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常温プレス加工ができる新マグネシウム合金材
愛知県産業技術研究所 記事更新日.12.01.04
■問合せ先
愛知県産業技術研究所
〒448-0013 刈谷市恩田町一丁目157番知1
TEL 0566-24-1841戟@FAX 0566-22-8033
印刷用ページ
■はじめに
マグネシウム合金は、実用構造用金属材料の中で最も軽量で機械的特性にも優れており、リサイクル性も問題ないことから、輸送機器を始めとする様々な産業への応用が期待されています。しかし、現状ではアルミニウムと比較してその普及は進んでいません。マグネシウムに固有の発火性や耐食性の不足、塑性加工性の乏しさ等々の問題に加えて、製造コストが高いことがネックとなっています。また、構造用材料としての使用実績が乏しいことから、マグネシウムの持つ軽さや高比強度以外の特性をうまく引き出すことができていません。このような課題があるため、マグネシウムの使用に対して消極的になっているのが実情です。

しかしながら、今後の輸送機器の消費エネルギーの抑制とその結果としての地球温暖化ガス排出量の低減を図る必要性から、輸送機器の軽量化技術は飛躍的な進歩が求められています。このため、軽量材料として優れた資質を有するマグネシウムに関する技術開発とその技術蓄積は、輸送機器における将来の技術的な選択肢を確保する上で非常に重要な課題となっています。

■マグネシウム合金の加工性
塑性加工プロセスは一般的に材料歩留まりが高く、高品質の製品を製造できるので、マグネシウムの塑性加工による高機能化が望まれる所以です。しかし、マグネシウムの延性はアルミニウムや鉄に比較して低くなっています。アルミニウムや鉄はそれぞれ面心立方構造及び体心立方構造という対称性の高い等方的な構造により、原子面が容易に滑ることによって変形します。これに対してマグネシウムは、最密六方構造という異方性の結晶構造を持ち、滑りやすい原子面の数が少なくなっています。最密六方構造では図1に示すように、小さな応力で滑る結晶面と常温ではほとんど滑らない結晶面があり、常温で変形させると内部に大きな応力集中が生じて割れてしまいます。しかし、常温で滑りにくい結晶面も高温では滑りに要する応力が低下し、比較的容易に変形できるようになります。

■常温プレス加工
このように、マグネシウム合金圧延材は常温における成形性が乏しいため、プレス加工するためには圧延材と金型を250℃以上に加熱する必要があり、これがプレス加工費を大幅に引き上げる要因となっています。加熱装置を備えていない汎用プレス機でもマグネシウム合金圧延材をプレス加工することができれば、大幅に加工コストが削減でき、低コストで生産性の高いマグネシウム合金加工が実現できます。
そして、それを可能にした新マグネシウム合金が近年、開発されました。マグネシウム合金に微量の希土類元素を添加したもので、熱間圧延により作製されます。新マグネシウム合金は、汎用マグネシウム合金と大きく異なる集合組織を形成するため、アルミニウム合金並みの常温成形性を示します。その原理について説明します。汎用マグネシウム合金圧延材と新マグネシウム合金圧延材の集合組織の模式図を図2に示します。汎用マグネシウム合金は、底面が圧延面に対して平行に配列した集合組織を持ちます。一方、新マグネシウム合金は、底面の法線が板幅方向に35°傾いた集合組織を持つため、板厚方向に容易に変形することができ、優れた常温成形性を示します。この特異な集合組織の形成は、希土類元素の微量添加に伴い、柱面すべりが活発化することによるものと考えられます。

■まとめ
近年、マグネシウム合金は軽さと表面品質の高さから、ノート型パソコンやデジタルカメラ、電子辞書などの筐体そしてスピーカ振動板などに採用され、市場に普及しつつあります。そして、今後この常温成形が可能な新マグネシウム合金の利用が広まれば、コスト面の課題が大幅に改善されるため、さらにマグネシウムの需要が増加し、軽量化技術に対する飛躍的な進歩に繋がっていくことが期待されます。

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