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布のセンサ応用事例
尾張繊維技術センター 記事更新日.14.01
あいち産業科学技術総合センター 
■問合せ先
〒491-0931 愛知県一宮市大和町馬引字宮浦35
TEL 0586-45-7871 FAX 0586-45-0509
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1.はじめに

布にセンサ機能を持たせる技術を用いてこれまで開発した、センサカーペット、ロボット用衣服、布の鍵盤について、ご紹介します。
電子部品の小型化により、センサ、マイクロコンピュータ、ネットワークなどを布(織物やニット)中に織り込み、組み込むことができるようになってきました。布にセンサを組み込むと、布でデータを収集することができます。マイクロコンピュータを布に組み込むと、センサなどから得られたデータを処理することができます。メモリを布に組み込むと、大量のデータを長期にわたって蓄積、保存することができます。布の中にネットワーク機能を組み込むと、よりフレキシブルなデータ処理や通信が可能となります。
電子回路を布に組み込む利点には、次のようなものがあります。布は肌触りが良く、肌に直接ふれても違和感がありません。そのため、身に付けて日常生活を送ることができます。また、布は折り曲げることもできますので、小さく折り畳んで、コンパクトに収納することも可能です。

 このような布の特性を活かした応用先として、セキュリティ、医療、ロボットなどの用途について、研究を進めています。開発した3点の試作品(布の鍵盤、センサカーペット、ロボット用衣服)についてご紹介します。
 

2.試作品
2.1 布の鍵盤
 タッチセンサを組み込んだ布で、写真1の楽器を作製しました。布を指で触ることにより、音楽を奏でることができます。布の鍵盤は、布を指で押さえると、押さえた位置の音階の音を鳴らすことができます(写真2)。これにより、簡単な曲の演奏ができます。さらに、研究が進めば、小さく折り畳み、ポケットなど入れて手軽に持ち運べる鍵盤が実現できるかもしれません。




2.2 センサーカーペット

核家族化が進み、子供と離れ、一人で暮らす高齢者が増えています。そこで、高齢者の安否を遠方から常に見守りたいという要望があります。

 その解決策として、織物でできたセンサによる写真3のセンサカーペットを開発しました。センサカーペットはカーペット内部に圧力がかかったことを検出するセンサが埋め込まれています。カーペット上に人が居ることや人の動きを検出することができます(写真4)。これらを解析することで、一人暮らしの人の安否を確認できます。センサカーペットをインターネットなどに接続して、遠方で異常を監視することも可能となります。また、その他にも、商用施設でお客がどの商品に興味を持っているかプライバシーを保ちながら情報を得たい、家に人が侵入したことや異常を検知したい、これら検出した結果をスマートフォンによる閲覧や電子メールで通知したいという要望があります。センサカーペットは、こうした用途にも用いることができます。





2.3 ロボット用衣服

ロボットは将来、家庭やオフィスなどに入ってきて、人と共同作業することになると考えられています。そのため、人との接触による事故を未然に防ぎ、安全を確保することが重要な課題になっています。そこで、人の接触を検出するセンサを織り込んだ布で写真5のロボット用衣服を試作しました。これを、ロボットに着せ、人が接触したことを検出し、ロボットに安全な動作をさせます。
 また、ロボットの体の表面は金属や硬い樹脂などで覆われているので、無機質で、冷たく感じられます。いつも同じ様相をしていると、人は飽きやすくなります。ロボットに衣服を着せることにより、ロボットに、温かさや親しみを感じさせることができます。仕事の目的に応じた衣服を選択することも可能です。

 ロボット用衣服に、人が接触する実験をしました。この実験によりロボット用衣服が有効に働くことを実証しました(写真6)。




                  写真6 人との接触実験

 

 

3. まとめ
 
布のセンサで開発した応用例をご紹介しました。これら開発品を製品化するためには、布に織り込んだセンサの感度や電気的解析の精度、信頼性の向上、組み込んだ回路のフレキシブル化や小型化などが課題になります。さらに、布のセンサの新しい利用先を広めていく必要があると思います。



■文献

1) センサ機能を有する織物の開発:
http://www.aichi-inst.jp/owari/research/report/owari_2007_01.pdf

2) センサ機能を有するカーペットの開発:
http://www.aichi-inst.jp/owari/research/report/2009_32.pdf

3) センサタイルカーペットの開発:
http://www.aichi-inst.jp/owari/research/report/2009_33.pdf

4) ロボット衣服による人接触検出:
http://www.aichi-inst.jp/owari/research/report/10os38.pdf




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