「経営革新計画の承認を受けて、特許審査請求料の減免制度を活用させてもらったが、社員と目標を共有できたことが大きかった。」と語る村瀬智之常務。来年2016年からは、父の後を継いで3代目社長に就任予定だ。
「仕事を通じて農業の役に立ちたい!」代表取締役である村瀬和男氏の父親である創業者・村瀬忠雄氏の企業理念である。忠雄氏は、こうした思いを胸に、1952年に丸福繊維工業所を創業し、農作業衣料を中心とした企画・製造を始めた。その後1983年に法人化して株式会社丸福繊維となり、ユニフォームやワーキングウェアの卸販売を開始。2001年には、現在も自社製品の柱の一つである、暑さ対策帽子「涼かちゃん」の生産・販売を行うなど、順調に事業規模を拡大してきた。
株式会社丸福繊維の強みは、創業時から農協としっかりとした繋がりを構築していること。和男社長は、「農家の方のリクエストや悩みを聞いて、当社の強みやシーズに合わせた製品開発に活かしている。」と語る。滑ロ福繊維は、こうした強みを活かし、順調に売上を伸ばしてきたものの、景気の低迷やユニフォームの卸販売への大手ライバル企業の参入等によって苦戦を強いられ、2009年には営業赤字を計上するに至った。和男社長の息子・智之氏(現常務)が他企業での修行を終え、入社した2008年は、まさに、そうした厳しい状況下であった。
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