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  トップ > 企業ルポ 経営革新に挑戦する中小企業 > 株式会社 ケーワイシステム
「『モノをつくる機械』をつくる技術」を追求する
代表取締役 木原 幸広  
株式会社 ケーワイシステム
■主要事業
電気制御設計・機械設計・各種工作機械改造・NCプログラミング・画像処理
■問い合せ先
株式会社 ケーワイシステム
〒444-1322 愛知県高浜市二池町6-1-51
Tel 0566-54-0567
http://ky-system.net/
印刷用ページ

ケーワイシステムは、大手工作機械メーカーで電気設計を経験した木原社長が1998(平成10)年に創業。各種工作機械の組み立て・改造を中心に電気制御設計・機械設計・切削のプログラミングから機械納入後のメンテナンスまで行う。三河のモノづくりを象徴するように、取引先も大手自動車メーカーをはじめ製造業を代表する一流企業の名前が並んでいる。 取引先からの高い要望を実現するため、「スピード」「コスト」「品質」を追求する最高峰の技術者9人が集結している。 この技術力は、取引先の期待を上回る成果を挙げてきた実績に裏付けられる。木原社長と従業員は誇りと自信を持って日々の業務に励んでおり、さらに高い要望に応えるべく日ごろから技術力の向上に余念がない。


少数精鋭が誇る技術力

工作機械の構造を考案する「機械設計」では、今までにないものを創り出す決意で、アイデアとそれを具現化する技術を磨いている。「制御設計」は機械が操作通りに機能することに加え、万が一の事故を想定した安全回路の追加提案を行うなど機械に生命を吹き込む役割を果たす。そして、工作機械の組み立てを行う際には、機械の顔として配線の美しさにもこだわる。 「経営革新計画」を活用して新たに導入した三次元座標測定機は、精密な測定が可能であり、機密性の高い機械の受注につながっている。 「こうした技術力を支えているのは従業員。一人ひとりがより成長できるよう普段から責任感を持って業務につき、お客さまの声がダイレクトに返ってくることで手応えを感じる。それがさらに意欲的な取り組みへとつながってほしい」と、木原社長は従業員に期待を寄せている。 「お客さまの期待を上回る『満足』で『感動』していただき、従業員につくることの『喜び』を感じてもらう会社」であることが木原社長の経営方針だ。


従業員から

高い技術レベルに到達できる環境を最大限に生かす。
電気配線担当 仲川 建 さん
「精密測定を外注していた今までとは違い、1から10まで自社で対応するようになったので作業の精度向上を意識している。2〜3人での作業が多いため、先輩や後輩と切磋琢磨しながら、さらに知識・技術を向上させていきたい」静かな口調の裏に仲川さんのやる気が伝わってくる。


機密情報の漏えいが懸念事項だった。

三次元座標測定機の導入前は、開発した部品・機械の精密測定を協力会社に外注していたため、機密性の高い工作機械は受注できなかった。「三次元座標測定機を持っていないと見積りすら見てもらえない」(木原社長) お客さまにとって機密保全の観点は非常に重要で、他社との競争でも一歩後れをとっていた。設計から制御、施工まで自社での一貫体制が実現すれば、お客さまの懸念は解消して信用も上がる。ただ、測定機の価格は即決できるほど安価ではなかった。  導入を検討し続けていたある時、思わぬ事態が起こる。「リーマンショック」だ。業界の設備投資が激減し、測定機の価格が正規より大幅に下がったのだ。 「この価格で設備が導入できるのは良いタイミング。もう少し支援があれば…」。 木原社長は相談に行った刈谷商工会議所で、「経営革新計画」に「設備資金の一部を無利子で借りることができる」制度があることを知る。 「購入する条件は揃った」(木原社長) いよいよ三次元座標測定機の導入が現実となる瞬間だった。


 


一貫体制の実現

これまで外注していた精密測定を自社で対応することになるため、OBが講師となって測定技術の訓練を実施した。測定技術は多岐にわたり随時更新されるため、品質と技術の統一を図るためのマニュアル化にも取り組んだ。また、環境経営の一環として「エコアクション21」の認証登録を目指し社内環境を整備している。 「これで取引先に安心して任せてもらえる」(木原社長) 自社完結することで、検査の待ち時間・検査依頼の費用・搬送時間およびコストが大幅に改善された。そして何より、取引先からの信用が向上した。 「本当にこの制度を使ってよかった」木原社長はあらためて振り返る。



受注増加と技術向上の相乗効果


導入後は、機密保全というお客さまにとって一番の懸念事項が解消されたことで受注が増加。作業量の増加に伴い従業員の経験が蓄積され、技術力が向上した。その成長ぶりは木原社長も目を見張るほどだった。 精密測定に関する技術の向上も目覚しく、検査体制が同業他社に対する差別化のポイントになっている。お客さまからの技術的な評価の高さは、タイなど海外生産拠点との取引頻度の増加にもつながっている。 財務的な効果も大きく、売り上げは測定機の直接的な効果で約5%、会社全体では10%近く増加した。


チャレンジ精神から始まるモノづくり


 「ありきたりだけどチャレンジし続けることがやっぱり大事なんだよね」そう話す木原社長は、事業縮小より事業拡大を選択する経営者だ。 事業の安定化や技術力の継承のためには、従業員を増やして精鋭集団をもっと強化したいという希望がある。その一方、既存の技術力を支えるために事故防止対策にも余念がない。「安全面は特にしっかり取り組んでいる」(木原社長)というとおり、他社での事故事例を共有して危険予測を徹底的に行っている。 「誰よりも電気設計が好きなんだよ」木原社長のモノづくりの原点はこの一言に込められている。その姿勢に従業員一同が賛同し、全員の技術力を集結して「モノをつくる機械」をつくることに対するチャレンジ精神を一層高めていく。


経営革新のポイント




※ 設備資金貸付制度は、平成26年度末をもって終了いたしました。
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