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空気浄化用バイオフィルタ
愛知県産業技術研究所  記事更新日.07.09.05
食品工業技術センター
■問合せ先
〒451-0083 名古屋市西区新福寺町2丁目1番の1
TEL 052-521-9316  FAX 052-532-5791
http://www.aichi-inst.jp/kenkyujo/shokuhin.html
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空気中に飛散している様々な生物や化学物質により、ダニアレルギー、花粉症、ウイルス感染やシックハウス症候群など、健康被害が起こることが知られています。これら汚染物質の発生源は必ずしも生活圏の近傍にあるわけではありませんが、空気の流れにより運ばれ る汚染物質は、居住空間の内外を問わず生活圏内の空気を汚染します。
近年、健康被害と物質の因果関係が解明されるようになり、さらに、環境問題への関心の高まりや健康被害を受けた人々の増加に伴い、汚染物質を除去できる多種多様な製品が市場で取り扱われています。今日では、花粉症の季節には、街や電車で様々な形状のマスクを付けた人々や、店頭で空気清浄機を見ることは、日常の風景になってきました。


マスクや空気清浄機のフィルタは、微細な編み目構造や表面積の大きな多孔体構造をしています。そのため、多くの汚染物質を吸着、除去し、汚染物質濃度を下げることができます。
このような吸着による除去方法は、汚染物質除去に大変効果がありますが、汚染物質の性質を変化させることなく、そのままの状態で保持するため、汚染物質の健康被害を引き起こす活性 は無くなりません。したがって、汚染物質が高濃度に吸着したフィルタの誤った取扱いにより、吸着された高濃度の汚染物質が放散し、空気中に再度撒き散らかされる危険性があります。
 

このような再放散による汚染の危険性を避けるために、吸着した汚染物質を安全な性質の物質に変化させる機能を付加した、マスクやフィルタが開発されるようになってきました。
開発品の多くは、触媒機能を持つ物質を付加したものですが、中でも生体触媒である酵素など生物由来の物質を用いたものは、一般にバイオフィルタと呼ばれ大変注目されています。バイオフィルタに応用可能な生物由来の物質は、生物が生産する物質を使用するので安全なものが多く、また、使用後は容易に生分解します。
また、一般に基質特異性が高いので、想定外の反応により別の新たな汚染物質が発生する危険性は低いと言うメリットもあります。既に市販されているバイオフィルタには、除菌、ダニや花粉アレルギー成分の分解及びウイルス吸着能向上などの性能を有したものがあります。


 愛知県産業技術研究所(以下、当研究所)では、生体触媒を用いて揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compounds)を除去するバイオフィルタの開発を行っています。 長期間、高濃度のVOCに暴露されると、住人や運転手はシックハウス症候群やシックカー症候群になると言われています。 これら症候群に固有の症状はなく、個人差も大きいのですが、一般的には化学物質過敏症のような症状になることが知られており、国内で100万人を越える人に自覚症状があるとも言われています。
当研究所では、新規に取得した微生物由来の酵素を用いて、ホルムアルデヒドとホルムアルデヒド酸化により発生する蟻酸を除去するバイオフィルタを開発しました(特許取得済み)。
開発品は、日本電気工業会(JEMA)の家庭用空気清浄機試験(JEM 1467 1995)において、タバコの煙中のアセトアルデヒドやアンモニアを既製品のフィルタと同等に吸着除去し、さらに、酵素により有害なホルムアルデヒドを無害な二酸化炭素と水にまで酸化できます(図1)。


図1 当センターが開発したバイオフィルタ



なお、使用した酵素の反応には水分が必要ですが、相対湿度20%程度の低湿度環境下でも十分に機能します。 フィルタの素材により花粉や微生物などの粒子状物質の除去も可能です。現在、ホルムアルデヒド以外のVOCも除去可能なバイオフィルタの開発に取り組んでいます。
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