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  トップ > 経営戦略レポート 中小企業支援等レポート > びっくり中国輸出入事情【輸入編

びっくり中国輸出入事情(輸入編)

横澤 正博

記事更新日.12.01.20

有限会社マミック 代表取締役
■PROFILE
1959年名古屋生まれ名古屋育ち  大学卒業(文系)後、何故か金型&成形工場に入社後、封印していた三角関数を思い出しつつ製造技術&技術営業を学ぶ。
在職時に、海外調達(韓国)を学び、その経験を元にアジアの製造に関わる貿易&日本での製造経験のスキルUPを続ける。
2003年日本を離れる事となり、現在香港&中国を行き来し公私・昼夜問わず海外進出企業の調達等のお手伝いと情報交換。

連絡先:有限会社マミック
Room 2302-03 23/F Shenzhen Kerry Center 2008 Renminnanlu Shenzhen CHINA
中国電話:(86)755-2518-0602 FAX:(86)755-2518-0644
E-mail:yokozawa@wako-sz.cn
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2003年5月に中国深センに入り早8年半過ぎました。
その8年間に私が体験した事、感じた事を書かせていただこうと思います。

■10年前の状況は

10年前の深セン&香港の大手企業等の駐在上層部の現地給料が100万円/月を越えると言われ、言葉など一切出来なくても常に通訳アシスタントが張り付いて業務をするというのが一般的でした。
ある会社の家族帯同転勤者のお話。妻帯同組の奥様達は、「外国語スクール」で現地語を学び、一部にはテニスラケット片手に「駐在組セレブマダム」、また、子供達は「日本人学校」へ通い、中には高価な名門のインターナショナルスクールにも行かせるというそんな時代でした。
そんな中でのある夜、香港の居酒屋で食事をしていると私の近くで「総経理、○○さんを引っ張ったらどうですか?」「120万でどうでしょう?」と羽振りの良い引き抜きトークが大衆の面前でおこなわれる光景を耳にし、
また、当時の駐在組第2世代の現地給料は、月あたり80万円前後と言われていましたが、リーマンショック後、1年で香港に登録している日本人が数千人減り、固定経費のかかる香港営業所は閉鎖となり、業務は深セン中国事務所と統合され、行き場を失った駐在者は、経費の削減に伴いどんどん日本へ追いやられることとにりました。
残った駐在者は、統合された深セン事務所に勤務した人も多く、その家族も月あたり数十万円した家賃の香港の部屋を後にし、家族共々深センの半額の住宅に移り住み、子供達も深センや広州の日本人学校へ転校することになりました。その影響で今では、香港に2校あった日本人学校が1校となり、深セン校&広州校の日本学校は子供がかなり増えていると聞きます。


■めまぐるしい変化の中国

住宅&生活環境の変化に伴い、日本人や香港人の求人条件や環境も、一昔前は業務や技能優先で採用されていましたが、今では現地語が話せて当たり前で、特殊技能者以外は現地採用組も採用条件が厳しくなり、日本での職の不安定が囁かれている中、中国に期待を寄せ渡航し職探しに来るスキルの無い若者もいますが、下は10万円以下から働く時代に突入しており、数年前までは定年間際層や中年層が多かったのですが、今では若年層化も進んでおり、中国語の出来る若年人材も多く、また特殊技能を有した定年間際層でも新規の中国ビザの発行が難しくなっていると噂されています。 (中国法的には問題ありません。)
日本は、世界に希に見る日本人気質のお陰か、几帳面、改善好き等の成長する歴史を持ち、その結果世界の中の日本に進化してきました。 現代中国では日本で体感できないほどタイムマシーンに乗っているかの如く、アッという間に技術と時間が通り過ぎており、文化やスキル、経済や環境が追いかけて来る狭間の中に中国の若年層が育っています。
私の感覚では、脳と体が未完成のまま、法が、環境、経済がめまぐるしく変化し続ける中で中国政府主導により、国民は振り回されながら経済大国の中に潜り込もうとしているのでは無いかと思います。
ここでは日本の常識が、世界標準ルールとして当たり前のように通用すると思いきや、そうではなく、改めてここは国が違うと思い知らされます。そんな環境の中、仕方なく「通用しなくて当たり前なのだ」と自分に言い聞かせながらこの国で仕事をしています。
要するに「郷に入りては郷に従がえ」と気持ちを切り替えて対応し生きていかなければいけないと痛感します。
全てとは言いませんが、現在もまだ一部に不条理と思いつつ臨機応変に対応を心がけなければ仕事もままならないと実感させられております。


■びっくり輸入事例

その一つの例として、貿易国香港に近い立地条件の揃った中国物流を学ぶにはもってこいの環境である深センに住む私は、前述のような中国の高度成長時代を肌で感じながら見聞した中国式びっくり物流の輸入事例について少し書かせていただきます。

<輸入編>

  1. 再生原材料の輸入時に虫の混入があることがわかっていても、ウン十万円払えば今日中にサプライヤー工場に納入する。
  2. 法的に金型は、未使用型のみ輸入を認められているが、未量産型が使用済みと判断され数十万円の追徴金を要求される。
    (未使用と未量産の言葉の違いが理由。実際は試作をしているので未使用はあり得ないだが・・・)
  3. 通常通関処理時間が2〜3日なのに、詳しい説明もなく2週間〜1ヶ月輸入許可がおりなかった。

こんな事例があり、その結果として学んだことは、

  1. 中国への輸出入の日程の余裕のない貨物は要注意
  2. 不条理だがコストUPは速やかに認めるが早道
  3. 税関窓口担当とはある程度根回しが必要

この国は、本当に私を日々ポジティブにもネガティブにもしてくれる不思議な国です。
民族性、感性、文化の違いが大きければ大きいほどその差に喜怒哀楽が生まれ、しばらくたてば徐々に理解も出来る…ようになるが、
ついつい「…が、しかし」と言葉が続いてしまいます。

ところである事件が深センのとある保税区で3年位前にありました。
通関待ちの運転手が施錠し昼食を取っていると、鍵を壊されて積荷(電子部品)が盗まれた。
積荷自体は保険で保証されていますが、それよりもメーカーとしては市場に出回っていない物なので、闇市場へ流れることを心配しました。
盗んだ手口は、5人位が自転車で盗品を手に抱えて保税区の門を猛速で通過し 盗んだ品は東京の秋葉原の様な電気街に売り込もうとしましたが、結果は失敗に終わったそうです。このようなことは中国では珍しくありません。

日本の2012年もまだまだいろんな形で中国の影響や関係も続くと思いますが、必要以上に避けることなく、予想できない事にも驚かず、沈着冷静が一番の近道であり、異国の地の新しい情報を吸収し乗り越えていきましょう。



次回は輸入編 その2をお送りします。
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