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ホウ素含有排水の処理について
愛知県産業技術研究所 記事更新日.08.05.15
常滑窯業技術センター 三河窯業試験場
■問い合わせ先

常滑窯業技術センター 三河窯業試験場 
〒447-0861 碧南市六軒町2-15 
TEL:(0566)41-0410 FAX:(0566)43-2021
E-mail mikawayo@estate.ocn.ne.jp
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陶磁器業界では、鉛やホウ素は陶磁器用釉薬の融点を下げるために使われますが、近年健康や環境に配慮した動きとして、鉛の使用が控えられる傾向があります。ホウ素については現在でも釉薬の主要な成分として使われています。三河地区の瓦用釉薬製造業についても同様です。
 
平成13年7月に水質汚濁防止法が改正され、ホウ素及びホウ素化合物の排水基準が追加されました。ホウ素の許容限度は陸域10mg/L、海域230mg/Lですが、排水からのホウ素の除去は容易ではなく、瓦用釉薬製造業では基準値をクリアするための除去技術に苦慮しています。

改正当初3年の期限で、陸域は暫定基準150mg/Lが設定されましたが、現状の排水の実態及び処理技術の水準が考慮され、暫定措置は現在も継続中で、平成22年6月まで延長されることになっています。

現行の排水処理設備は、凝集沈殿による鉛などの重金属処理が中心です。図に排水処理の例を示します。



工場内の各種排水は原水槽に集められ、その後凝集沈殿処理により、上澄み液と沈殿に分離されます。沈殿は濃縮水として回収され、フィルタープレスにより汚泥ケーキにして廃棄処分されます。このとき発生した濾過水は原水槽に戻されます。

一方、上澄み液については、水溶性の重金属成分が微量ながら残存しているため、イオン交換機により重金属成分を除去した後に放流します。排水中の重金属はこの方法で除去できますが、ホウ素については一般的な凝集沈殿処理や重金属用のイオン交換機では除去できないのが現状です。

当試験場では、現行排水処理施設を活用した無機系吸着剤によるホウ素除去技術について研究しました。赤玉土とクリストバル岩を1:1に混合した火山性土壌混合物2.0%に消石灰1.5%、硫酸アルミニウム1.0%を加えたものについてホウ素除去効果を検討したところ、200mg/Lのホウ素模擬排水が5 mg/Lの濃度に低下しました。1)しかしながら、実際の使用においては発生するスラッジ量の低減が望まれています。

一方、名古屋工業大学の山下准教授らは、ポリビニルアルコールを用い、100ppm程度のホウ素含有実排水を10ppm程度まで低減しました。この手法はスラッジの出ない比較的安価な処理方法として期待されています。

ホウ素含有排水の処理については、排水処理装置製造業者による幾つかの提案がされています。A社では、凝集沈殿処理を改良し、薬剤に石灰乳と硫酸バンドを用い、混合操作を改良することで、凝集沈殿時にホウ素を沈殿に吸着させて除去する方法を取っています。

また、B社では、ホウ素を選択的に吸着する樹脂を用い、樹脂にホウ素含有排水を通水することで、排水からホウ素を除去し、樹脂に吸着させたホウ素は再生液で再溶出させ、結晶にして回収するシステムなどがあります。今後さらに、安価で有効なホウ素含有排水の処理技術が期待されます。

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