経営戦略レポート 技術の広場
経営戦略レポート
海外支援
中小企業支援等レポート
技術の広場
あいち技術ナビ
あいち産業振興機構中小企業支援
海外駐在員便り
時代の目
特集(トピックス)
企業ルポ
翔 魅力ある愛知の中小企業
あいちの製品ProductsAppeal
経営革新に挑戦する中小企業成功事例集
創業企業に聞く
支援企業に聞く
お店訪問 繁盛の秘訣
科学技術は今
ホームページ奮闘記
スペース
スペース
経営相談Q&A
労務管理Q&A
資金調達Q&A
組織活性化Q&A
環境対策Q&A
省エネQ&A
経営革新Q&A
窓口相談Q&A
IT活用マニュアル
IT特集
どんどん使ってみようWindows Vista
IT管理者お助けマニュアル
ネットワークお助けマニュアル
セキュリティお助けマニュアル
お助けBOX
補助金助成金一覧
施策ガイド
「ネットあいち産業情報」更新をお知らせします!
  トップ > 経営戦略レポート 技術の広場 >  ショットピーニング材のEBSDによる金属組織観察について
ショットピーニング材のEBSDによる金属組織観察について
共同研究支援部 計測分析室

記事更新日.18.05

あいち産業科学技術総合センター 
■問合せ先
〒470-0356 豊田市八草町秋合1267-1 TEL 0561-76-8315 FAX 0561-76-8317
印刷用ページ

1.はじめに 

ショットピーニングは、金属材料の疲労強度や耐摩耗性向上を目的として、無数の小さな球体を金属表面に衝突させて加工硬化及び圧縮残留応力の付与を行う処理です。処理の効果を調べる方法には、硬さ試験、X線残留応力測定や、顕微鏡による金属組織観察があります。
そのなかでも、ショットピーニングで微細化した金属組織を明瞭に観察するには、走査電子顕微鏡(SEM)による結晶方位解析(Electron BackScatter Diffraction : EBSD)が有効です。
本稿では、ショットピーニング材のSEM-EBSD測定による金属組織観察について紹介します。


2.SEM-EBSDとは 

走査電子顕微鏡(SEM)は、細く絞った電子線で試料表面を走査し、ミクロ〜ナノスケールでの表面構造の観察や、エネルギー分散型X線検出器(EDS)による元素分析を主な用途として、製品開発や品質管理に広く利用されています。 SEM-EBSD測定では、試料を70°程度に傾斜して電子線を照射し、試料表面から発生する後方散乱電子回折パターンを専用の検出器で検出します(図1)。このパターンについて、結晶方位解析を行うと、試料の結晶粒観察や結晶方位分布などが得られます。



3.ショットピーニング材のSEM-EBSD測定

ショットピーニングを行った材料は冷間圧延鋼鈑(SPCC-D)、投射材はSiO2(#300)、投射圧・時間・距離は0.4MPa, 10sec, 100 mmです。このショットピーニング材について、断面試料を作製し、試料表面から深さ約100μmまでのSEM-EBSD測定を行いました。

図2(a)から、試料表面近傍では結晶粒が扁平な形に微細化したこと、表面から20μm程度では結晶粒の大きさは変わらないが粒内に生じたき裂が見られます。また、図2 (b)では、表面から約20〜30μmにて、(a)で見られたき裂の位置に対応して結晶粒内で方位を示す色が変化しており、粒内で不均一に結晶が歪んだことが分かります。

 このように、ショットピーニング材についてSEM-EBSD測定を行うことにより、微細な金属組織の様子が明瞭に把握できます。

4.おわりに

あいち産業科学技術総合センター共同研究支援部計測分析室では、金属の熱処理・成形加工・表面処理等による組織の変化を、SEM-EBSD測定により評価することができます。上記の結果の他に、金属組織の配向性の評価やセラミックス材料への適用も可能です。お気軽にお問合せください。

あなたのご意見をお聞かせください
この記事を友人や同僚に紹介したいと思う
参考になった
参考にならなかった
 
Aichi Industry Promotion Organization
財団法人あいち産業振興機構