液状食品中のタンパク質を除去する方法として、プロテアーゼ製剤を使う方法や限外ろ過膜を使う方法がありますが、セラミックスによる吸着法は、吸着剤を液状食品に添加後分離するだけなので、大掛かりな設備投資を必要とせず、中小企業でも容易に導入が可能と考えられます。液状醸造食品と一口に言っても、原料や製法が様々であり、成分も大きく異なります。これまでの研究の結果、万能なセラミックスはなく、対象製品に応じてセラミックスを適切に選択する必要のあることがわかってきました。今後も、滓の発生リスクを抑えた高品質な製品づくりに寄与すべく、研究を進めていきたいと考えています。
文献
1) 近藤ら:清酒中の品質劣化に関わるタンパク質のリン酸カルシウムによる除去, New Food Industry, 54, 7-14 (2012)
2) 近藤ら:アルコール系発酵調味料の滓原因タンパク質のセラミックスによる除去, 醸協, 108, 707-715 (2013)
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