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専門家派遣事例5

共同店舗の中の個店の活性化策

 

1.専門家名 小島 賢次郎(地域商業システム)
2.企業名 M社
3.所在地 名古屋市
4.事業内容 各種食料品販売小売業
5.創業年月 平成6年7月5日
6.従業員数 16名
7.資本金 4,800万円
8.年商 3億5000万円

 

9.支援内容の構成
ア.企業概要

当企業は、30年前から、現共同店舗内において生鮮や一般食品などを 販売していた組合員18名の出資によって8年前に設立された企業である。
設立の直接要因は、周辺に相次いで出店した競合店対策である。
しかし、長引く不況と売場がビルの地下ということや駐車場の不足などから設立当初から毎年経営は 赤字状態が続き、平成13年の第7期定時総会では会社の精算(解散)準備に入ることを決定している。
そうしたなか、当企業が入店する共同店舗1階の空き店舗が、フロア面積の半分を占める程になり、 共同店舗全体の活性化の必要性が高まったことから当企業の解散の棚上げと1階へ売場移動が決定、 当企業は共同店舗全体とともに平成14年7月に再スタートしたところである。

 

イ.経営課題

当企業が18店の共同体であるうえ、店舗が家電、衣料品、化粧品などからなる共同店舗内にあり、 何をするにも調整に時間がかかる。

 

ウ.派遣理由

店舗間の商品及び賦課金等の調整。
活性化に向けた商品、販促、接客、陳列など店づくり全体の指導。

 

エ.具体的アドバイス

*商圏内需要額からみた部門別、月別、日別目標売上高の算定。
一般家庭の商品別月別消費額と当店の実績、損益分岐点などをもとに、部門別の月別、日別売上目標を設定する。
*売上目標を達成するための商品づくりについて指導する。
競合店調査などから、刺身の中心価格帯(480円)や盛り付けなど各部門別に商品づくりについて提案する。
*販促のあり方の全面見直しを指導する。
売上実績などからみた商圏の見直しとチラシの適正配布地域、枚数の算定。
景品付き売り出しの企画提案。
クーポン付き売り出しの企画提案。
月1回5%割引の企画提案。
火曜売り尽くしセールの企画提案。
また、それらの販促に必要な経費の部門別負担割合を算定し提案する。
*陳列等店づくりについて指導する。
青果売り場の平台を活用したボリューム感ある陳列について指導する。
菓子売り場の平台を活用したボリューム感ある陳列について指導する。
その他、粗利益、売上量からみた商品陳列について部門別指導する(下表、陳列の基本)。
最重点管理商品 Aa、Ba、Bb
特別陳列 フェイスを拡大、広くとる
品切れ注意商品 Ad、Ac、Bd
最下段でフェイスを拡大
利益貢献商品 Da、Db、Ca
特別陳列 ゴールデンラインにショーカードの添付
カット検討商品 Dd、Dc、Cd
フェイス縮小、カット検討
その他
POPの効果的な活用について指導する。
ゴンドラエンドの効果的な活用について指導する。
売り場内の部分的照度アップの必要性について指導する。

 

*接客について
接客の5大用語について指導する。
接客の基本事項について指導する。
その他
売場に出るまえにチェックする点(服装、身だしなみなど)
売場での基本姿勢について。
売場でのエチケット(接客中のとき、待ち状態のとき)など接客の基本全般。

 

オ.支援の効果

当店が地下から1階フロアに移動開店する直前に、新たに競合店「バロー」、 「フィール」の2店が出店するなど外部環境が一段と厳しくなったこともあり収益面では目立った効果はみられない。
しかし、一度は企業の解散を決定するなど低かった従業者のモチベーションが大きく向上したことは何よりも大きな効果である。
そうした意識改革の現れの一つが販促で、これまでのチラシ広告中心から景品付き売り出しなど、新たな販促に積極的に取り組みはじめている。
従って、今は目立った効果は出ていない収益面でも、今後序序にその効果が期待されるところである。

 

カ.経営者の一口コメント(派遣を受けた感想)

総会において会社の解散準備を進めることが決議されるなど経営が厳しく、 やや後ろ向きになっていた従業員の意識が明るく前向きになったことが何より良かったと思っている。
長引く不況や競合激化で経営環境は一段と厳しくなっているが今回の支援事業をムダにしないためにも従業員一同頑張っていこうと思っている。

 

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