1月の終わりに、AARIとミルゲートの共催で「BtoB企業のための、初めてのインターネット広告」と題したセミナーを開催しました。AARIに寄せられる海外進出への相談が増える中、実は国内市場に向けてのマーケティング対策が十分でない中小企業が意外と多い現実を目にし、「もう一度企業の皆さんに国内マーケティングを見直してもらおう」と思い立ったのがきっかけです。
国内マーケティングを充実させて成果があがれば、それに越したことは無く、無理に様々なリスクを背負いこんで海外に出ていく必要はありません。そういったわけで、セミナーでは主にインターネットを利用した国内でのBtoBマーケーティング対策についてお話をしたのですが、今回、そして次回のレポートでは、そのセミナーでお話しした国内対策を、そして最後に海外対策といった具合に、3回に分けてBtoBマーケティングについて触れてみたいと思います。
あるマーケティング会社がBtoB企業約250社に対して実施した調査によると、 現状実施されている国内マーケティング施策の上位3位は、
1位 展示会出展
2位 メールマガジン配信 3位 自社セミナー開催
の順で、それに対して
現状抱えている問題は、
1位 マーケティングの成果が見えない
2位 商談に結び付かない見込客が多い
3位 マーケティングにリソースがさけない
といった結果になったそうです。
つまり、少々粗っぽく言うと、
「展示会出展やメールマガジンの配信、そしてセミナーの開催だけでは、なかなか成果が見えてこない」
といったところでしょうか。
ここで、上位3つの施策についてメリットとデメリットを考えてみましょう。
まずは展示会出展です。
中小企業にとって、商工会議所主催の展示会や業界向け展示会などは、新規見込み客獲得のための格好のアピールの場となってるのは恐らく間違いないでしょう。実際にAARIやミルゲートの多くのクライアント企業が毎年決まって幾つかの展示会に出展していて、それなりの成果を収めていると聞いています。コストがかさむこと(最近は自治体などの補助があったりもしますが)や人的なリソースを強いられることを差し引いても、多くの有望な見込み客と実際に出会えるメリットは大きく、その意味ではBtoB企業にとって展示会は欠かすことのできないマーケティング施策と言えるかと思います。
ただし、デメリットもあります。
先に述べたようにコストと人的負担が大きいのに加え、何よりも展示会は時期を選べません。開催時期は主催者次第で、例えば新製品を開発したタイミングでアピールしたり、特定の製品やサービスが市場から求められるタイミングでマーケティングをしかけることが難しかったりします。また、展示会会場で出会うことのできた見込み客にしかリーチが及ばないといったデメリットもあります。
次にメールマガジン配信です。
そもそもメールマガジンはメールアドレスを交換した既知の相手に対して配信するわけですから、リピーター顧客を獲得できるメリットはあっても、今以上に新規見込み客の間口を広げることができないというデメリットがあります。
最後に自社セミナー開催ですが、これは何よりもセミナー参加者を囲い込めるということに大きなメリットがあります。しかしその一方で、新規の参加者を集めることが回数を重ねる毎に困難になってくること、さらにはそもそもセミナーに適さない業種にとっては有効なマーケティング施策にならないといったデメリットが挙げられます。
と、まあこんな具合にどの施策にも一長一短があるわけですが、多くの企業が上位3位の施策に取り組みつつも「マーケティングの成果が見えてこない」という課題を挙げているということは、どうやら上位3位以外のもので、何か成果を上げられるような別の施策への取り組みを見つける必要がありそうです。
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