ベトナムの歴史はある面では外敵との戦い・攻防の歴史であるといえるでしょう。古くは唐代以前の中国から最近のアメリカあるいはカンボジアとの戦争に至るまで、侵略と反撃が繰り返されてきました。町のあちこちにはこれを物語る国防の英雄たちの彫像が立っています。
1945年にホーチミン氏が独立を宣言し(ベトナム民主共和国)対仏独立インドシナ戦争が始まりました。1954年要衝ディエンビエンフーを陥れてフランスの植民地を脱し独立しましたが、1960年には南にベトナム共和国が成立しベトナムは政治体制の異なる南北に分断されました。
その後長いベトナム(対米)戦争があり、その最終段階で1975年サイゴン(現ホーチミン市)が陥落して南北統一が果たされ現在のベトナム社会主義共和国が成立しました。これらの戦争の痕跡と後遺症は今もいろいろなところに残っています。
ドイモイ政策が採択されたのは1986年で、その後中国、米国との関係改善、ASEAN加盟など経済発展のための諸政策を推進し、冒頭に述べましたように国の発展と国際的な評価の向上に成果をあげてきました。
日本との関係では、1973年に国交が樹立されましたが上記のようなこの地域の国際関係に起因するさまざまな理由により、両国の関係が急速に発展したのは1990年以降のここ十数年に過ぎません。近年はODAなどの経済協力、貿易、投資各分野でベトナムの社会経済の発展やインフラ整備に大きな貢献を果たした日本は政府、国民から高く評価されています。
1990年代半ばに第一次ベトナムブームが起こり多くの海外投資家がベトナムに進出しました。
ベトナム政府の外資優遇政策もあって日本からも自動車、家電、オートバイなど、内需指向型製品の現地生産のため多くの企業が操業を始め、前後して建設業、銀行、商社、保険、物流など金融・サービス業の進出も相次ぎました。
1997年のアジア通貨危機の影響で海外投資は急減しましたがこの2,3年は再び増加し、前述のように第二次のベトナムブームといわれるように活況を呈しています。最近の傾向はベトナム政府のポリシーもあって裾野部品製造および輸出指向型製品での投資が多いようです。
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