AARIアジア中小企業レポート
株式会社愛知アジア総合研究所(AARI)

記事更新日.13.01.04

製造業を中心とした愛知県および東海地域の中小企業に向けて、アジア各都市とのコネクションと様々なソリューションに関わるノウハウをもとに、技術支援、品質管理支援、環境対策支援等、ソフト面での海外進出をサポート。第一弾として、中国江蘇省常州市への進出サポートを展開中。
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■第8回 江蘇省常州市プロジェクト その3

執筆者:株式会社愛知アジア総合研究所 代表取締役 乗松薫
1970年名古屋市生まれ。1996年早稲田大学法学部を卒業後、岩手朝日テレビを経て、2000年ヤフー株式会社入社。2003年、名古屋にて株式会社ミルゲート(旧 有限会社エヌ・プランニング)を創業。以後、WEB領域を中心に、ナショナルクライアントから中小製造業まで、数多くの企業の国内およびアジア地域へ向けたプロモーション業務に携わる。専門領域は国内およびアジア市場へのプロモーションプランニングおよびコピーライティング。2012年3月、株式会社愛知アジア総合研究所を設立し、代表取締役に就任。

渡航2日前のキャンセル

第4回のレポート以来、しばらく常州のことを掲載しておりませんでした。これはお察しの通り、尖閣諸島問題の影響でプロジェクトを進めることができなかったためです。
8月10日に常州からの訪日視察団を成田空港で送り出し、約1ヶ月後の9月19日に今度は私たちAARI側が常州を訪問して、今後の提携事業について具体的な話し合いの場を設ける予定でいました。しかし、既にエアチケットも宿泊先も常州での会議スケジュールも全てフィックスしていた中での日中関係の悪化。渡航予定の2日前、大規模なデモの発生が予測された柳条湖事件記念日の前日に、私たちは渡航中止の判断を余儀なくされました。
以後、約2ヶ月に渡って常州市政府および熱処理企業各社とは定期的に電話やe-mailによるコミュニケーションをとっていたものの、日中関係に関する様々な憶測と不安から、なかなか常州訪問に踏み切れずにいましたが、12月半ば、約半年ぶりのAARIの常州訪問がようやく実現しました。

日中関係に横たわる諸問題についてここで言及するつもりはありませんが、これまで常州市政府や企業とやり取りをしてきた中で改めて感じたのは、商売と政治は別ものだな、ということ。この点においては、我々日本人よりも中国人の方が、はるかにドライに考えているような気がしています。
 
再起動したプロジェクト
さて、諸問題によって一旦停止していた江蘇省常州市プロジェクトですが、今回の我々の訪問により、加速度的な進展を見せています。
これは、熱処理企業の日本側に対する支援への要望が非常に強いことも影響していますが、一番の要因は市政府がプロジェクトの進展にかなり積極的になっていること。今回、4月以降に常州から数名の熱処理工場の社員が長期研修のために来日することが決まりましたが、AARIと地元企業の間を取り持つ常州市政府の影響力があったからこそ、プロジェクトの再起動が可能になったわけです。改めて中国における政府の影響力の強さを感じざるを得ませんでした。
今後、AARIでは、まずは熱処理業界をメインに常州市と愛知県の企業との人材交流を進め、近い将来には合弁企業の設立等の共同事業にも目を向けていきたいと思っています。以前のレポートでもお伝えしましたが、現地ローカル企業の間では、特に生産管理の指導に関する日本側へのニーズがとても高く、これは熱処理に限らず、様々な産業領域で同様の傾向にあります。AARIでは、まずは熱処理、その後には常州市政府が管轄する各種業界団体との協力関係を構築し、製造業を中心とした様々な産業分野における常州市との提携事業を進めていきたいと考えております。
常州市の観光
今回の訪問では、常州市中心部の他に、観光地として有名な「天目湖」でも会食を兼ねた会議を実施しました。
天目湖は、常州市の南西に位置する県級市(常州市の1つ下の行政区分)栗陽市にあり、風光明媚な湖と温泉で人気のリゾート地です。常州市中心部から車で2時間弱といった距離でしょうか。

ここの名物は天目湖で獲れるレンギョをじっくり煮込んで調理した「魚頭湯」。川魚特有の臭みも気にならず、濃厚なスープとレンギョの弾力性のある食感が楽しめます。
また、天目湖のすぐ近くには江蘇省、安徽省、浙江省の3省にまたがる巨大な竹の群生地 「南山竹海」もあり、自然の魅力を満喫しようと、上海あたりからの観光客が大勢訪れていました。

その他の観光地として有名なのは、常州市中心部からほど近い「常州恐竜園」。巨大な恐竜の化石からジェットコースターなどのアトラクションまで、同じく週末には上海あたりからの家族連れが大挙して訪れる人気のスポットです。

成長著しい製造業だけでなく、魅力的な観光スポットも備えた常州市。 海外進出に興味をお持ちの県内企業の皆様、常州市への視察をご希望の皆様は、是非一度AARIまでお気軽にご相談ください。

 
セミナーのご案内

最後にご案内です。AARIと、同じく私が代表を務める潟~ルゲートとの共催で、来る1月 22日(火)に常滑焼中国進出の仕掛け人、加藤剛氏を講師にお迎えして、『海外で売るためには〜 海外で必ず売れるためのマーケティングとプロモーション〜』と題したセミナーを開催いたします。セミナーでは、海外で売れる「モノ作り」とインターネットを活用した 「モノの売り方」をご紹介。

参加費は無料ですので、是非皆様ご参加ください。

『海外で売るためには
〜 海外で必ず売れるためのマーケティングとプロモーション〜』

■日時:平成25年1月22日(火) 13:00 開場 13:30 講演 (15:30 終了予定)
■場所: 栄ガスビル 5階(502会議室) 名古屋市中区栄三丁目15-33
■講師: 加藤剛 氏 経済産業省中部経済産業局 海外支援アドバイザー
             乗松薫   潟~ルゲートおよび活、知アジア総合研究所 代表取締役
■定員: 40名 (先着順)
■参加費:無料
■申し込み:下記のリンクから、セミナーの詳細ご確認、およびお申し込みが出来ます。 

http://www.mirugate.co.jp/seminar2013/
 (次回に続く)


※AARIが提供するサービス、及び常州市プロジェクトの最新情報はAARIのWEBサイトhttp://www.aa-ri.co.jp をご覧ください。情報は随時更新予定です。