることが大切なのは分かりますが、「人格」って言われてしまうと、どうも自信がなくなります。
こんな私が本当に部下を育成できるだけの人格を高めていけるのでしょうか?
A2:
はい、承りました。

Q1でお答えした通り、確かに部下育成において、管理職としては、部下育成スキルやコミュニケーションスキルを身に付けることも大切ですが、部下に上司に対する良い感情を抱かせることが大切であると思います。

部下は上司の背中を見ています。上司が気付かないところで、部下はよく観察しています。ですから、どれだけ上司が部下育成のためのコミュニケーションスキルを駆使しても、部下にその上司への尊敬の念や好意がなければ思うようにそのスキルは機能しません。

こういうお話をすると、ご質問にありますとおり、「人格とかって言われると辛いんだよね。それを言われたら、オレは管理職としてふさわしくないね」とか、「自己管理がしっかりできて、完璧な上司なんかそんなにいないんじゃないの」と言われる方がいらっしゃいます。

それに、私が「じゃあ、そういうお前はどうなんだ?」と尋ねられたら・・・「申し訳ございません!」としか言いようがなかったりします。自分を律しきれないときも多々ありますし・・・。

人格を高めようとすることは大切ですが、高くなければ管理職として部下育成ができないとは言っていません。

確かに、人格は上司にとって大切なことです。ですが、こう考えられればいいのではないでしょうか。「人格が高い上司になれて初めて部下育成できるようになるのではない。高い人格を目指して日々努力していれば 、 それで部下を育てるにふさわしい上司なのだ」と。

そして、人格を高めるための努力だけではありません。日々の目標に対しても、「夢なんて大きなことでなく、小さな目標でもいいからその実現に向け、自分を律しながら日々頑張ろうとはしている」。こう考えられるのであれば、部下が付いて行きたくなる人格者としての背中を見せられるはずです。

部下育成において大切なのは、自ら発想し、自発的な行動を促しやすい環境を与えることです。それによって部下の能力を高めていきます。その上司自身が、自発的に行動していなかったり、目標に向けて頑張ろうとしていなかったり、目標を立てても途中で投げ出してしまったり、決めたことを守ろうともしていなかったりしていては、どれだけスキルに長けていたとしても説得力を持ち得ません。

人格を高めるため、目標を達成するために日々自分を律し努力をしているかどうか。それが上司として大切なことなのです。もちろん、その努力の結果が伴えば、さらに説得力は増しますが、あまり結果を意識しすぎるよりも、日々の努力をしている姿の方が部下への影響力は高いはずです。

上司自身が自分を律して地道な努力を積み重ねる。自分を律すること、努力することを棚に上げて、部下育成だけしようしても、決して部下育成はうまくいきません。

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