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炭素繊維と複合材料
愛知県産業技術研究所 記事更新日.11.05.06
愛知県産業技術研究所 管理部 管理課
■問合せ先
愛知県産業技術研究所 
TEL0566(24)1841 FAX0566(22)8033
http://www.aichi-inst.jp/ 
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■はじめに
米国や欧州の航空機メーカーで開発が進められている次期旅客機では、機体の約50%に炭素繊維複合材料が使用されています。炭素繊維複合材料は、1970年代前半には、釣り竿、ゴルフシャフトなどのスポーツ・レジャー分野で既に使用されていましたが、1990年代後半に入ると、ノートパソコンやデジタルカメラなどの筐体といった一般産業分野にも広く用いられるようになってきました。炭素繊維複合材料には、"軽くて、強い。"といった特徴があり、特に、自動車分野においては、次世代自動車の開発に向けた"軽量化"への取り組みともあいまって、本格的に採用を検討する動きが進んでいます。ここでは、利用分野を急速に拡大しつつある炭素繊維とその複合材料について解説します。

■炭素繊維とその特徴
炭素繊維は、そのほとんどが炭素からできている繊維であって、"微細な黒鉛結晶構造を持つ繊維状の炭素物質"のことです。炭素繊維の種類には、アクリル繊維(ポリアクリロニトリル、PANと略記)から製造されるPAN系炭素繊維、石油・石炭ピッチなどを原料として得られるピッチ系炭素繊維のほか、織物状あるいはフェルト状のレーヨンを加熱して作られるレーヨン系炭素繊維などがあります。全世界の炭素繊維生産量のうち、およそ9割がPAN系であり、その8割近くを日本国内の3社で生産しています。すなわち、我が国は炭素繊維の生産量において世界一の実績を誇っています。
炭素繊維の製造法を、最も一般的なPAN系を例に挙げて、説明します。炭素繊維の製造は、まず、アクリロニトリルを重合してPAN樹脂を合成し、これを紡糸してPAN繊維にするところからはじまります。PAN繊維は空気中200〜300℃で30〜60分耐炎化処理を施した後、不活性雰囲気中1000〜2000℃で炭化処理し、さらに2000〜3000℃の高温で黒鉛化処理されます。ほとんどの場合は、さらに、表面処理、サイジング処理を経て、炭素繊維となります。これらの製造プロセスを図1に示しました。炭素繊維は、一般に、例えば、糸、短繊維、織物、組物、紙状などの形態にした後、種々の用途に用いられています。

さて、このようにして製造した炭素繊維には、他の素材にはない数々の優れた性質があります。主な特徴を表1に列挙しました。

■炭素繊維複合材料と産業利用
炭素繊維は、単独で用いられることは少なく、多くの場合は樹脂などの他の素材と複合化して使用されますが、複合材料の物性には、炭素繊維そのものの特徴が色濃く反映されます。すなわち、炭素繊維複合材料は、一般に、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金などの金属材料と比較して、比強度や比弾性率が大きく、軽くて強いといった優れた機械的特性を持っているのです。そのため、金属材料の代替として用途が広がっています。炭素繊維複合材料の産業上の利用分野を図2にまとめました。
ところで、炭素繊維複合材料に用いられる樹脂には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル系樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性の樹脂のほか、ポリプロピレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドといった熱可塑性の樹脂があります。従来は、力学的物性の観点から、熱硬化性樹脂が主に使用されてきましたが、近年は、熱可塑性樹脂も多く用いられるようになりました。炭素繊維複合材料に熱可塑性樹脂を用いた場合、例えば、@成形サイクルが比較的短いため、大量生産に適している。A熱可塑性であるため、リサイクルしやすい。B射出成形できるため、複雑な形状の製品が作製できる。などのメリットがあります。このように、炭素繊維複合材料は、特殊な"先進材料"から汎用な"工業材料"までを広範囲にカバーできる素材として、用途の拡大が一層進みつつあります。
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