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  トップ > 企業ルポ 経営革新に挑戦する中小企業 > 今吉自動車販売(イーブイ愛知株式会社)
異業種の技術と知識を集結した「コンバージョンEV」の開発・製造
代表 伊藤 勝規  
今吉自動車販売(イーブイ愛知株式会社)
■主要事業
自動車販売、保険代理店
■問い合せ先
今吉自動車販売(イーブイ愛知株式会社)
〒496-0803 愛知県津島市今市場町3-1-1
Tel 0567-25-5005
印刷用ページ

1981(昭和56)年に伊藤代表が中古車販売および保険代理店から始めた今吉自動車販売。事業開始後、順調に業績を伸ばし、4年後には新規顧客にむけて新車販売を開始した。 さらに2000(平成12)年、顧客満足の充実にはアフターケアが不可欠と考え、自動車30台分を保管できる整備工場を完備し、車体整備を手掛けるようになった。特に、ポリッシング(ボディー磨き)技術は高級自動車販売店から依頼を受けるほど高い評価を得ている。 高い技術ゆえ景気に左右されることなく、現在も自動車に関するあらゆるサポートでお客さまとの信頼関係を構築している。


地元中小企業のネットワークで地域に貢献

信頼関係を構築しているのはお客さまだけではなく、地元中小企業に対しても同様だ。 「大企業と比較して、中小企業には事業を拡大することに限界がある。ならば、大企業にはない中小企業ならではの特性を活用しよう」(伊藤代表) この根底にあるのは、地元に根付いて信頼関係を構築してきた中小企業だからこそ、あらゆる面でお客さまの要望に応えたいという強い思いだ。 「相談に来てくれるということは信頼してくれているということ。その気持ちに応えたい」(服部事務局長) 本業と直接関係のないことでも、日頃のネットワークを駆使してその要望に応えることのできる仲間に依頼して解決する。そんな対応を続けているうちに、さらに地元中小企業のネットワークとお客さまからの信頼が増していった。  また、中小企業の経営者で定期的に開催している「異業種勉強会」で情報や意見を交換し、より地域に貢献できる事業に挑戦している。 これらをきっかけに2011(平成23)年、中小企業経営者と共同で「イーブイ愛知(株)」を設立。メンバーの特性を生かしてコンバージョンEVの開発・製造に取り組み、地域に根ざした環境事業を継続している。



従業員から

周りの方々とのつながりによって自分たちの事業が成長する。
事務局長 服部 光裕 さん
「『経営革新計画』によって事業計画を可視化し全員で共有することは、現状と方向性を確認するうえでとても効果的だった」と事業全体をとりまとめる服部さんの声は明るい。多くの経営者が本業の傍らコンバージョンEVの取り組みを継続することは容易ではないが、伊藤代表を中心にメンバー全員が未来の社会基盤の構築につながると考え、さらなる事業展開を目指している。


経営者たちが培ってきた「技術」と「知識」を集結する。

始まりは伊藤代表の3つの思いだった。自動車を通じてお客さまのニーズに応えたい、自動車に関わるものとして環境問題に貢献したい、そして中小企業の技術と知識を集結して地域に根付いた社会貢献をしたい。これらの思いが重なった時期に、既存のガソリン自動車を電気自動車に転換する「コンバージョンEV」の存在を知る。 「これなら自分たちの培ってきた技術と知識を発揮できるのではないか」(伊藤代表)


1台走らせてみよう。

2010(平成22)年12月、手探りのなか試作に取りかかった。車種の選定、部材の発注、整備工場や製造経験者の手配、オリジナルカラーでの塗装、車体への組み込み。ここまでの工程をわずか2カ月で終え、完成後の実走行では全員歓喜に沸いた。その1カ月後、軽自動車として県内初となるコンバージョンEVでの車検取得に成功する。


「イーブイ愛知」を設立

1台目の試作に手応えを感じた。実際に作ってみて気付くことも多かった。自信は確信に変わった。 「本格的にやってみよう」(伊藤代表) 今後の事業活動の基盤とするため、組織を株式会社化。参画している経営者の得意分野を反映した組織体制になっていることも大きな特徴だ。  多数のメンバーが協力して事業を実施していく上で、目標、現状の課題、具体的なスケジュールなど全員で共有することが重要だった。「経営革新計画」をきっかけに事業計画書を作成したことは、メンバー間の情報共有に大きな効果をもたらした。


反響の大きさが自信と誇り、向上心につながる。


立ち上げ当時の8社から株式会社設立時には20社、現在は30社にまで参画企業は増えた。業種も自動車販売業、製造・設計業、不動産業とさまざまだ。  コンバージョンEVの完成後、モーターショーやイベントに出展し、テレビなどメディアにも取り上げられたことで知名度と認知度が一気に上がった。 「今まで見た事のないコンバージョンEVだ」展示会場で来場客によく掛けられる言葉だ。原車にはない色で車体全体を塗装するなど仕上がりには自信がある。一つのキズ・へこみも見逃さないこだわりもイーブイ愛知の技術力だ。反響に比例してメンバー間にも自覚が芽生え、期待を超えたよりいいモノを作りたいという意識も高まった。行政や大学などの支援のおかげで継続的な技術開発も可能となり、メンバーは技術向上に意欲を見せている。 「次に向けて頑張ることができるのは、伊藤代表の人柄と実行力のおかげ」と服部さんは語る。


現状の課題を受け止める。


試作品として精度は高いものの、販売となると状況は変わる。当初市販化を目標としていたが、安全性の確保やEV化による車体バランスの見通し、国土交通省ガイドラインの規制クリアなど課題は山積みだ。今後は、これまで培ってきたネットワークをもとに国際会議や大学との共同プロジェクトに参加する。EV単独の取り組みから次世代インフラの一部としてのEVへ、さらに技術力と知識の向上に努めていく。


事業モデルとしての責務を果たす。


事業開始から3年、現在も全国各地から問い合わせが寄せられる。異業種が連携したEV開発の取り組みは、大学教授の論文の題材にもなるほどだ。事業モデルとしてモノづくりの地元での功績も大きく、EV事業をけん引する企業を目指してこれからも走り続ける。


経営革新のポイント



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