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反骨精神、技術屋魂に満ちた製品
株式会社近藤機械製作所 記事更新日.13.04.01
■問い合わせ先
株式会社近藤機械製作所
海部郡蟹江町舟入1丁目130番
電話 0567-95-1343  FAX 0567-95-7296
HP http://www.kondo-kikai.co.jp
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今回は反骨精神、技術屋魂に満ちた製品紹介です。難しい! 無理だ! できない!取引先の現場で困っている相談が舞い込み、逆転の発想と技術者魂が製品として実を結ぶ紹介です。
 
◆粉末冶金とは…
 

粉末冶金とは、金属粉末を成型して焼結し、金属製品を造る製法です。また、金属粉末の調合により材料調質が容易になるため、以下の特徴があります。
・気孔を利用して潤滑油を含ませることが可能になります。軸受けとして油の補給が不要(含油軸受)なため、洗濯機・扇風機・ハードディスクなどの小型モーター部品として多用されています。

「3軸式NCサーボプレス機」は、粉末冶金小型部品を高品質でかつ大量生産できる機械です。

 

◆「3軸式NCサーボプレス機」
 
  • 反骨精神
    7年前にライバル企業のプレス機に受注が決まりました。その後、そのプレス機は想定能力の発揮が芳しくなく、毎分6個〜7個(約9秒に1個プレスする)の生産能力でした。1年前、その企業から何とかならないかと相談があり、近藤専務の心に火が付きました。

    一般的に、誤差の範囲内に納めるためには、範囲内に素材が置かれていることを確認してから作業します。他方、この「3軸式NCサーボプレス機」は、その場所に来たら作業する「決め打ち」の仕組みを導入しました。そのヒントは過去に製作した座金(ざがね)マシーンにありました。

    座金とは、ボルトをナットなどにより締め付ける際に挟み込む穴の空いた板状の機械要素でワッシャーとも呼ばれています。非常にローテクな機械ですが、決め打ち作業に置き換えたことにより、不良が一気に減りました。3割発生していた不良が一気に改善され、座金マシーンを導入された企業の利益率が大幅に変わりました。

    「3軸式NCサーボプレス機」の試作機まで3ヶ月、そして改良加えて完成まで1年の期間で製品化に至りました。素材が範囲内に置かれている確認工程を省くことで時間と精度を上げることができました。
    その結果、「3軸式NCサーボプレス機」は、粉末冶金小型部品を非常に精度の高いレベルでプレス加工を実現しました。しかも毎分24個(2.5秒に1個プレスする)の生産能力を備えています。

    そして3万個の部品を生産した際の誤差が1(マイクロマートル=マイクロは100万分の1)に抑える高い精度です。これによりプレス後の品質検査を省くことができます。当に一石二鳥の製品です。
  • 技術屋魂
    「3軸式NCサーボプレス機」の凄いところは他にもあります。プレスされた内側に溝を刻む技術です。プレスする際の上下の圧力に差異を設け、抜くタイミングを工夫することによりできる技術です。当に、機械の職人技です。納品先の兼ね合いもあり、実物の写真を掲載できません。また、どのような溝なのかも説明できません。ご理解お願い致します。

    「3軸式NCサーボプレス機」に関して、パテントの取得を予定していません。なぜなら、真似できないノウハウがこの機械にはあるためです。近藤専務の表情は自信に満ちていました。
    トヨタ自動車がカンバン方式をオープンにしていることと同じと感じました。カンバン方式の仕組みは簡単であるがそれを動かすマインドまで真似しないとできない仕組みです。近藤専務の自負とトヨタ自動車の自負が重なるように見えました。

    製品に込める自信は、精密機械メーカーとして、これまで精密金型、部品、航空機用ジェットエンジンの軸受け部品加工を通じて培った経験と技量が根底にあります。F1自動車のエンジン部品の一部を受注する技術力を持っています。写真紹介できませんが、社内には大手エンジンメーカーの認定証も掲げてあります。
  • できる訳がない…
    近藤専務がお客さまと商談して、製品について説明するとお客様ができる訳がないと言い出します。
    中には怒り出すお客さまもいらしたそうです。しかし、技術屋の直観力とひらめきで判断して製品化と具現化する力があります。
 
◆GOKISOハブ
 
  • 自転車通勤から生まれた
    近藤社長は、スピード違反により運転免許停止期間中、自転車で名古屋市内から蟹江町まで通勤していいました。その後、免停期間は終わりましたが、自転車の魅力に取りつかれました。その影響を近藤専務も受け自転車通勤を始めます。ちなみに以前は名古屋市昭和区御器所に工場がありました。

    あるとき近藤専務の自転車のハブが壊れました。技術屋でもあるためそのハブの構造を見てビックリです。旧態依然の設計です。これなら自分でもの創れると思いチャレンジが始まりました。

    凹凸のある道路を走ると自転車は上下に震動します。外部から震動を受けた時に、従来のハブ構造ではハブ自体が歪み、中のベアリングに過剰な負荷が掛り、軸受に歪みやねじれが生じます。
     このとき軸受内部では、歪みによる回転抵抗が発生し、ペダルをこぐために更なる力が必要になります。
  • 航空機ジェットエンジン用軸受の生産技術から生まれた
    GOKISOハブは軸受のまわりに弾性体サスペンション構造を設け、さらにハブボディと軸受けを0.5mmのすき間を開けて構造的に浮かせることで衝撃荷重を吸収、0.5mmのすき間によりハブボディの歪みも直接軸受には届かず、軸受の回転に影響を与えない構造になっています。これも超精密金属切削加工、航空機ジェットエンジン用軸受の生産技術が生んだ製品です。
    実際にハブを斜めから見ると、わずかな隙間が見えます。金属の塊を削る超精密金属切削加工技術に驚くばかりです。

    GOKISOハブで使われている軸受には、直径2mmのベアリグを使用しています。更にセラミックのベアリング対応も製造しています。セラミック対応のベアリングを指で回転させましたが、その滑らかな回転に驚くばかりでした。この滑らかな回転が車輪の回転に好影響を及ぼすことを容易感じました。
  • 反骨精神
    従来の自転車業界は自転車重量 1g削るのにいくら費やすことを判断指標としているため、GOKISOハブの良さが理解されません。自転車業界は重量神話の中どっぷり浸かっている状況でした。
    通常のハブに比べて重量がありますが、ハブの抵抗が非常に少ないため、その分ペダルをこぐ力は少なく済みます。距離を走ればその効果は明白です。簡単な例で説明すると、従来の150kmの距離を進む力で160kmの距離を進むことができることを意味します。距離が長くなれば性能の差は歴然と出ます。

    近藤社長が説明しても業界関係者には理解されません。ここにも業界の常識を打破する反骨精神を感じることが出来ました。しかし、確実にGOKISOファンは増えています。千葉県からわざわざ購入に見えたお客様がいました。
  • 自転車で社内に変化も
    工場内外には通勤で使う自転車が多数ありました。GOKISOハブを製造してから社内で自転車愛好家が増え、コミュニケーションも良くなったと近藤社長がポツリと言われました。これまで技術力はあるが自社製品を持っていないため胸を張ることができないスタッフも、GOKISOブランドを持ったせいと近藤社長は分析しています。

    http://www.kondo-kikai.co.jp/index.html

    http://www.gokiso.jp/index2.html

 

   
取材・文 YAビジネスサポート 杉本 安行

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