企業は「強く」なければならない。(「強く」とは、収益第1主義で収益拡大と効率財務を目指し、ヒトの効率的配置と大量生産(多品種)、生産性向上のための設備投資を強力に推進する経営である)しかし「良い会社」にならなければ存在する価値がない。これからの企業経営は、企業行動の前提として、地球環境、社会環境、個人生活、そして国際的なルールにマッチすることがより重要になってきた。そしてポスト業績第1主義の評価に、元NEC関本忠弘会長は、「良い会社」を提唱され、その条件として@経済的貢献=業績の向上・競争力の維持、A社会貢献=企業市民として社会・環境問題への対応、B文化的貢献=メセナ・フィランソロピー活動、C科学技術への貢献、D社会・株主・従業員への還元を上げている。これは、大企業、中小・中堅企業を問わず重要な条件である。 また、アメリカを中心とした企業評価には、第1に伝統的な財務分析ツール、第2にCS(顧客満足度)、第3にリターンを目的にしない社会貢献を重視、第4に研究開発投資、第5にキャッシュ・フローによる評価がある。これらの総合的な評価がモノサシとなる。
魅力ある会社の条件は、会社の理念、企業行動が社会的に十分信頼され、社員がそこに働くことに喜びを感じ、仕事を通して自己実現を果たし、達成感を味わえることである。そしてその結果について上司が評価し、賞賛が行われている。ここでは社員は職場に満足し、辞めることはない。魅力ある会社はたえず新しい魅力を創りつづけながら変化している。
会社の魅力度の条件をまとめてみると、第1に企業自身に魅力があることである。それは、経営者が社会的なリーダーであり、開発力、新技術によって商品づくりを行っているかどうか、第2に労働条件において時代をリードしているかどうか、第3には魅力的な事業分野にあり、仕事が挑戦的でしかも自己啓発ができ、仕事に発展性があるかどうか、第4に企業の経営理念・行動指針に共感できるかどうか。第5に、職場の風土において、管理者が信頼でき働く仲間意識に共感性があり、職場風土が明るく活性化していて人間関係がよいかどうか。第6に労働条件に先駆性があり、仕事と生活、余暇の共生が配慮されているかどうか、があげられる。
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