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専門家派遣事例1

新分野開拓における体制の構築と実践

 

1.専門家名 稲垣 雅美
2.企業名 株式会社 丸ウ製陶所
3.所在地 〒489-0885 愛知県瀬戸市萩殿町4-18
4.事業内容 ファインセラミック製部品製造(糸ガイド、ノズル、医用・産業用部品など)
5.創業年月 昭和元年
6.従業員数 60名
7.資本金 16百万円
8.年商 1,200百万円

 

9.支援内容の構成
ア.企業概要

当社はファインセラミックスの開発・製造に取組み以来、お客様の高度な要求への対応と品質へのこだわりから、社内で原料調製から金型、成形、機械加工、焼成、研削、検査工程、そして専用機械や治工具にいたるまで一貫生産している。 また全ての製造設備は小型で複雑な製品を作るのに適したものになっており、得意な製品サイズは、シャフトやパイプでは10φ×1,000mm程度、板材では50×50×50mmくらいまでといったところで、主力製品は特に耐熱、耐磨耗性に加え、滑らかさや複雑・高精度な品質を要求される糸道(ヤーンガイド)およびエアーノズルが代表的なもので、この分野では国内トップのシェアを誇っている。
●工程

●設備
混合・撹拌機×15台、ワイヤ&放電加工機×6台、粉末プレス機×22台、射出成形・押出成形機×32台、マシニング&旋盤×15台、焼成炉(含HIP焼成炉)×12台、研削&研磨機×15台、電子顕微鏡×1台、ロボット・専用機ほか65台
●愛知ブランド企業に認定 平成17年1月、質の高い経営資源を有し高品質の製品を生み出す製造企業として、愛知県から「愛知ブランド企業」に認定して頂きました。
(愛知ブランド企業とは・・・「優れた理念、トップのリーダーシップのもと、業務プロセスの革新を進め、独自の強みを発揮し、環境に配慮しつつ、顧客視点のブランド価値等の構築による顧客価値を形成している製造企業」を、申請に基づき愛知県が認定するもの。)
●製品の一部と会社外観

(主力製品の一部) (事務・研究棟と工場の一部)

 

イ.経営課題

現在業績は順調なるものの、当社の主力製品は90%以上が中国・東南アジア等で利用される繊維関連市場であり、今後の消費地における技術的追い上げや代替製品出現等の危機感を抱いていた。そこで余力のある今こそ、既存技術を「新分野開拓」に活かし、主力事業の相対的比率低下によってリスクを分散させる必要があった。

 

ウ.派遣理由

当社は研究開発型の中でも営業部門を持たない特異な経営体質だったため、外部への情報発信や外部からの問合わせ・見積照会・回答など一連の業務を担当する部門の設置から業務内容の構築・標準化等が必要となり、専門家の派遣を要請した。

 

エ.具体的アドバイス

新分野開拓時に遭遇するであろう業務の想定・分析を行い、次のアドバイスを行なった。
①社内体制のあり方と、若手選抜によるプロジェクトチームの発足および担当の明確化
②業務の流れをフローチャートで示し、作業の標準化とルール作りについて
③EXCELによる工程見積積算表と、見積書自動生成システムの作成支援
④顧客に分かりやすいホームページへの更新と、検索エンジン対策の実施

 

オ.支援の効果

①若手プロジェクトメンバーの自覚と行動にも変化が現れ、お客様からの照会・引合から回答までプロジェクトで自己完結できるようになった
②メンバーは工程見積に当たって全工程を知る必要があり、部署横断的な知識や工程間調整も要求され、これが人材育成の効果も期待できる
③EXCELでの見積積算表作成により、引合から見積までの省力化・迅速化が図れた
④見る人に分かり易いホームページ、コンテンツ、検索エンジン対策も理解ができ、今後自分たちで更新できるようにもなり、WEBマーケティングの取っ掛かりができた

 

カ.経営者の一口コメント(派遣を受けた感想)

分野開拓は一朝一夕には結果が出ないものの、これに付随したプロジェクトメンバーの選任、業務の標準化、EXCEL積算表の作成、Webマーケティングの取っ掛かりを得たことは大きいと感じます。また何よりも本プロジェクトを通じて、メンバーの自覚や人材育成につながることが期待でき、専門家派遣事業ならではの成果を実感します

 

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