自然豊かな養老駅。少し車を走らせると茶色い建物に「馬印の氷砂糖」という文字が見える。そこは、創業119年を迎える尾張一宮発祥の老舗企業の工場だ。
砂糖は戦後、希少価値の高い食品だった。高度成長期には需要も多く成長産業であった。しかし、1963(昭和38)年に砂糖の輸入自由化に伴う乱売競争によりメーカーが淘汰されることとなる。中日本氷糖は、氷砂糖中心の特殊糖に特化することで生き残った。また、労働環境の改善のため、いち早く製造ラインの機械化に取り組み、1994(平成6)年、日本で唯一となる氷砂糖(ロック)製造ラインの機械化を行った。
こうして、中日本氷糖は長年にわたり氷砂糖のトップシェア(現在シェア約55%)を誇る企業として歩み続けている。
トップ企業として、業界全体の盛り上げや社会貢献につながる活動を積極的に行ってきた。2010(平成22)年、NPO法人レスキューストックヤードと災害救援に関する協定に調印。災害直後に氷砂糖を届ける体制を整えた。また2011(平成23)年には氷糖メーカーの営業権を譲り受け、100%子会社メイホウ食品の営業を開始した。
トップ企業でありつづける背景には、創業当時より大切に継承される経営理念と新たな挑戦があった。
氷砂糖(ロック)製造ライン
|