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放射線・放射能の基礎と測定の実際
瀬戸窯業技術センター 記事更新日.13.03.01
あいち産業科学技術センター 
■問合せ先
〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町537番地
TEL 0561-21-2117 FAX 0561-21-2128

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■はじめに
東日本大震災後に起こった原子力発電所の事故以降、新聞・テレビなどの報道にベクレル、シーベルトと言った聞き慣れない言葉を耳にし、多くの人が不安に感じたことは記憶に新しいところです。そこで公立鉱工業試験研究機関長協議会では、東京都立産業技術研究センターが中心となり「放射線・放射能の基礎と測定の実際」をまとめましたのでその概要を紹介します。(詳細http://www.iri-tokyo.jp/oshirase/sasshi.html)
 

■放射線とは
原子は、原子核とその周りを回る電子からなります。原子核は陽子と中性子からなり、原子の種類(元素)は原子核の陽子の数で決まります。陽子の数が同じであれば中性子の数が違っても同じ元素であり、同位元素と呼ばれます。 同位元素の中には、原子核が不安定で、余分なエネルギーを放出し、他の原子核に変わるものがあります。これを放射性同位元素といい、この時、放出されるエネルギーが放射線です。 放射線の種類はエネルギーがどのような形で放出されるかで決まり、陽子2個中性子2個で放出されるのがアルファ線、電子が放出されるのがベータ線、電磁波の形で放出されるのがガンマ線です。  
新聞でよく見かけるセシウム137やヨウ素131もそれぞれ、セシウムやヨウ素の放射性同位元素で、ベータ線やガンマ線を出します(表1)。また、放射性同位元素が、放射線を 出し、変化することを壊変といいます。壊変が起こりやすいものほど放射性同位元素の量は早く減っていきます。この壊変のしやすさは、最初の量が壊変によって半分になるまでの時間を「半減期」として表します。

ヨウ素、セシウム
の同位元素
陽子の数 中性子の数 質量数 半減期 放出する放射線
ヨウ素127 53 74 127 安定 なし
ヨウ素131 53 78 131 8日 ベータ線、ガンマ線
ヨウ素132 53 79 132 2.3時間 ベータ線、ガンマ線
セシウム132 55 77 132 安定 なし
セシウム134 55 79 134 2年 ベータ線、ガンマ線
セシウム137 55 82 137 30年 ベータ線、ガンマ線
表1 ヨウ素、セシウムの主な同位元素
■放射線の量と単位

(1)放射能(放射性同位元素)の量
よく使われる放射能という言葉は、文字通り放射線を出す「能力」のことで、つまりは放射性同位元素の量を示します。放射能(放射性同位元素)を計る単位には、ベクレル(Bq)が使われます。これは1秒間に壊変する放射性同位元素の数です。例えば100万ベクレルであれば、1秒間に100万個の原子が壊変し放射線を出しています。単位の「ベクレル」は放射能を発見したフランスの物理学者の名前から付けられています。

(2)グレイ、シーベルト―放射線の量
放射線には、ものを透過するという性質がありますが、透過して通り抜けるだけでは何も起こりません。吸収されたエネルギーが、放射線の作用の基となります。そのエネルギーの総量が吸収線量で、対象物1キログラムあたりに1 ジュールのエネルギーが吸収される放射線の量を1グレイ(Gy)と定義されます。
吸収線量が同じでも、放射線の種類などにより人体への影響が違います。グレイで表した吸収線量を補正して、人体への影響の度合いを示す放射線の量としたのが、シーベルト(Sv)です。ベータ線、ガンマ線やX線ではグレイからシーベルトへの補正係数は1倍で、グレイとシーベルトの値は等しくなりますが、例えばアルファ線では20倍、中性子線ではそのエネルギーにより5〜20倍となります。人間は自然に存在する放射線から1年間に受ける放射線の量が約2ミリシーベルト、胸部レントゲン撮影1回の線量が約50マイクロシーベルト程度です。
ある場所での放射線の強さは、時間あたりの線量(線量率)で表すことができます。よく使われるのが毎時シーベルト(Sv/h)や毎時グレイ(Gy/h)です。線量率はあくまでその時点での放射線の強さなので、最終的な放射線の影響については、ある時間経過して積算された値である線量が重要となります。

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